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連載

コロナの時代の読書〜私たちは何を読むべきか vol.9

歳時記って面白い!――夏井いつき【コロナの時代の読書】

コロナの時代の読書〜私たちは何を読むべきか

文字と想像力があれば、人はどこにでも行ける。
世界の見え方が変わる一冊、ここにあります。

夏井いつきさんが選んだ一冊

『カラー版 新日本大歳時記』全5巻

講談社

 全世界がこんなふうにコロナに直面し立ち往生するなんて思ってもおりませんでした。巷では、自粛生活が推奨され、「おうち○○」が合い言葉になっておりますが、実はワタクシ『夏井いつきのおウチde俳句』(朝日出版社)という本を一昨年に出版しておりまして、「予言の書だったのですか?」なんてご意見を頂いたりして、逆に驚いている次第です。

 人間いずれ誰もが「おウチ」で過ごさなくてはいけない日を迎える。そんな時にも俳句を友として人生を豊かに過ごして欲しいとの思いで書いたものですが、「この一冊が自粛生活の友です」という沢山のお便りを拝受。こちらこそ有り難く思っております。

 そしてこんな今だからこそ、もう一つオススメしたい本があります。それは歳時記です。

 俳句を作る人は勿論、作るのはちょっと……と尻込みしている人も、歳時記を手元に置くと、日々の見え方、過ごし方が少しずつ変わってきます。

 歳時記とは、カンタンにいうと季語・解説・例句等がまとめられた辞典みたいなものですが、普段何気なく眺めていたものが季語であることを知ると、世界が今までとは違った色合いで見えてくるのです。

 「ぶらんこ」「しゃぼん玉」が春の季語だということに驚く人もいます。「汗」も季語、それを拭う「ハンカチ」も夏の季語だと知って成る程とうなずく人。「朝顔」「西瓜」が秋の季語なのはなぜ? と疑問をもつ人。その心の動きは知的好奇心につながっていきます。

 私が愛用しているのは『カラー版 新日本大歳時記』(講談社)シリーズ。春・夏・秋・冬・新年の全5巻です。写真や絵が多く、目も楽しませてくれます。季語に纏わる雑学知識を学ぶのも楽しい。人生の豊かさの質を変える歳時記を、是非ともオススメしたいです。

夏井いつき(俳人・エッセイスト)



みなさんもぜひ「コロナの時代に読んで欲しい本」を投稿してください。
ご応募はこちらから→https://kakuyomu.jp/special/entry/readingguide_2020


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