
【書評】40年前、ビルの屋上で見つかった〈行旅死亡人〉は何者か――?『リペアラー』レビュー【本が好き!×カドブン】
カドブン meets 本が好き!

『リペアラー』レビュー【本が好き!×カドブン】
書評でつながる読書コミュニティサイト「本が好き!」(https://www.honzuki.jp/)に寄せられた、対象のKADOKAWA作品のレビューの中から、毎月のベストレビューを発表します!
今回のベストレビューは、大沢在昌さんの『リペアラー』に決まりました。ありがとうございました。
読みだしたら、ノンストップ! 読ませる大沢エンタメ、損はさせません!
レビュアー:リンコさん
40年前にとある六本木のビルの屋上で見つかった遺体。
行旅死亡人として記録された、その人は一体何者だったのか?
とある人物から、遺体の身元確認を依頼されたノンフィクション作家のミヤビ。
彼女の恋人ではないが、高校の頃からの腐れ縁である五頭想一。
フリーのイラストレーターである想一は、自由な時間が使えるため、ミヤビと共に事件を調査することになる。
という設定からお話が進んでいくのですが、40年前のこととはいえ、関係者達がある人物に触れると、覚えていなかったり、口ごもる。
誰かが何かを隠している。
一筋縄ではいかない調査が、謎を呼び、どうなるのだろうと、ついつい先が気になり、ノンストップで読み続けてしまった。これぞ、エンタメの力!
読みながら気になったのがタイトルでもある
「リペアラー」。
直訳すれば、「修復する人」。
一体、どういう人を指すのだろう?と考えつつページをめくったが、最後の最後まで、事件の真実が明らかになるまで、私はこの言葉がどういう意味を持つのか、わかりませんでした。
すべてが明らかになった時に、「作家というのは、
頭の中で突拍子もないことを思い描くのだなあ」と
いたく感心した。
想一の、フィクサー的なじいちゃんもかっこよかったし、ミヤビとの切っても切れそうもない友情関係もナイス。キャラクター設定、ストーリー、そして読後感。エンタメは、こうでなくてはという期待を裏切らない作品でした。
ああ、面白かった!
▼リンコさんのページ【本が好き!】
https://www.honzuki.jp/user/homepage/no6216/index.html
書誌情報
書 名:リペアラー
著 者:大沢在昌
発売日:2025年02月28日
40年前、ビルの屋上で見つかった〈行旅死亡人〉は何者か――?
イラストレーターの想一は、高校からの友人でノンフィクション作家のミヤビから、彼女が受けた依頼の手伝いを頼まれる。それは40年前、六本木のビルの屋上で遺体となって見つかった男性を調べることだった。当時の警察は事件性なしと判断し、身許不明の「行旅死亡人」として処理。依頼人の正体も目的も分からぬまま、想一とミヤビは、男性が何者で、なぜひっそりとそこで亡くなったのかを調査し始める。かつてのビルの住人に当たるうち、2人はある奇妙な人物に行き着くが――。
過去と現在が交錯する、ノンストップ・エンタメ長編!
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322306001316/
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