角川文庫キャラ文通信
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第14回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉としてデビューした才羽楽さんの最新刊『あなたが心置きなく死ぬための簡単なお仕事。』は、優しい涙が止まらない、やり直しの物語です。才羽さんに本作に込めた思いをうかがいました!
――まずは、本作が生まれたきっかけを教えてください。
才羽:普段から暇があれば、こんなサービスやお仕事があったらどうだろう、というような一人ブレインストーミングをやっています。
そんな時にふと浮かんだのが、「やり残し請け負い屋」でした。
そして、もし実際に事業を起こすとしたら、事務所はどこどこに構えてとか、ターゲットはどんな人でとか、集客はどんな方法でとか……具体的に色々と考えていたところ、いつの間にか今回の主人公であるテルとヒロインのスズがその脳内会議に登場してきて、物語が始まっていきました。
――「やり残し請け負い屋」気になります! この物語の読みどころはどこですか?
才羽:いつも反りが合わないテルとスズですが、依頼を通して深まっていく二人の絆を楽しんでいただければ幸いです。
――二人の関係や掛け合いに注目ですね! 中でも特にお気に入りのキャラクターはいますか? その理由も教えてください。
才羽:スズです。
頑固で不器用。空気が読めない。人との接し方がすこぶる下手。そんなところが、とても愛しいです。
――才羽さんがもしテルとスズに依頼をするなら、何をお願いすると思いますか?
才羽:「幼稚園の頃、遠くへ引っ越して行ってしまった初恋の人に会わせてください」と依頼すると思います。(作中にも初恋の話がありますが)
特に会ったからといって何をするわけでもないのですが、どこかの小さな公園のベンチに座って他愛もない話を5分ほどしたあと、最後に「会いに行くって約束していたのになかなか会いに来れなくてごめん」と伝えたいです。
――最後に、読者に一言メッセージをお願いします。
才羽:このような時代だからこそ、大切な人を想いながら、また、自分も誰かの大切な人なのだと感じながら、読んでいただければ幸いです。
▼才羽楽『あなたが心置きなく死ぬための簡単なお仕事。』詳細はこちら(KADOKAWAオフィシャルページ)
https://www.kadokawa.co.jp/product/322002000993/