
"人"と"鬼"とを隔てるものとは。『化け者心中』【本が好き!×カドブン】
カドブン meets 本が好き!

書評でつながる読書コミュニティサイト「本が好き!」(https://www.honzuki.jp/)に寄せられた、対象のKADOKAWA作品のレビューの中から、毎月のベストレビューを発表します!
>>急激にスポットライトの当たった2000年前後。コロナのクラスターとしてバッシングを受け、愛田武亡き後、愛本店が閉店した2020年。ホスト業界の栄枯盛衰を描く。
第24回のベストレビューは、mushashabi さんの『化け者心中』(著者・蝉谷めぐ実)に決まりました。mushashabi さん、ありがとうございました。
"人"と"鬼"とを隔てるものとは。
レビュアー:mushashabi さん
芸に命を燃やし芝居のためになら何でもする、その道のために鎬を削る傾奇者たちはまさに"鬼"だ。それならば"鬼"と"人"の境目はどこにあるのだろうか。日常から"女"の様に振る舞い"男"に戻りきれなくなった女形は"男"なのか"女"なのか。そんな役者たちを"普通"でないというのなら"普通"とはいったい何なのか。役者だけではないだろう。何らかの道を極めるものは皆"鬼"なのかもしれない。それならば、結局境目はどこにあるのだろうか――。今まではあると思っていた境目が溶けて混ざり合ってわからなくなっていく…。
文政期の江戸、足を失った元女形の魚之助と鳥屋の青年藤九郎が芝居小屋に現れた"鬼"を探すという物語。時代物には余り馴染みがなかったのだが、艶のある文章と細かにちりばめられた江戸の要素にぐいぐいと引き摺り込まれていってしまった。装丁が大変美しいので是非とも電子書籍ではなく紙の本を手に取ってもらいたい…!
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https://www.kadokawa.co.jp/product/322006000161/
▼mushashabiさんのページ【本が好き!】
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