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【イベントレポート】辻村深月の激励の言葉に桜田ひよりも感激…! 大ヒット映画「この夏の星を見る」公開記念舞台挨拶レポート

辻村深月の同名小説『この夏の星を見る』(角川文庫/KADOKAWA刊)を原作にした映画「この夏の星を見る」が大ヒット公開中。その公開記念舞台挨拶が7月5日に都内劇場で実施され、主演を務めた桜田ひよりをはじめとする豪華キャストが登壇した。


下段左から早瀬憩、中野有紗、岡部たかし、桜田ひより、辻村深月(原作者)、水沢林太郎、星乃あんな、上段左から山元環監督、蒼井旬、安達木乃、増井湖々、河村花、萩原護、秋谷郁甫。


大ヒット映画「この夏の星を見る」公開記念舞台挨拶レポート

初対面のキャストも!? 総勢13人の登壇者が大盛り上がり

直木賞作家・辻村深月による青春小説『この夏の星を見る』は、2023年6月に刊行された。この作品は、2020年、新型コロナウィルスが蔓延したコロナ禍を背景に、登校や部活動が次々と制限され、さらには緊急事態宣言に直面し、大人以上に複雑な思いを抱える中高生たちの青春を描くもの。これを原作として実写映画化が実現。公開記念舞台挨拶に登壇したのは、主演の桜田ひよりのほか、水沢林太郎、中野有紗、早瀬憩、星乃あんな、河村花、萩原護、秋谷郁甫、増井湖々、安達木乃、蒼井旬ら生徒役のキャストたちと、教師役の岡部たかし、本作で劇場長編デビューとなる山元環監督。

茨城、東京、長崎・五島列島にある学校をロケ地とした本作は、オンラインを駆使して人と人がつながっていく物語。それゆえに、撮影時には一度も会わず、この日のイベントで初めて顔を合わせるキャストもいた。無事に映画が公開したということで、桜田は「このメンバーと一緒に初日を迎えることができて、とても嬉しく思います。真っ直ぐな人を動かす原動力を持っている亜紗ちゃんという役を演じることができて、私自身も成長できました」とはじける笑顔で挨拶。亜紗の同級生・凛久を演じた水沢は、「凛久として生きた時間は僕にとってすごく大切な時間ですし、ようやく皆さんに届けられました」と喜びを語る。本作で商業映画デビューを果たした山元監督は、「感無量です。小学6年生の時、卒業文集で“映画監督になりたい”と書いていて。その夢が叶いました!」と満席の場内を見渡し、万感の様子だった。岡部は、「誰もが経験したことのあるコロナ禍の話だったので、自分自身とあの時代を照らし合わせながら脚本を読みました。当時の自分は、学生の皆さんの大変さについてわからない部分もあったのですが、脚本には学生たちの葛藤が詳細に書かれていて、いろいろな気付きもありました」と大人キャスト代表として回答した。

本作は星空の美しさも評判が高く、観どころの一つ。山元監督は、「星空の撮影には、これまでの日本映画の中で一番と言っていいぐらいこだわった」と自信を見せる。そして、茨城や五島列島など各地の星空の色味にこだわり、さらに劇中の星空は、なんとミリ単位で調整した実際に撮った星空とのこと。それをVFXで合成しているという撮影秘話を明かした。
またこの日は七夕に近い日のイベントだったため、この日は、出演者全員が願い事を書た短冊の内容を紹介する一幕も。一番盛り上がったのは岡部の回答。岡部は「国宝越え」という短冊を掲げると場内は笑い声と拍手が溢れた。「ほんとに面白い映画なんで!『国宝』を越えたいです! 越えられる気がする!!」と高らかに宣言した。

原作者からの大きなエールにキャストも感動!

ここでサプライズとして、原作者・辻村深月の登壇が告げられると、桜田たちは一瞬疑いの眼差し。だが本人が登壇すると全員で飛び上がって大喜び! 辻村は星座があしらわれたワンピースを着用していて、「皆さん、私の書いた各キャラクターたちが本当にお世話になりました!」と登壇者へ感謝を伝えた。続けて、辻村は「この作品は俳優の皆さんにマスクを着けてもらわないといけないので、なかなか映像化できないと思っていました。でも今回、山元監督やプロデューサーの皆さんに実写化していただき、嬉しかったです。映画を拝見して、驚いたのですが、マスクをしていても皆さんが何を思っているのかがわかる映像になっていました」と喜びを吐露。このコメントに桜田たちも目を輝かせながら感動していた。

実は、映画の劇中で使われた茨城県の高校は、実際に原作小説にも出てくる実在する高校。辻村は、小説執筆の際の取材で実際にその地に赴いていた。「撮影現場にも立ち会わせていただいたのですが、自分が取材をして書いたキャラクターたちが、もう当たり前のようにそこに居るような、そんな存在感で皆さんが演じてくださっていて嬉しかったです」と俳優陣の存在感ある演技を絶賛。桜田は「実際にモデルになった高校で撮影させてもらえることも滅多にないですし、たくさんの方々の協力があって完成した作品だとあらためて実感しています」と撮影時を懐かしんだ。そしてメッセージを求められた辻村は、「小説もですが、映画も観てくださる皆さんが居て初めて完成するものだと思っているので、今日は観に来てくださって嬉しいです。ありがとうございます」と会場の観客に感謝を伝えた。山元監督も、「2020年のコロナを経たからこそ、作ることができた作品だと思います。ここにいる皆さんもキャラクターと同様に、あの頃から一生懸命、前に進んで生き抜いてきたから今日があります。皆さんの心の隙間に光を照らしてくれるような作品になるといいなと思っています。ご覧いただき、ありがとうございました!」とあらためて思いを伝えた。

最後にキャストを代表して桜田が挨拶。「辻村さんが描いてくださったキャラクターたち一人ひとりが魅力的な作品だと思います。その役を背負って、この映画に参加できたことは光栄でした。去年の夏、暑さに耐えながら撮影をしたのが本当に懐かしいです。観てくださった方々には、この作品の熱量が確実に伝わると思いますし、作品が抱えている大切なぬくもりが広がっていったらいいなと思います。何度でもスクリーンに足を運んでいただけたらと思います」と観客へ思いを託し、イベントは無事終了した。

映画情報



映画「この夏の星を見る」
原作:辻村深月『この夏の星を見る』(角川文庫/KADOKAWA刊)
監督:山元 環
脚本:森野マッシュ
出演:桜田ひより 他
配給:東映

全国公開中
https://www.konohoshi-movie.jp/
(C)2025「この夏の星を見る」製作委員会

Story
亜紗(桜田)は、茨城県に住む天文部員の高校生。コロナ禍で制限された学校生活を送るなかで、ある日彼女は、天体観測の競技「スターキャッチコンテスト」をオンラインで開催することを決める。東京、長崎・五島列島の生徒たちもそれぞれの地でコンテストに参加し、オンライン上で絆を深めていく――。

書誌情報



書 名:この夏の星を見る 上・下
著 者:辻村深月
発売日:2025年06月17日

この物語は、あなたの宝物になる。
亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。コロナ禍で部活動が次々と制限され、楽しみにしていた合宿も中止になる中、望遠鏡で星を捉えるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」も今年は開催できないだろうと悩んでいた。真宙(まひろ)は渋谷区立ひばり森中学の一年生。27人しかいない新入生のうち、唯一の男子であることにショックを受け、「長引け、コロナ」と日々念じている。円華(まどか)は長崎県五島列島の旅館の娘。高校三年生で、吹奏楽部。旅館に他県からのお客が泊っていることで親友から距離を置かれ、やりきれない思いを抱えている時に、クラスメイトに天文台に誘われる――。

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