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連載

今野敏「ヤメろと言われても! Ⅱ」 vol.13

【連載コラム】前回仕上げた戦車プラモデルにひきつづき、もう一台新たな戦車に挑戦することにした。 今野敏「ヤメろと言われても! Ⅱ」#48

今野敏「ヤメろと言われても! Ⅱ」

※本記事は連載コラムです。

前回仕上げた戦車プラモにひきつづき、もう一台新たな戦車に挑戦することにした。

 前回、ロシアの戦車のプラモを仕上げた。もともと戦車モデリングはやったことがなく、言わば門外漢だった。ロシアの空手の弟子がキットをくれなければ、作ることはなかっただろう。
 だが、やってみるとどんな模型でも楽しい。特に戦車は、普段やらないようなウェザリングを楽しめる。
 こうなると、なんだか勢いがついてしまう。ウェザリング用の塗料や材料もたっぷりと残っている。もう一台くらい戦車を作ってもいいかな、という気になってくる。
 作業部屋に積んであった手つかずのプラモの箱の中に、「タイガーⅠ」を見つけた。これまでの模型歴を考えると、戦車プラモを買おうなどと思うはずもないから、これはおそらく、フルスクラッチに部品を流用するために買って、そのままになっていたのだろう。
 ロボット等メカ物の関節などに、車輪などを流用することはよくある。フルスクラッチでは、正確な円形などを作り出すのがなかなかたいへんなのだが、そういうときにプラモの部品を利用すると便利だ。
 もし、テルミナトールのプラモとの出会いがなければ、戦車模型を作ることもなかっただろう。そうなれば、この「タイガーⅠ」を棚から掘り出すこともなかったはずだ。
 永遠にほこりをかぶっていたか、部品が本来の用途ではない使い方をされて、残りは捨てられるかだったはずだ。これも、運命かもしれない。
 写真でおわかりのとおり、箱には堂々と「タイガーⅠ」と書かれているが、ドイツ戦車なので「ティーガーⅠ」と呼ぶべきだろう。ウィキペディアにもそう書かれている。
 正式名称は「Ⅵ型戦車・ティーガーE型」というらしい。箱にもそれらしい文字が見て取れる。
 迷彩塗装などはなく、単色で塗られていたようなので、塗装は楽だ。だから、今回はガッツリとウェザリングをしてみようと思う。
 テルミナトールのときは、汚しも控え目だったが、今度はハードに運用されたという設定で、塗装がはげたり、キャタピラに土がついたりといったところまでやってみようと思う。
 スケールは 72 分の1だ。テルミナトールが 35 分の1 だったので、そのほぼ半分のスケールということになる。かなりかわいいサイズだ。小さな模型を作り込んで、大きく見せるのも模型作りの醍醐味だいごみの一つだ。写真に撮って大スケールに見えれば成功だ。
 部品数も、テルミナトールに比べればはるかに少なく、組み上げるまではそれほど時間がかからないはずだ。塗装とウェザリングの仕上げにじっくりと時間をかけようと思う。
 昨今の自粛生活のおかげで時間に余裕がある。ありがたいことだ。物事にはいいことと悪いことの両面が必ずあるのだ。


手つかずだった新たな戦車模型に挑戦。「タイガーⅠ」と書かれているが、正式名称は「Ⅵ型戦車・ティーガーE型」らしい


前回よりは小さめのサイズ で、部品数も少なめだ。小さな模型を作り込んで、大きく見せたい


写真=今野 敏

「カドブンノベル」2020年9月号収録「ヤメろと言われても! Ⅱ」第48回より


「カドブンノベル」2020年9月号

「カドブンノベル」2020年9月号


◎つづきの第49回は「カドブンノベル」2020年10月号に掲載しております。


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