個性溢れる曲者たちがまたも大騒ぎ! 『四畳半神話大系』16年ぶりの続篇! 森見登美彦・著 上田 誠・原案「四畳半タイムマシンブルース」#1-4
森見登美彦・著 上田 誠・原案「四畳半タイムマシンブルース」

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「先輩、大丈夫ですか?」
明石さんの声で私は我に返った。暑さで朦朧としていたらしい。
走馬燈のように脳裏を駆け抜けた昨日のできごとは、総天然色一大スペクタクル映画のように私を圧倒した。しかも昨日はそれだけでは終わらなかった。
撮影終了後、私は小津や樋口氏たちと銭湯「オアシス」へ出かけたのだが、アパートへ戻ってから起こった「コーラ事件」によって、我がクーラーは息の根を止められることになった。腐れ大学生活史上もっとも長い一日は、クーラーのお通夜という陰々滅々たる行事によって幕を下ろしたのである。
「昨日は長い一日だったよ」
「ありがとうございました。おかげさまで無事に撮影も終わりました」