

著者プロフィール

蝉谷めぐ実(せみたに めぐみ)
1992年大阪府生まれ。早稲田大学文学部で演劇映像コースを専攻、化政期の歌舞伎をテーマに卒論を書く。広告代理店勤務を経て、現在は大学職員。
2020年、『化け者心中』で「第11回小説 野性時代 新人賞」を受賞し、デビュー。21年に同作で第10回日本歴史時代作家協会賞新人賞、第27回中山義秀文学賞を受賞。
『おんなの女房』
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第10回野村胡堂文学賞受賞
第44回吉川英治文学新人賞受賞
歌舞伎を知らぬ女房と、女より美しい“女形”の夫。やがて惹かれ合う夫婦を綴る、感涙の時代小説。おんなの女房
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著者 蝉谷めぐ実装画 千海博美装丁 須田杏菜
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発売日 2022年01月28日
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定価 1,815円(本体1,650円+税)
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推薦コメント
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『化け者心中』
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第11回小説野性時代新人賞受賞
第10回日本歴史時代作家協会賞新人賞受賞
第27回中山義秀文学賞受賞
文学賞三冠を達成した破格のデビュー作!化け者心中
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著者 蝉谷めぐ実装画 紗久楽さわ装丁 須田杏菜
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発売日 2020年10月30日
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定価 1,815円(本体1,650円+税)
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推薦コメント
あたかも江戸時代をひらひらと自在に泳ぎまわりながら書いているような文章。こんなにぴちぴちした江戸時代、人生で初めて読んだのである。脱帽!!
──森見登美彦氏
早くもシリーズ化希望!
──辻村深月氏
作品の命というべきものが吹き込まれている。
──冲方丁氏
大傑作!!江戸という時代と場所、芝居の世界のバーチャル体験として見事。
──吉田大助氏(ライター)
現代の戯作者としての力量を秘めている。とんでもない新人が登場したものだ。今年度ナンバーワンのベスト本である。
──菊池仁氏(評論家)
江戸の景色が浮かんでくるような文章のセンスは驚異的である。
──千街晶之氏(ミステリ評論家)
アウトローな存在であり、かつ男女の性別からも逸脱している役者の生理や道徳観念を浮き彫りにしていく展開がスリリング。肚の坐った書き手だ。
──杉江松恋氏(書評家)
これで新人!?ぜひ豪華絢爛な舞台や映画で観たい!
──高頭佐和子氏(丸善丸ノ内本店)
取り憑いたら離れない「鬼気迫る」以上の物語。すっかり呑み込まれ、抜け殻状態。。
──内田剛氏(ブックジャーナリスト)
あまりに興奮して、体が乗っ取られたようになりました。
──浜田公子氏(本の雑誌社)
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演目に登場する女たちの本質に肉薄し昇華しようとする女形、それを凝視し一作ごとに内部に取り込み一体化を図ろうとする女の女房、いびつと思えた関係が確実に変化していく。この二人の世界をつづる独特のリズムを持った語り口は、演目を追うごとに迫真に満ちたものとなり、ミステリーを超えた緊迫感を生み出している。語り口のうまさを身上する作家足らんとする思いが伝わってくる。見事の一言に尽きる。
リズムに空気に呼吸も絶妙で、芸の道を極める執念と武家の女房の情念を見事に描かれ凄みしか感じられません! 人間の性と業のすべてがここに凝縮されていますね。ただただ打ちのめされました。
女より美しい女形に惚れこんだ女房の、激しく閑かな純愛に身もだえた。
『化け者心中』でわしづかみされた心が熱く冷たい炎であぶられた気がします。 蝉谷めぐ実、この進化から目が離せない。
歓声が聞こえ、色彩が舞う、華やぎながら、最高峰の熱量で、クライマックスに鳥肌が立つ!役者の女房の気持ちになれるなんて、小説の世界は最高だ!
何と哀しく美しい物語。
歌舞伎の世界を新たな角度で切り取とりながら、〈おんな〉の美しさを描き上げた感動感涙の大傑作。