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特集

人間には過去以外に教材がない/「親権」という考え方は間違い……出口治明『「教える」ということ』から「人が育つ!」10の言葉

立命館アジア太平洋大学(APU)学長・出口治明さんの新刊『「教える」ということ』は発売以来好評を博し、早々に重版するなど話題になっています。この本では、「50年、考え続けた僕の結論」として、「教育」「教えるということ」に対する著者の本質的な考えが展開されています。



本書に興味を持ってくださっても、書店に行くことがなかなかできない・・・といった方も多いかもしれません。そこで「KADOKAWAノンフィクション」のツイッターアカウント(@kadokawa_nf)では、『「教える」ということ』の中からポイントとなる言葉を抜き出して、一部を公開しています。どんな本なのか、どんなことが書かれているのか、まずはこのツイートだけでも見てみてください。

「教える」とは、相手にわかってもらうことです。相手に腹落ちしてもらうことです。
「教える」とは、どんな人に対しても、真意を伝えることです。(中略)結果として相手に腹落ちしてもらわなくては、教えたことにはなりません

変化に対応するには、他人の意見に左右されず、自分の頭で、自分の言葉で、データを使ってロジカルに考えるしかありません。だからこそ教育では、「自分の頭で考える力」を育てる必要があるのです。

将来を想像するには、過去を見るしかありません。悲しいことに人間には過去以外に教材がないのですから、本を読んで歴史を学び、先人をロールモデルとする必要があるのです。

教育の2つ目の目的は、「②社会の中で生きていくための最低限の知識(武器)を与える」ことです。つまり、実社会に出たときに困らないように、「生きるための武器」を与えることです。

親の権利を一般に「親権」といいますが、子どもに対して親が何らかの権利を持っているという考え方は間違っていると僕は思います。
子育ては権利ではなくて親の義務であり、「親義務」もしくは「親務」と改称すべきです。

興味がない人に対して教える方法はありません。逆にいえば、その人が興味をもったこと、勉強したいと思ったことを、興味をもったときに教えるのが、一番効果的なのです。

僕が日本の教育においてもっとも危惧しているのは、根拠なき精神論がまん延していることです。

日本企業の多くが、人口減少と国内市場の縮小を理由に海外に進出したように、日本の大学には、「外国の大学をMAする」「外国に分校をつくる」「留学生を受け入れる」……などという選択肢があるはずです。

厳しい競争にさらされている世界では「ゼネラリスト人材を育成しよう」などと悠長なことをいっていられるはずがないのです。確固とした自分の得意(専門)分野を持ち、なおかつ企業全体を見渡せる専門人材を育成するのが世界の常識

たとえば10年働いたら数カ月~1年ほど学び直し、また社会に戻る、つまり社会と大学を行ったり来たりできる社会環境を創っていくことが大切だと思います。

★さらに知りたい、読んでみたい方は、ぜひ『「教える」ということ』をチェックしてみてください。

試し読み

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