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連載

北上次郎の「勝手に!KADOKAWA」 vol.1

第1回 太田愛『犯罪者』 シリーズものだったのか!

北上次郎の「勝手に!KADOKAWA」

数々の面白本を世に紹介してきた文芸評論家の北上次郎さんが、ついにカドブンで連載開始!
その名も「勝手に!KADOKAWA」。KADOKAWAで刊行している作品を、毎月「勝手に!」ご紹介くださいます。
ご自身が面白い本しか紹介しない北上さんが、どんな本を紹介するのか? 新しい読書のおともに、ぜひご活用ください。

 ◆ ◆ ◆

 2012年に出た小説をいまさら取り上げるなんて、古すぎると言われたら返す言葉もないのだが、これはそういうコラムなので許されたい。時には新刊も取り上げるけれど、つい読み逃していた本を、これを機会に読もうという企画である。そういう自分勝手なコラムであり、世の中の役に立つようなことはいっさい出てこないので、忙しい方はスルーしていただきたい。

 太田愛『天上の葦』が刊行されたのは2017年2月で、すぐに読んだ。おお、面白いじゃないの、と思ったが、その『天上の葦』の前に太田愛は2作刊行していて、それが『犯罪者』と『幻夏』。私、この2作を未読であった。本来ならその『犯罪者』と『幻夏』を素早く読んで、『天上の葦』の書評を書くところだが、そのときは2作を読む時間が取れず、こうなるとエラそうに『天上の葦』の書評を書くわけにもいかず、断念。いや、我慢出来ずにどこかに短い紹介記事は書いてしまったが。

 で、そのまま油断していたら、2019年の11月に『天上の葦』が文庫化されてしまった。これは急いで、『犯罪者』と『幻夏』を読まねばならない。というわけで、ホントに遅くて申し訳ないが、ようやく『犯罪者』から読むことにしたが、いやはや、驚いた。

 私、『犯罪者』と『幻夏』と『天上の葦』はそれぞれ別個の単発作品だと思っていた。ところが、『天上の葦』に出ていた繁藤修司、相馬亮介、鑓水七雄が、この『犯罪者』にも出てくるのだ。いや、話は逆で、『犯罪者』に出ていた3人が『天上の葦』にも出ているということだ。もちろん、『幻夏』にもこの3人は出ているようだ。ようするに、シリーズものだったのである。『犯罪者』の角川文庫版の帯に「シリーズ累計32万部」とあり、その「シリーズ」の意味にようやく気がついたのである。そんなに売れているのに全然知らずにすみません。続きは来月だ!


角川文庫『犯罪者』(左:上巻/右:下巻)


▼詳細はこちら(KADOKAWAオフィシャルページ)
https://www.kadokawa.co.jp/product/321404000117/(上巻)
https://www.kadokawa.co.jp/product/321612000588/(上下 合本版 ※電子書籍)


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