今年5月に刊行した絵本『かえるじゃん』は、先日発表された第11回リブロ絵本大賞に入賞し、カエル好きな大人たちからも注目されています!
爬虫類研究家でもあり、体感型カエル館KawaZoo館長の白輪剛史さんからオススメコメントをいただきました。
『かえるじゃん』
トマトのようなカエル、イチゴのようなカエル。
こんなカエルが実在する訳がないと思うかもしれないが実在する。
『かえるじゃん』に登場するカエル達は世界中から集められた特徴的な種類が多く、どれも美しい。
私が館長を務める体感型カエル館KawaZooでは120種を超える世界中のカエルを飼育しているが、特に、色彩の美しい種、体型がユニークな種が子供からお年寄りまで大人気だ。
真っ赤な熟れたトマトのような色彩のマダガスカル原産のサビトマトガエル、小さくてイチゴみたいに真っ赤な体色が特徴的な中米原産のイチゴヤドクガエル、どちらもド派手な真っ赤なカエルである。
さて、こんなド派手な体色をしているのにどうやって自然界で生きていけるのだろうか? 赤いカエルなど目立って仕方がないではないか、天敵に襲われやすいのではないか?
心配無用。
彼らは目立つことによって天敵の鳥などに食べられることを防いでいるのだ。
真っ赤なカエルは見るからに毒々しい。これが警告色になっている。「食べたらひどい目に遭うぞ」と。
万一、誤ってカエルを食べてしまった鳥は、カエルが皮膚から分泌する毒で、苦しみもがく、場合によっては命取りになることもある。
「綺麗な薔薇には棘がある」と言われるが、「綺麗な蛙には毒がある」も間違いではない。
飼育員達はカエルに触れる都度、手を洗う習慣が身についている。カエルの粘液が手に付着するとピリピリと刺激痛が走る。もし、その手で他のカエルを触ってしまったら、カエル達は自己中毒で死んでしまう。
身近なカエルにも毒はあるのでカエルを触ったら絶対に手を洗う習慣を身につけて欲しい。
日本の子供達がカエルの画を描くとほとんどの子供が緑色のカエルを描く。海外の子供達が描くと、色彩豊かなカエルワールドが展開する。
カエルといったら緑色ではなく、いろいろな色のカエルが地球上にはいるのだと子供の頃から知る意味は大きい。
本書は身近な食べ物と人気のカエルがコラボした絵本である。子供達がたのしみながら知らぬ間にカエルを学べる。
将来、読者の中から飼育員になってくれる人材が現れるかもしれない。
体感型動物園iZoo 園長
体感型カエル館KawaZoo 館長 白輪剛史
▼つるたあき『かえるじゃん』詳細はこちら(KADOKAWAオフィシャルページ)
https://www.kadokawa.co.jp/product/321904000470/