
【キャラホラ通信11月号】『本と踊れば恋をする』刊行記念 石川智健インタビュー
角川文庫キャラホラ通信

すべての本好きに捧げたい、本をめぐるビブリオ・ミステリ『本と踊れば恋をする』が、今月、角川文庫より刊行されます。作者の石川智健さんに、本作への思いをたっぷりとうかがいました!
――まずは、本作が生まれたきっかけを教えてください。
石川:どうして僕は本が好きなのだろう。そう考えたのが端緒となり、本についての物語を書くことを決めました。
どんな話にするかも決めず、ただ“本”というキーワードだけを念頭に置いて文章を走らせていたら、古書店に迷い込んで、ワイシャツに羽織姿という妙な身なりの贋作師と出会いました。
――カバーには出ていないですが、とても印象的なキャラクターですね。彼についてもっと教えてください!
石川:名前は朝香裕也です。小説家の気持ちになるために「贋作を作る」というちょっと意味不明なキャラクター設定ですが、読めば共感してくれるはずです(多分)。
――収録されている中で一番好きなお話はどれですか?
石川:表題作である「本と踊れば恋をする」です。短い話ですが、心を解されると思います。
――ちなみに石川さんの一番好きな本ってなんですか?
石川:アレクサンドル・デュマの『モンテ・クリスト伯』です。復讐劇が好物です。あとは、殺人事件が起こるミステリ全般です。少し物騒に思われるかもしれませんが、根は真面目です。
――『モンテ・クリスト伯』を読まれたきっかけはなんだったんでしょう? また、それはいつ頃でしたか?
石川:大学生になって時間に余裕ができたので、どうせなら大長編を読んでみようと思って手に取りました。岩波文庫で7冊の大長編でしたが、一気に読みました。完全に虜になり、何度も読み返しています。
――なるほど! それでは、最後に読者へ一言メッセージをお願いします。
石川:これを読んでいただいている皆さんは、おそらく本のことが好きだと思います。ただ、産まれたときから本が好きな人はいないはずです。生きている中で、なにかしらの契機があって、本が好きになったのだと思います。その背景はさまざまでしょうし、理由も多様でしょう。
この作品には、本が好きではない主人公が、本に出合います。そのときに感じる気持ちを共有していただければ幸いです。
そして、皆さんが本当の意味で本に出合った当時の気持ちを思い出してみてください。その気持ちを想起させる手助けができれば幸いです。
これからも、各々、それぞれのステップで本と踊って、善き人生を。
ご購入&試し読みはこちら▶石川智健『本と踊れば恋をする』| KADOKAWA