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連載

『仁王の本願』について著者・赤神諒が語る vol.6

戦国史跡巡りの旅~福井編~ 『仁王の本願』著者・赤神諒が語る#6

『仁王の本願』について著者・赤神諒が語る

加賀一向一揆を題材にした歴史小説『仁王の本願』。
物語の舞台となっている石川県、福井県、富山県、京都府の史跡を著者の赤神諒さんが巡ります。

No.6 『仁王の本願』関連史跡のご案内②(福井編)

物語後半の舞台となる越前一向一揆の舞台です。

①一乗谷

言わずと知れた朝倉家の本拠地。実に見応えがあります。
織田軍に燃やされた後、あまり改変されていない史跡がそのまま残っています。
これぞタイムトリップ。一生に一度は必ず訪れるべき奇跡の地です。
物語では足羽川対岸の阿波賀を出していますが、杉浦玄任・又五郎父子が一乗谷を訪れたことは確実です。
季節ごとに雰囲気が違うので、何度も楽しめますよ。
〈一乗谷DISCOVERY PROJECT〉メンバーのため、つい熱が入ってしまいました。


②豊原寺跡・豊原三千坊史料館

下間頼照が本陣を置いた場所で、杉浦玄任、七里頼周も出入りしていたはずです。今では奥深い山になっていますが、往時は宿坊だらけだったはず。
物語で又五郎とお澄が再会した「井勝川」は今、「五味川」と呼ばれる写真の小さな川です。
取材時は三千坊史料館のご主人からいろいろご説明いただきました。
その節はありがとうございました。


③平泉寺

取材のためと訪れたのですが、こ、これほどの名所とは……。
油断していました。
何がいいかって、清新な緑の苔が素晴らしいんです。
玄任が焼き払って、廃墟にしてしまってからの景色で、当時はなかったでしょうが、あまりに素敵なので、えいやと物語に入れてしまいました。
<白山平泉寺歴史探遊館まほろば>を含め、平泉寺界隈も雰囲気が良いので、是非。


④本願清水イトヨの里

杉浦玄任が作ったともされる清水です。
私が行った時はあいにく少し工事中だったのですが、真夏でも涼しさを感じる清々しい場所でした。
近くに、小さなスポットですが、亥山城跡もあります。


⑤折立称名寺

大野から山に入って車でしばらく行くと、足羽川沿いに見応えのある山門が建っています。
『仁王の本願』では、非常に重要なスポットです。
しばらくこの場所で足羽川の音を聞きながら佇みたいですね。
でも、前面道路は車もよく通るので、ご注意を。


⑥燧城

織田軍との戦いで下間頼照が入った城です。
現在は神社仏閣になっていますが、当時の雰囲気も分かります。
越前一向一揆についても案内板がありますよ。


⑦吉崎御坊

言わずと知れた名所、吉崎御坊。
当時すでに廃されていましたが、蓮如上人がここにおられたと思うと、少し緊張します。
赤い手の蟹に会えれば、きっと幸運が!
普通に歩いていると思いますが……。


⑧竜門寺城

越前一向一揆に勝利した信長が首実検をしたとされる場所です。
武生も、古いお寺がたくさんあって素敵な所ですよ。


⑨鉢伏城・木ノ芽峠

車でかなり山へ入りますが、当時の面影は残っているようです。
私は昔からかなり晴れ男なのですが、取材時にまるで滝のように猛烈な豪雨に襲われて、車から降りることさえできなかったんです(降りたところで、雨霧で何も見えなかったでしょうが)。大事な場所なのに、無念でした……。
よって写真は、ございません。

⑩龍沢寺

杉浦玄任が織田方の将、富田長繁の首を検めたとされる寺です。
小ぎれいな境内には庭池もありますよ。



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