「小説 野性時代」編集後記(2023年8月号) 夏の読書にオススメ! 安藤祐介『六畳間のピアノマン』
「小説 野性時代」編集後記
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最も旬で刺激的な物語が詰まった月刊文芸誌「小説 野性時代」。
その2023年8月号より、「編集後記」を特別公開!
編集長自らが、本誌の見どころやおすすめ作品を紹介したり、読者のみなさまへのメッセージを綴ったり……。
本との出会いのきっかけとして、ぜひお役立てください。
(本記事は「小説 野性時代 2023年8月号」に掲載された内容を転載したものです)
「小説 野性時代」編集後記(2023年8月号)
赤川次郎さん「余白の迷路」が最終回を迎えました。住宅街で起きた殺人事件をきっかけに、予想もつかない展開を見せた重厚なサスペンス作品。書籍化を楽しみにお待ちください。さて、編集後記ではこれから、私の独断でオススメの角川文庫を一冊ご紹介させていただきます。今月は安藤祐介さん『六畳間のピアノマン』。ブラック企業から逃げ出せずに働く若者三人を描いた第一章に始まり、彼らと出会って生き方が変わった人たちの物語が各章で綴られていきます。辛い現状に苦しんでいる人に「逃げ出してもいいんだよ」とそっと声をかけてくれるような、ほろっと泣けて、じんわり胸があたたかくなる一冊です。作中のキーアイテムは生ビール。夏の読書にもぴったりですよ。(中)
掲載号紹介
小説 野性時代 第237号 2023年8月号
編 小説野性時代編集部
発売日:2023年07月25日
商品形態:電子専売
赤川次郎によるサスペンス長編完結! 恩田陸、青山文平、垣根涼介ら豪華連載陣で贈る月刊文芸誌
【短期集中掲載】
木下昌輝――剣、花に殉ず
【連載】
青山文平――父がしたこと
赤川次郎――余白の迷路
秋山寛貴(ハナコ)――人前に立つのは苦手だけど
阿津川辰海――バーニング・ダンサー
今村翔吾――天弾
恩田 陸――産土ヘイズ
垣根涼介――武田の金、毛利の銀
河崎秋子――銀色のステイヤー
新川帆立――目には目を
長浦 京――シスター・レイ
中山七里――こちら空港警察
増田俊也――七帝柔道記II 立てる我が部ぞ力あり
【コラム】
私の黒歴史――河邉 徹「白だと言ってくれ」
私の黒歴史――須藤古都離「昨日はクソじゃねえ」
【記事】
Book Review「物語は。」吉田大助
――山白朝子『小説家と夜の境界』
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書籍紹介
六畳間のピアノマン
著者 安藤 祐介
発売日:2021年01月22日
働くことを通して生きるとは何かを問う。命と仕事の6つの物語。
ブラック企業の同期三人組。早朝から深夜まで働き会社に泊まり込む毎日。疲弊しきった三人はある日深夜の居酒屋に行く。一杯のビールで人間らしく笑いあった三人だが、極悪上司の壮絶な追い込みにあい――。
https://www.kadokawa.co.jp/product/322011000089/
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