【キャラホラ通信3月号】『宮廷神官物語 一』刊行記念 榎田ユウリ インタビュー
角川文庫キャラ文通信

歌舞伎大好き高校生の青春小説で、アニメ化もされた「カブキブ!」シリーズ(角川文庫)や、美貌の妖人探偵が事件を解決する「妖琦庵夜話」シリーズ(角川ホラー文庫)など、数多くのヒット作を持つ榎田ユウリさん。今作『宮廷神官物語』は、榎田さんの著作の中でも唯一のアジアン・ファンタジー。奇蹟の眼を持つ孤独な少年が、国の一大事に必要な存在として、美貌の宮廷神官・鶏冠に探し出され、ともに波瀾の運命を歩んでいく、面白くて時に考えさせられる作品です。かつて角川ビーンズ文庫で刊行され、大人気となった本作が、満を持して角川文庫版での刊行となりました。それを記念して、榎田さんにインタビューを行いました。
>>ラインナップ編はこちらから

── : こちらはかつて角川ビーンズ文庫で刊行された作品ですが、再度角川文庫で刊行するとお聞きになったときの感想をお聞かせください。
榎田:自分でも好きなシリーズでしたから、とても嬉しかったです。
シリーズが終わってしばらく経ってしまうと、どうしても店頭で見つけることは難しくなってきます(電子版はありますけどね!)。それが、また新しい姿で本屋さんに並ぶことができるとは! 作者にとって、この上ない喜びです。
── : この作品を書かれる中で、一番苦労した部分と、楽しかった部分はどこですか?
榎田:架空のアジアン・ファンタジーですが、衣裳や風俗は朝鮮王朝をベースにしています。
とても綺麗なあの衣裳を描写しなければならないわけですが……写真の資料はたくさんあるものの、それらの名称を調べるのに苦労しました。
ソウルまで資料探しに行って、ついでに美味しいものをたくさん食べてきたのは良い思い出です(笑)。
楽しかったところは、様々なキャラクターを考えて、彼らを思い切り活躍させられたところでしょうか。
とにかくテンポよく進めようと思いながら書いていたので、書いているほうもまったく飽きることなく、完走できました。
── : なるほど。ちなみに、ソウルで一番美味しかった食べ物はなんですか?
榎田:プゴク(干しダラのスープ)が一番のお気に入りですね。
あとはタッカンマリ(鶏のスープ鍋)にサムゲタン……他にもたくさんありました。基本的になにを食べても美味しかったです! まず最初に食堂で使う韓国語を覚えました(笑)。
── : 数々の魅力的なキャラクターが登場しますが、一番好きなキャラクターは誰ですか?
榎田:鶏冠でしょうか。
好きというか、彼がいてくれたおかげで物語がとても広がった感じがあります。
まずは「美形の神官」を登場させようと思ったわけですが、いざ出てくるとただ美形なだけではなく、いろいろあって面白い人でした(笑)。
あとは櫻嵐もお気に入りです。
── : 櫻嵐は2巻以降に登場するキャラクターですね。(2巻は5月刊行予定) 1巻と2巻の読みどころを、ひとことでお願いします!
榎田:1巻は天青が本当に慧眼児なのかどうか、そして一行は無事に王宮に辿りつけるのか……そのへんを楽しんでいただければと思います。2巻めになると、王宮内の様子がよりわかってきますし、天青の神学院生活も始まり、件の櫻嵐も登場と、さらに盛りだくさんです!
── : 最後になりますが、読者さんへメッセージをお願いします。
榎田:麗虎国へようこそ。
あるいは、麗虎国へおかえりなさい。
新たな装いで、皆様にこの物語を提供できることをとても嬉しく思います。
私の書いてきたシリーズの中でも登場人物のバラエティーは屈指のはずです。
皆様のお気に入りキャラクターが見つかりますように。
そして皆様が麗虎国の旅で、ワクワクドキドキしてくだされば、作者にとってこんな光栄なことはありません。
どうぞよろしくお願いいたします!