元興寺とガゴゼ

元興寺の由来

 元興寺(がんごうじ)と呼ばれる寺は、奈良県に二カ所ある。奈良県高市(たかいち)明日香(あすか)村の飛鳥寺(あすかでら)は、日本の仏教の出発点となった最古の本格的寺院で、「仏法を興す寺」という意で法興寺(ほうこうじ)とも元興寺ともいう。崇仏派の蘇我馬子(そがのうまこ)は排仏派の物部守屋(もののべもりや)を倒した翌年、崇峻(すしゅん)天皇の元年(五八八)に法興寺(元興寺)の創建に着手した。大化の改新で蘇我本宗が滅んだ後も重視され、朝廷より官寺と同様の扱いを受けた。
 和銅(わどう)三年(七一〇)の平城京遷都とともに法興寺は旧寺の一部を飛鳥の地に残し、新京には新寺を建て、飛鳥の旧寺を本元興寺と称して、現在も廃寺をまぬがれ安居院(あんごいん)(飛鳥寺)のみを残す。いっぽう新京(平城京)の新寺を元興寺と呼び、東大寺を筆頭とする南都七大寺に組み入れられた。平安京への遷都後、南都(平城京)が衰えるとともに、元興寺も衰退していった。安政六年(一八五九)の火災によって元興寺の大半が焼失した。現在、その法灯を伝えるのは奈良市中院町にある極楽坊(ごくらくぼう)の元興寺と、昭和二年(一九二七)に発掘された大塔(五重塔)跡。そして西新屋町の小塔院だけとなった。

書籍

『水木しげるの日本霊異記』

水木 しげる

定価 691円(本体640円+税)

発売日:2018年03月24日

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