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進化を続ける作家、神永学の代表作はこれだ! おすすめシリーズ3選

北村諒主演・「怪盗探偵山猫」舞台化も! 絶対おすすめの神永学シリーズ3選

 2004年のデビュー以来、エンターテインメントの王道をゆく作風で、日本のミステリー界を盛り上げてきた作家・神永学。斬新な設定とスピード感にあふれる物語性、キャラクターの魅力が渾然一体となった神永ミステリーは、10代から現役のプロ作家まで、幅広い層に支持されている。ここでは数多くの人気シリーズから、“神永ビギナー”におすすめの3作を紹介してみたい。

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▼神永学 Twitter(@kaminagamanabu)

神永学のシリーズ小説 おすすめ3選

1・「怪盗探偵山猫」シリーズ(角川文庫)
スタイリッシュで痛快なピカレスク・ロマン


怪盗探偵山猫 カバー画像

怪盗探偵山猫


 高度なセキュリティをものともせず、ターゲットから大金を盗み出すとともに、その悪事を世間に知らしめる天下の大怪盗・山猫。人は彼を「現代の鼠小僧」「義賊」と呼ぶ。山猫の正体を追っていた雑誌ライターの勝村は、ひょんなことから彼の計画の協力者となることに。素顔も経歴も一切不明の山猫とは、果たして何者なのか?

 シリーズ第1作『怪盗探偵山猫』から、現時点での最新作『怪盗探偵山猫 深紅の虎』まで、6作が刊行されているピカレスク(悪漢)ミステリーの快作。

 このシリーズの大きな魅力は、山猫と悪人たちのスリリングな知恵比べにある。山猫がターゲットに選ぶのは、詐欺グループやカルト教団など、法の網をかいくぐって荒稼ぎをする悪人ばかり。そんな連中が敷いた堅固なセキュリティをどうやって突破し、悪事をどのように暴くのか? 不可能とも思われるミッションを、何度もピンチに陥りながらも鮮やかにこなしてみせる山猫の“名怪盗”ぶりには、日々のストレスを洗い流してくれるような痛快さがある。

 泥棒である山猫は警察に追われる立場だが、人は絶対に殺さないというポリシーの持ち主で、音程のずれた懐メロを歌いながら現れる、という笑いを誘う一面もある。山猫の協力者として登場するのが、ジュエリーショップを営む謎の美女・里佳子。裏社会を生きる彼らの筋の通った生き方に触れたことで、常識に縛られていた勝村の心が少しずつ変化していく過程も、このシリーズの読みどころ。生きるうえで真に大切なものは何か、という熱いテーマを秘めた作品でもあるのだ。

 2016年に亀梨和也主演でテレビドラマ化されたほか、舞台化もされている。『怪盗探偵山猫 深紅の虎』をもってシリーズに一区切りがつけられたが、まだまだ続きが読みたいシリーズ。リブートされる日を楽しみに待ちたい。 

▼原作者・神永学がオリジナル脚本を書き下ろした舞台が絶賛公演中!(2022年1月20日〜30日)
https://yamaneko-stage.jp/

▼(インタビュー)「怪盗」は「憧れの存在」です!――俳優・北村諒が語る『怪盗探偵山猫』の魅力
https://kadobun.jp/feature/interview/52ihkesxyycc.html

▼「怪盗探偵山猫」シリーズ特設ページ
https://promo.kadokawa.co.jp/kaminagamanabu/yamaneko/

2・「心霊探偵八雲」シリーズ(角川文庫)
魂を揺さぶる、神永ワールドの代名詞


心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている カバー画像

心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている


「心霊探偵八雲」はデビュー以来、15年以上にわたって書き続けられている神永学の代表作。累計発行部数は1000万部超。ドラマ化、アニメ化されているほか、複数回にわたって舞台版が上演されるなどメディアミックスも盛んなシリーズだ。

主人公・斉藤八雲は、赤い左眼で死者の魂を見ることができる大学生。心霊現象の相談にやってきた同じ大学の女子学生・小沢晴香や、旧知の刑事・後藤和利などから持ち込まれるさまざまな怪奇事件を、特殊な力と持ち前の洞察力を生かして解決していく、というのが物語の大枠だ。心霊現象が扱われるとはいっても、それはあくまで手がかりに過ぎない。ホラーテイストに謎解きミステリーを巧みに融合させたところに、このシリーズの特色がある。

不幸な生い立ちからこれまで心を閉ざして生きてきた八雲だったが、晴香との出会いによって少しずつ変化していく。そして彼の変化は、彼を取り巻く人びとにも波及し、さまざまな影響を与えていくのである。その力強い人間ドラマにも注目だ。

八雲の人生に暗い影を落としてきた宿敵「両眼の赤い男」との対決を縦糸に、晴香との関係性の深まりを横糸に展開するシリーズは、後半になればなるほど壮絶さを増し、魂が震えるようなクライマックスに向けて、ノンストップで突き進んでいく。全12巻の大河小説だが、読み始めると一気読み必至だ。

「八雲」シリーズは本編のほか、「ANOTHER FILES」と題された外伝も数多く書かれている。一巻完結スタイルでさまざまな事件が楽しめるこちらもおすすめ。また昨年12月にはスピンオフ作品『心霊探偵八雲 INITIAL FILE 魂の素数』、八雲の高校時代を描いた『青の呪い 心霊探偵八雲』(ともに講談社)も発表された。本編完結後も、ますます目が離せないシリーズなのだ。

▼「心霊探偵八雲」シリーズ特設ページ
https://promo.kadokawa.co.jp/kaminagamanabu/yakumo/

3・「確率捜査官 御子柴岳人」シリーズ(角川文庫)
変人数学者vs犯罪者、前代未聞の“取り調べ”エンターテインメント


確率捜査官 御子柴岳人 密室のゲーム カバー画像

確率捜査官 御子柴岳人 密室のゲーム


 効率的かつ公平な取り調べを目的として警視庁捜査一課に新設された「特殊取調対策班」。この部署に配属された新米刑事・新妻友紀、オブザーバーとして大学から招かれた数学者・御子柴岳人とともに、さまざまな事情を抱えた容疑者と対峙する。人の心は確率論で解き明かすことができるのか?


「確率捜査官 御子柴岳人」シリーズは、探偵役を務める御子柴のキャラクターがとにかく印象的なシリーズだ。アンニュイな雰囲気をたたえるイケメンにして、頭脳明晰な天才数学者。と書くとパーフェクトな人物のようだが、その実態は非常識のかたまりである。取調室にサングラス姿でチュッパチャプスを舐めながら現れ、誰に対しても高慢な物言いをする。数学の知識は並外れているが、子供でも知っているような諺を知らない。そんな型破りな御子柴の言動に、生真面目な友紀は戸惑うことも多い。

 もっとも表現方法がややユニークなだけで、御子柴には御子柴なりの思いや価値観がある。きまじめで直情型の友紀と愛すべき変人・御子柴が、お互いを少しずつ理解していく過程もこのシリーズの読みどころ。「心霊探偵八雲」シリーズの斉藤八雲がゲストキャラとして顔を出すのも、ファンには見逃せないポイントだ。

 もう一つの見せ場は、ゲーム理論や確率論の用語が飛び交う取り調べシーンである。数学者である御子柴は、常識や犯人の供述に惑わされることなく、冷静沈着に事件の本質を明らかにする。これまで見えてこなかった真相が、取り調べ室での心理戦によって少しずつ浮かんでくる興奮は、他のシリーズでは味わえないもの。「取り調べがこんなにドラマチックなものだったとは!」 と一読驚かされるはずである。

 御子柴が初登場する作品集『確率捜査官 御子柴岳人 密室のゲーム』から、連続放火事件の背後に迫る長編『確率捜査官 御子柴岳人 ファイヤーゲーム』まで3巻が刊行されている本シリーズ。この先さらに大きく展開していきそうである。

▼「確率捜査官 御子柴岳人」シリーズ特設ページ
https://promo.kadokawa.co.jp/kaminagamanabu/mikoshiba/

徹底したエンタメ路線を守りつつ、新たな領域にチャレンジし続ける期待のエンターテイナー、神永学。ここで紹介した3作には、そんな著者のスタンスがはっきりと刻印されている。ぜひとも気になるものから手を伸ばして、物語を読むことの醍醐味をあらためて味わってほしい。

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「善と悪、生者と死者、両者を隔てる一線はどこにあるのか。」その問いの答えへとつながっていく。【『心霊探偵八雲11 魂の代償』レビュー】
https://kadobun.jp/reviews/entry-42716.html



<『心霊探偵八雲11 魂の代償』文庫発売記念>12巻の文庫化が待ちきれないあなたへ!『心霊探偵八雲12 魂の深淵』試し読みスタート! #1
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