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連載

今野敏「ヤメろと言われても! Ⅱ」 vol.8

大ベテラン作家の趣味は模型作り! ロシアからの客人にもらった戦車のプラモデルの製作を開始する。今野敏「ヤメろと言われても! Ⅱ」#43

今野敏「ヤメろと言われても! Ⅱ」

ロシアからの客人にもらった 戦車のプラモデルの製作開始。 専用セメントで接着をしていく。

>>第42回へ

 いよいよ戦車のプラモデルを作りはじめる。ニッパーでランナーから部品を切り取り、バリをヤスリで削り、プラモデル用セメントで接着する。
 かつて、プラモデルには必ずセメントのチューブが同梱どうこんされていた。安いものには、接着剤ではなく有機溶剤が入っており、部品の一部を溶かしてくっつけるという乱暴なものもあった。
 このキットにはセメントが同梱されていない。最近のプラモデルはそういうものなのか、それとも、たまたまこのキットがそうなのかはわからない。
 最近のプラモデル事情をよく知らないのだ。模型はよく作っているが、プラモデルを作ることは滅多にない。
 市販のプラモデル用セメントを使用することになるわけだが、この臭いがなつかしい。これにも有機溶剤が入っているので、当然部品を溶かす。固まるだけでなく、溶かすことで接着するのだ。だから、つけすぎると部品がダメージを受けることになる。
 ロシア製だから、きっと雑な製品に違いない。接合部分はきっちりと合わず、部品はゆがんでいるのだろう。ダボ穴などもいい加減で、ちゃんと彫り直さないと部品を差し込めないのではないか。
 そんなことを思いながら作りはじめたのだが、なんと、想像していたよりずっとクオリティーが高い。部品は精密で、接合部もちゃんと嚙み合う。
 ロシア製も昨今はばかにできない。
 組み上げる前に、マスキングテープなどを使って仮組みをすることが、模型雑誌などで推奨されている。たしかにそうすることで、間違いを防ぐことができるし、部品同士の接合の具合がわかる。
 写真のように、隙間ができることがわかったりする。これは部品が反っているせいだ。
 プラモデルやガレージキットの部品の反りや歪みを直すために、煮る人がいる。本当に鍋で煮るんですよ。無発泡ウレタン樹脂やスチロール樹脂などは、熱を加えることで柔らかくなるので、歪みを修正できるのだ。
 しかし、この程度の反りなら煮る必要などない。指でぎゅうぎゅうと曲げて反り戻してしまえばいいのだ。そして、セメントを多めにつけて無理やり接着してやる。
 仮組みも必要ないと、私は思っている。部品を切り取ったら、ちゃかちゃかくっつけてしまえばいいのだ。プラモデルなんて、そんなものだ。
 前回も同じようなことを書いたが、ノウハウやマニュアルだけがどんどん発達して、ハードルを上げすぎたのだ。だから模型離れが起きる。きれいに作るに越したことはないが、所詮オモチャだ。そんなに神経質になることはない。楽しく作ればそれでいい。
 なにしろパーツ数が多いので、当分戦車作りの記事が続きそうだ。


マスキングテープで仮組み、 接合の具合をみてみる


部品が反って隙間が できてしまうことがある


少しずつ組み立てる。パーツ数が多いので当分続きそうだ


写真=今野敏

「カドブンノベル」2020年4月号収録「ヤメろと言われても! Ⅱ」第43回より


「カドブンノベル」2020年4月号

「カドブンノベル」2020年4月号


◎つづきの第44回は「カドブンノベル」2020年5月号に掲載しております。


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