杉井 光さんの最新単行本『羊殺しの巫女たち』(KADOKAWA)が、2025年8月27日(水)に発売決定!
本書は、閉鎖的な因習村を舞台に、不気味な風習に翻弄されながらも恐怖と対峙する少女たちの姿を描いた小説作品です。
『世界でいちばん透きとおった物語』(新潮文庫nex)で斬新なトリックと予想外の展開が注目を浴びた著者が、本格的なホラーミステリに初挑戦しました。
あなたは、真実に気づくことができるか。
杉井 光『羊殺しの巫女たち』作品紹介
あらすじ
「十二年後、次の祭りの日に、ここでまた集まろうよ。みんなで」
1991年の未年、山に囲まれた早蕨部村にはその年12歳を迎える6人の少女がいた。この村では奇妙な事故死が多く、未年に生まれる男児は一人もいない。彼女たちは未年にのみ行われる祭りで、巫女を務めなくてはならない。それは村の神様であるおひつじ様を迎えるために、早蕨部村が守ってきた慣習だった。そして2003年、24歳になった彼女たちは、12年前の約束を果たすため、再び村に集う。しかし、前回の祭りの記憶は誰もが曖昧で……。村に隠された秘密と少女たちの運命が交錯する中、再び惨事が起こる。
村に隠された「おひつじ様」の恐るべき秘密
本作の舞台は谷底にある早蕨部村。「おひつじ様」というこの土地の神様が登場します。巫女となる役目を持った、村で生まれた少女たちは、村の不自然な慣習や大人たちの態度から、少しずつ村の秘密、「おひつじ様」の秘密を突きとめていきます。村人と「おひつじ様」が守り続けてきた風習とは――? 気がついたときにぞわっと鳥肌が立つような恐怖は、本作の大きな魅力のひとつです。
おひつじ様のルール
【1】おひつじ様は未年になると山から里に降り、村に大きな災厄をもたらす
【2】捧げ物をして怒りを鎮めれば、お羊様は村に大きな恵みをもたらす
【3】おひつじ様は山に群れて住んでいる
【4】未年に生まれた少女は12年に一度の「初穂祭り」で巫女となり、おひつじ様の怒りを鎮めるために供物を捧げなくてはならない
【5】「初穂祭り」の間、境内には神聖な巫女しか入れない
一読目は「怖い」二読目は「切ない」。「ネタバレ厳禁」の新感覚本格ミステリ
本作品は恐怖に満ちた初読の後、再読したくなる、二度読み必須の構成になっています。緻密で巧妙に仕掛けられたトリックは「ネタバレ厳禁」。読み返すほどに物語の切なさと感動が増す、新感覚の読書体験をお届けします。
真相に気づいた方も、気づかなかった方も、もう一度この本を読み直してください。
著者コメント
少女たちの美しさをおぞましさの炎で彩る――というやり方で書いた本作は、ホラーミステリの装いを借りた純度100%の青春小説です。
――杉井 光
本作に寄せられたコメント
企みに満ちた絶品ホラー。
運命に抗う少女たちが、あまりにも健気でいじらしく、切ない。
――小野不由美
担当編集コメント
『世界でいちばん透きとおった物語』で話題となり、今ミステリ界で注目される杉井光さんが満を持して放つ新作長編です。最初に原稿をいただいて読んだ時、「トリックが最後までわからず、二読して気が付く」という初めての読書体験をしました。巫女たちのキャラクターの魅力、村にまつわる恐ろしい因習や祭儀のおどろおどろしさ、そして驚きのトリック……。一度ならず二度楽しめる今作、ぜひお読みいただけたら嬉しいです!
書誌情報
作品名:羊殺しの巫女たち
著者名:杉井 光
発売:2025年8月27日(水)予定 ※電子書籍同日配信予定
定価:1,980円(本体1,800円+税)
体裁:四六判並製 単行本
頁数:400頁
装幀:鈴木久美
装画:遠田志帆
ISBN:9784041151273
発行:株式会社KADOKAWA
初出:書き下ろし
書誌情報ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/322403000619/
著者紹介
杉井 光(すぎい・ひかる)
1978年、東京都生まれ。第12回電撃小説大賞 《銀賞》を受賞し、2006年に電撃文庫『火目の巫女』でデビュー。
代表作に『神様のメモ帳』『さよならピアノソナタ』や「このミステリーがすごい! 2024年版」、「ミステリが読みたい! 2024年版」にランクインした『世界でいちばん透きとおった物語』など。