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連載

コロナの時代の読書〜私たちは何を読むべきか vol.11

ウィズ・コロナ時代の必携三冊――海堂尊【コロナの時代の読書】

コロナの時代の読書〜私たちは何を読むべきか

文字と想像力があれば、人はどこにでも行ける。
世界の見え方が変わる一冊、ここにあります。

海堂尊さんが選んだ三冊

『夏の災厄』

篠田節子・著/角川文庫
https://bookwalker.jp/de1cdd6e2a-14b2-46ca-ae6b-7097e75e631c/



『新型コロナウイルスの真実』

岩田健太郎・著/KKベストセラーズ
https://bookwalker.jp/ded169dde7-4d7e-4c84-aae6-eac832d6fe98/



 断然、ポストコロナではなく、ウィズ・コロナと考えるべきだ。天然痘は撲滅できたが、コロナ撲滅は不可能だろう。だがそれはペスト、コレラ、結核等、強烈な感染症と闘い続けてきた人類にとっては、実はよくある事件なので、びくつくことはない。そんな時代に、読むべきお勧め本を三冊選んでみた。

 一冊目は篠田節子『夏の災厄』である。未知の感染症との戦いを描いた傑作で、感染症に遭遇した人々や社会の動きを体験できる。二十年以上前に本作を書いた、作者の慧眼に感服する。以前、私が書いた解説を合わせてお読みいただくと、本作の凄みが一層、理解できるだろう。

 彼を知り己を知れば、百戦あやうからず。この時代を生き抜くには当然コロナのことを知るべきだ。その意味でお勧め二冊目は断然、岩田健太郎『新型コロナウイルスの真実』である。さすが感染症の専門医だけあって、コロナのみならず、感染症全般に関する姿勢を学ぶのに最適、かつとても読みやすい。名著である。

 三冊目は緊急事態宣言の間に一気に書き上げた自著『コロナ黙示録』(宝島社)である。感染症対策は国の基本かつ重要な業務だが、経済効率優先の新自由主義を信奉する安倍政権は、医療分野や感染症対策の予算を削減し、国民生活から乖離した政策を採り続け、大いなる人災をもたらした。その惨状を「桜宮サーガ」で展開した「バチスタ・シリーズ」最新刊でもある。未来の方針を決めるには現状の理解から始めるべきで、政府忖度報道しかしない既存メディアが分断した、安倍政権の悪行三昧を統合し、理解を容易にした。その意味で現代の必読書だと自負している。

『コロナ黙示録』を読む時、過去の私の作品を読むと深みが増すので、これを機に「桜宮サーガ」の世界を楽しんでいただけると幸いである。

海堂尊(小説家)


みなさんもぜひ「コロナの時代に読んで欲しい本」を投稿してください。
ご応募はこちらから→https://kakuyomu.jp/special/entry/readingguide_2020


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