
ほんとうにこわいものは、何?── 『みんなこわい話が大すき』レビュー【本が好き!×カドブン】
カドブン meets 本が好き!

『みんなこわい話が大すき』レビュー【本が好き!×カドブン】
書評でつながる読書コミュニティサイト「本が好き!」(https://www.honzuki.jp/)に寄せられた、対象のKADOKAWA作品のレビューの中から、毎月のベストレビューを発表します!
今回のベストレビューは、ほっぺこさんの『みんなこわい話が大すき』に決まりました。ありがとうございました。
虐められていた転校生ひかりが不思議な存在ナイナイが原因で環境が一転。軽く読みやすい文章だが構成が緻密で飽きさせない。 様々な因縁が散りばめられているのも見所の一つでぜひ読んでほしい一作。続編を期待!
レビュアー:ほっぺこさん
最初はそこまで期待せず読み始めたものの1/3位読んだあとは最後まで一気読みで面白かった作品。
文章はとても軽くとても読みやすく進めることが出来るが、構成が緻密なのでうすいわけではない。
良い意味で呪術廻戦的な王道なストーリーでもある。
ストーリーは最初は大きく分けて、二つを軸に展開。
小学4年生の女の子が主人公ひかり。クラスの女王ありさちゃんに緩かに虐められるものの、押入れのなかの不思議な友達ナイナイを見せたことで色々と周りが変化。
取り巻く環境が急にベトベトした温かさに。
もう一つは「よみご」なるお祓い師的な盲目の志朗を軸とした物語。よみごは呪いを祓う的な職業。
ひかりを軸としたストーリーは不思議な存在ナイナイが元凶と思われるもののふわふわした世にも奇妙な物語的な世界観。
志朗さんの方の軸は不可思議な怪奇などのリング的なホラー仕立て。
この2つが交わっていくのだが、そこに主な登場人物の因縁を背景に無理なくミックスして描かれていく。
何よりも見所はこの因縁の部分。本当色々な因子が散りばめられている。後半1/3くらいからはそう繋げていくのかと関心させられること多し。
ナイナイの産み出された背景もここでは書かないがなかなかの悲しみと因縁。
人を呪わば穴二つという言葉があるがまさにその通りのお話であった。
登場人物みなキャラがたっている。実咲さんなどは最初はモブ感満載であったが最後まで良いキャラであった。
第二作目とかにも繋げられそうな話なので期待したい。
表紙は女子中学生っぽい女の子2人、背表紙に怪しげな髪を束ねた男の人の後ろ姿。
カバーを外すと昭和な感じで薄汚れた部屋の押入れが描かれている。
読了後見ると、この本のエッセンスが含まれている良い演出。ハードカバーの本はこういうところがあるのも一つの楽しみ。
▼ほっぺこさんのページ【本が好き!】
https://www.honzuki.jp/user/homepage/no15934/index.html
書誌情報
みんなこわい話が大すき
著者 尾八原 ジュージ
発売日:2023年12月22日
ほんとうにこわいものは、何?
ひかりの家の押入れにいる、形も声もなんにもない影みたいなやつ、ナイナイ。
唯一の友達であるナイナイをいじめっ子のありさちゃんに会わせた日から、ひかりの生活は一変した。
ありさちゃんはひかりの親友のように振る舞い、クラスメイトは次々と接近してきて、いつもはつらく当たる母親さえも、甘々な態度をとるように。
絶対に何かがおかしい。疑心暗鬼になったひかりはありさちゃんと距離を置こうとするが、状況は悪化するばかり。
数年後、〈よみご〉と呼ばれる霊能者・志朗貞明のもとに、幼い子供と心中した姉の死の真相を探ってほしいという依頼が舞い込んでいた。
無関係に思える二つの異変は、強大な呪いと複雑に絡み合い……。
第8回カクヨムWeb小説コンテスト〈ホラー部門〉大賞受賞作。
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322307000942/
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