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連載

カドブン meets 本が好き! vol.50

がんばれ、実々花。アイドルとして人間として成長するプロセスはずっと見守っていたい── 『アイドル失格』レビュー【本が好き!×カドブン】

カドブン meets 本が好き!

『アイドル失格』レビュー【本が好き!×カドブン】

書評でつながる読書コミュニティサイト「本が好き!」(https://www.honzuki.jp/)に寄せられた、対象のKADOKAWA作品のレビューの中から、毎月のベストレビューを発表します!
今回のベストレビューは、Toshiharuさんの『アイドル失格』に決まりました。ありがとうございました。



がんばれ、実々花。アイドルとして人間として成長するプロセスはずっと見守っていたい

レビュアー:Toshiharuさん

アイドルとは辞書的には「通俗的には、人々の憧れの対象となっている人物のことである。あるいは、「歌って踊る女の子グループ」という、一種の芸能ジャンルである。」とされている。憧れであるからには人々が求める理想の姿形であることを求められる。

誰もがアイドルになれる訳ではない。華やかなステージにたち注目を集めることができるのはほんのひと握りであり、多くのアイドルは成り上がるためにあらゆる努力を重ねながらも目指す頂に登ることはできず脱落していく。

本書に登場する4人組アイドルグループ「テトラ」のリーダー、実々花もアイドルに憧れる1人であり、華やかな舞台に立つことを夢見ている。いや、夢見ていると思い込もうとしていると言ったほうがいいかもしれない。同じグループにはモデルになりたくて地道な努力を重ねるメンバーがいたりするが、実々花は目標のためならなんでもするといったガツガツした心情を持てていない。自分が本当にアイドルをやりたいのかと思うこともあるし、他のメンバーのように真剣に取り組んだ結果で叶わなかった時に傷つくことを恐れていたりもする。母親との関係や自身の将来に悩んでいたりもする。

もしかすると逃げているのかもしれない。自分の人生に向き合うことは簡単なことではない。何かを得るためには何かを捨てないといけないこともあるし、自身が傷ついたり誰かを傷つけたりすることもあるだろう。そうした判断をすることは誰にとっても怖いことだけど、そのプロセスこそが人を大人にしていくのだとも思う。

実々花は”実々花推し”のケイタとの出会いや交流を通じて少しずつ前を向き、自分の人生を歩もうとしていく。ケイタとの関係も初期のアイドルとファンというものから少しずつ変質していき、その過程では摩擦がおこり痛みもある。その全てを受け止めてアイドルとして、10代の少女として成長していくプロセスはずっと応援しながら見守っていきたい気持ちになる。

▼Toshiharuさんのページ【本が好き!】
https://www.honzuki.jp/user/homepage/no13043/index.html

書誌情報



アイドル失格
著者 安部 若菜
定価: 1,650円(本体1,500円+税)
発売日:2022年11月18日

NMB48の安部若菜が本気で描く、禁断の「アイドル×オタク」恋愛小説!
僕と彼女は、決して結ばれない運命なのだ-- 選ぶのは、恋か、夢か。

冴えない日々を送る大学生のケイタは、4人組アイドルグループ「テトラ」のセンター・実々花の熱烈なオタク。叶わないと分かりつつも本気で恋をしていた。
一方、高校3年生の実々花は、グループの人気が順調に上がり、熱心に応援してくれるケイタの好意を嬉しく思いながらも、将来に漠然とした不安を抱えていた。
ある日、実々花は母親との衝突をきっかけに自暴自棄になり、SNSの情報を頼りに思わずケイタのバイト先へ向かってしまう――。
NМB48の現役アイドルが本気で描く、切なくも希望に溢れた青春小説
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322109000593/
amazonページはこちら


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