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【イベントレポート】菅野美穂、赤楚衛二がネタバレ回避でジェスチャーのみで怪異を体現! ――映画「近畿地方のある場所について」初日舞台挨拶レポート

人気ホラー作家・背筋の同名小説『近畿地方のある場所について』(角川文庫/KADOKAWA刊)が実写映画化となり、8月8日より全国公開中。菅野美穂と赤楚衛二をW主演に迎え、「ノロイ」「貞子vs伽椰子」の鬼才・白石晃士が監督を務める。謎解きイベントなど、前代未聞の宣伝も話題を呼んだ本作。公開初日の舞台挨拶では、W主演の菅野と赤楚、そして白石監督が黒を基調とした装いでステージに登場した。

文/高関聖子(アンチェイン)

イベント概要
映画『近畿地方のある場所について』初日舞台挨拶
【日程】8月8日(金)
【会場】丸の内ピカデリー
【登壇】菅野美穂、赤楚衛二、白石晃士監督(敬称略)

左から白石晃士監督、菅野美穂、赤楚衛二


話題の考察系ホラー映画が大ヒット公開中
菅野美穂、赤楚衛二が黒い衣裳で登壇!
映画「近畿地方のある場所について」初日舞台挨拶レポート

怪演を見せた菅野と赤楚が不敵な笑顔を見せる!?

原作小説で描かれるのは、雑誌や新聞の記事、インタビュー、インターネット掲示板などさまざまな形で残された“近畿地方のある場所にまつわる怪異”。その断片をたぐり寄せていくと、世にも恐ろしい“呪い”につながっていくというホラー作品だ。映画版では白石監督が情報の断片をフェイクドキュメンタリー形式で映像化し、そこに劇映画ならではのドラマもプラスされ、物語により深みを与えている。



編集者・小沢悠生役の赤楚と、オカルトライター・瀬野千紘役の菅野は、映画を観終えたばかりの観客の前に現れ、「いかがでしたか?」と問いかける。大きな拍手が起きると、「皆さんと顔を合わせてこの時間を共有できてうれしく思っています」と笑顔の菅野。赤楚は、「観てくださってぇえ、ありがとうございまぁあす!」と、劇中のとあるシーンでの小沢の独特なセリフ回しを再現し、会場は大盛り上がり!


菅野美穂はコール&レスポンスで会場を盛り上げていた


映画では、“ある場所”の謎の真相に近づくにつれて、小沢と瀬野にも変化が訪れる。そこで見事な“怪演”を披露している菅野と赤楚。この日の舞台挨拶で、最初に話題となったのは、絶叫しながら鬼の形相でほこらを破壊するシーンを熱演した菅野についてだった。菅野の豹変シーンを近くで見ていたという赤楚は、「千紘さんは頼りになるなと思ったのに、祠のシーンでドぎつい目で見られて、“僕、何か悪いことしましたっけ?”って思いました」と泣きそうな顔で撮影を振り返る。すると菅野が、「なんてバチ当たりなんでしょうね! あそこはバールで殴りかかっちゃいけない場所です!」と他人事のように話して会場は爆笑の渦に。続けて菅野は「骨付き肉を生で食べるような女性だ、という気持ちで演じていました」と明かした。白石監督も、「テストのときからあのテンションで演じられていたので素晴らしかった」と菅野の演技を大絶賛。



劇中の“不気味な動き”を菅野に絶賛されて喜ぶ赤楚衛二


もう一つ話題となったのは赤楚の演技。“ある場所”の謎を解くべく、編集部の地下資料室にこもり徐々に様子がおかしくなっていく小沢を演じた赤楚は、「小沢は陰鬱とした空間の中で体が重くなっていき、最終的に呪われていくのですが……僕は呪われた経験がないので、どう演じようかというのが一番の悩みでした。でも監督が見本を見せてくれてイメージがフィットしました」と撮影の舞台裏について言及。また赤楚は、劇中で“人間とは思えないような不気味な動き”を披露している。その演技について菅野が、「現場で『今までにない赤楚さんの表情が撮れました!』とみんなが興奮していて、映像を拝見したら本当に見たことがないなと思って。それだけでもこの映画を観る価値があるんじゃないかと思います」と、賞賛した。



撮影現場で実際に起きた“怪異”を振り返る!


赤楚のジェスチャーに場内から「あー!」と声が漏れる


続いて、本作で恐ろしかったシーンを問われると、二人はネタバレ回避のためにジェスチャーでその場面を再現することに。最初に赤楚は、愛想笑いで手を振る動作を披露。これには映画を観たばかりの観客からも「あー!」という共感の声が。「音もなく、静止している時間があったのですが、あれが気持ち悪くて……。衝撃の事実がわかる瞬間で怖かったです」と恐怖シーンについて言及した。

そして菅野は、鬼気迫る表情で車のハンドルを握り、その後無表情で両腕を上げる……という、表情の落差が激しいジェスチャーを披露。「このシーンを撮影したトンネルは、有名な心霊スポットでした。撮影時に中学生たちが肝試しに来ていて。私と赤楚さんには見えなかったのですが、『ずっと緑色の人がいる』って言っている子がいたりもしたんです」と、思わず背筋が寒くなるような裏話を明かすと、場内がザワついた。


菅野もジェスチャーでシーンを振り返り、観客を納得させていた


そこへ拍車をかけるように赤楚が、「そういえば、現場でカメラマンさんが『本番中に、トランシーバーから(いるはずのない)女の人が聞こえてくる』と言っていてどういうこと? って……」と恐怖体験を重ねる。するとさらに白石監督が、「私は、誰も触っていないのに揺れ続けている袋を見つけて、手でぴたっと止めました(笑)」と、“ホラー映画界の鬼才”の呼び声に相応しい対応をしたことを明かし、会場を沸かせていた。


“ホラー映画界の鬼才”らしく、現場の怪異に対応したという白石晃士監督


舞台挨拶の最後は、二人からメッセージ。「背筋を涼しくして暑い夏を乗り切っていただける怖い作品になったかなと思います」(菅野)、「皆さんに恐怖でエンターテインメントをお届けするという、貴重な体験をさせていただきました。あらためて感謝の気持ちでいっぱいです」(赤楚)。白石監督は、「この映画は、一度観ると“あれ? じゃあ遡るとどうだったのかな?”という気持ちになる作品になっていますので、二度、三度と楽しんでいただけたらありがたいです」と映画の魅力をアピール。拍手喝采の中、イベントは幕を閉じた。

映画情報



映画:「近畿地方のある場所について」全国公開中
原作:背筋『近畿地方のある場所について』(角川文庫/KADOKAWA刊)
監督:白石晃士
脚本:大石哲也 白石晃士
脚本協力:背筋
出演:菅野美穂 赤楚衛二
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2025「近畿地方のある場所について」製作委員会

Story
「行方不明の友人を探しています。」という文章から始まる衝撃展開の連続! これは、あなたを“ある場所”へと誘う、近畿の禁忌の物語――。
行方不明になったオカルト雑誌の編集者。彼が消息を絶つ直前まで調べていたのは、幼女失踪、中学生の集団ヒステリー事件、都市伝説、心霊スポットでの動画配信騒動など、過去の未解決事件や怪現象の数々。彼はなぜ消息を絶ったのか? そしていまどこにいるのか? 同僚の編集部員は、女性記者とともに行方を捜すうちに、恐るべき事実に気づく。それらの謎は“近畿地方のある場所”へとつながっていたのだった…。

書誌情報



書 名:文庫版 近畿地方のある場所について
著 者:背筋
発売日:2025年07月25日

"新しい"情報をお持ちの方はご連絡ください。
私、小澤雄也は本書の編集を手掛けた人間だ。
収録されているテキストは、様々な媒体から抜粋したものであり、
その全てが「近畿地方のある場所」に関連している。
なぜこのようなものを発表するに至ったのか。
その背景には、私の極私的な事情が絡んでいる。
それをどうかあなたに語らせてほしい。
私はある人物を探している。
その人物についての情報をお持ちの方はご連絡をいただけないだろうか。


詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322502000209/
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