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試し読み

男子のフリをして医術を学ぶ董胡。彼女だけが持つ特別な力とは?『皇帝の薬膳妃 紅き棗と再会の約束』試し読み#2

妃と医官の二重生活が王宮に波乱を呼ぶ! 心ときめくファンタジー絵巻『皇帝の薬膳妃 紅きなつめと再会の約束』

2021年10月21日に発売された注目のアジアン・ファンタジー『皇帝の薬膳妃 紅き棗と再会の約束』。
舞台は五つの都を持つ伍尭國ごぎょうこく。辺境の地で男子のふりをして医術を学んでいた少女・董胡とうこが、なぜか姫として皇帝への輿入れを命じられ――そんな「まさかの展開」から始まるドキドキのファンタジー絵巻です!
妃と医官の一人二役、王宮での秘密の二重生活、運命の人とのすれ違い、おいしそうな薬膳料理……魅力溢れる期待作、特別に試し読みをお届けします!

『皇帝の薬膳妃 紅き棗と再会の約束』試し読み#2

    ◆

かつこんけいさいだいおう。それからはんが少なくなってるな。患者の中に悪阻つわりのひどい妊婦が二人いるからもう少し仕入れておいた方がいいかな」
 王都の北に位置する玄武領。その東のはずれにある斗宿の村の簡素な小屋で、董胡はぶつぶつと独り言をいいながらやくそうかごを確認していた。
「それからりゆうこつ。私の宝物の一つだ。本物の龍の骨だって言ってたけど本当かなあ。苦労して手に入れたんだから本物だよね。うん、間違いない。ふふふ」
 どう見ても道端に落ちていた小石にしか見えない竜骨をつまんで、一人ほくそ笑む。
 細長いしようを二つ並べただけの診察台と、壁一面の棚に並ぶ薬草の入った籠、それから黄ばんだ紙とすずりと筆の置かれたたくと椅子。それがすべての、小さな村の治療院だった。
「卜殷先生。またいつものやつがきやがった。助けてくだせえ」
 そんな治療院に駆け込んできたのは近所の農民、しようすけだ。
「庄助さん、いつもの頭痛ですか? すぐに先生を呼びますから待ってくださいね」
 董胡は患者を床几に座らせ、奥の座敷に向かって「卜殷先生!」と呼んだ。
 呼ばれて出てきた四十を過ぎた男は、ひようたん酒を手に持ったままよろよろしている。
「なんだあ、庄助。今日の診療は終わりだ。明日あしたにしてくれ。ひっく」
「そんなこと言わないでくだせえよ。頭が割れそうにいてえんだ」
「そんなもん横になってりゃ治る。それよりお前が頭痛になったということは大風が来るな。楊庵、董胡。嵐がくるぞ。飛ばされそうなもんを家の中に入れて頑丈に戸締りをしろ!」
「ちょっと卜殷先生。嵐の心配よりわしを診てくださいよ。今日の頭痛はいつものより強烈なんだ。頭が取れちまうんじゃねえかってぐらいなんです」
 庄助は頭をおさえてぐったりしている。
「卜殷先生、早く診てあげてくださいよ、もう」
 奥から出てきたもう一人の助手、楊庵が気の毒に思って庄助を介抱した。
 二人の助手は長い黒髪を両耳のあたりで束にして結わえた角髪みずらにして、医家が着る白いほうに腰帯を巻いている。少年用のそれはたもとが短く、中のはかまも細めで動きやすくなっていた。
 同じかつこうをしている二人だが、見間違えることはない。なぜなら三歳違いの二人は、年の差以上に背丈が違い、容姿もずいぶん違っているからだ。
 三歳年上の楊庵は、医家にしておくにはもったいない引き締まった肉体と、人懐っこい忠犬のような当たりのいい顔つきをしている。
 対して董胡は、小柄で線が細く楊庵より頭一つ分ほども背が低いのだが、村の女たちが毎日のように用もなくのぞきにくるほどの美少年だった。
「庄助さん、台の上に寝て下さい。今お薬をせんじますから」
 董胡は籠から薬草を取り出し、楊庵は庄助に手を貸して診察台に寝かせた。
 二人があくせくと働く間に卜殷は卓子の椅子に座り、相変わらず酒をあおって告げた。
「楊庵。診たててみろ」
「診たてるって、庄助さんのいつもの頭痛ですよね? 大風の前によく起こる」
 大風が来る前にいつも頭痛を訴える常連客の一人だ。
 理由は解明されていないが、どういうわけか大風の前には頭痛を訴える者と気息の乱れを訴える者が増える。卜殷は体内の水の流れが偏るせいだと二人の弟子に教えていた。
「ふむ。では薬は何を処方する?」
 卜殷は試すように楊庵に尋ねた。楊庵は任せてくれと鼻息荒く答える。
「利水薬となるそうじゆつぶくりようたくしやちよれい、それから四薬の効果を上げるけいを含めたれいさんを処方致します」
 いつも卜殷が庄助に処方している薬だ。間違えるはずがない。
 しかし卜殷は薬草を選んでいた董胡に重ねて尋ねた。
「董胡はどうだ? 楊庵の処方で間違いないか?」
 問われた董胡は、顔に比して大きすぎる黒目を見開いて診察台に寝そべる庄助の全身を見つめた。そして「あっ!」とつぶやいた。
「庄助さん。今日の昼間は長く畑にいたんじゃないですか?」
「そりゃあ農民は畑を耕してるさ」
 庄助は頭をだるそうに押さえながら答えた。
「今日はひどく暑かったんじゃないですか?」
「暑かったよぉ。昨日まで涼しかったから秋が来たと思うてたら、夏に逆戻りだ。編みがさかぶらんで行ったからひどう疲れたなぁ」
 董胡は納得したようにうなずいた。
「え? どういうこと? 五苓散じゃダメなの?」
 楊庵が不安そうに尋ねた。
「五苓散もいいのだけど、飲む前にびやつにんじんとうで水の充足をすべきかと思います」
「白虎加人参湯? じゃあ熱あたり(熱中症)ってこと?」
「うん。熱あたりによるすいだつが起こって頭痛になっているのだと思います」
 酒好きだが医師としての腕はいい卜殷は「うむ」と頷いた。
 悔しそうにうつむく楊庵の背中を卜殷は勢いよくたたいて一応なぐさめた。
「まあ……わしも最初は分からんかった。気付いた董胡が特別なんだ」
 董胡は特別と言われても、三歳年上の楊庵はあんたんたる気持ちになった。
 診たてに関して、楊庵は董胡に勝てたことがない。
「お前ははりを打たせれば右に出るものはいない。得意なもので補い合えばいいことだ。ほれ、董胡が薬を煎じるまで鍼で楽にしてやれ」
「はい……」
 楊庵が鍼箱を持ってきて診察台の庄助に鍼を打つと、たちまち苦痛にゆがんでいた表情が和らいだ。楊庵のツボをとらえる正確さは、董胡がどれほど練習しても追いつけなかった。董胡は魔法のように鍼を打つ楊庵がいつもうらやましい。
 楊庵という鍼打ちの天才を見るにつけ、董胡は自分が医師には向いていないと思った。

 医師が多く住む玄武の都だが、医術を行う者は三種類に分かれていた。
 まずは卜殷や楊庵のように患者を診て鍼を打ち、薬を処方する医師。
 それから処方された薬を煎じて飲ませる薬師。
 そしてあまり数はいないが、やくぜん師という職があった。
 前の二つが病気になってしまった後の処置であるのに対し、薬膳師は病気の予防を目的とする職で、貴族を中心に最近流行はやりになりつつある。
 もちろん三つの技を備えた器用な者もいるが、医師が薬師と、まれに薬膳師を助手にしている場合が多い。なぜなら薬を自分で煎じるのを面倒がる医師が多く、また薬膳師にいたっては料理が出来なければならないが、たいていの医師は料理が下手だ。
 薬を処方するように薬膳料理を作るのでまずくて食べられない。
 少し前に医師が薬膳料理の店を出したことがあったが、まずい割にたいして効能を感じられないとすぐにつぶれてしまった。
 長らく腕のいい薬膳師が現れぬままに、日の目を見ぬ職だった。
 食べやすく、さらに効能もある薬膳料理を作るのは簡単ではない。
 まず何より一人一人の体の具合や味の好みを知らなければ、満足できる料理など作れない。高度な能力が必要な割に需要の少ない職だった。
 だが、董胡は幸いにも非常に有利な能力を備えていた。

「うめえ~っ! あー董胡の作る料理はやっぱりうまいよなあ」
 庄助も帰って、奥の座敷で囲炉裏を囲み三人でゆうをとる。料理の担当はいつも董胡だ。押し付けられているわけではなく、料理が好きだった。
 それに孤児の董胡を弟子として置いてくれている卜殷先生への恩返しもある。
 物心ついた頃から先生と呼び、親代わりに育ててくれたことに深く感謝している。同じく孤児の楊庵は、董胡とほぼ同じ時期に弟子になったのだが勝手に歳の順で兄弟子だと言っている。
「楊庵がせいりゆう人みたいな筋肉をつけたいって言うから今日もささまんじゆうにしたよ」
 東の都、青龍は『武術の都』とも呼ばれ、武道場が林立している。麒麟寮に行く途中でたまに見かける青龍人は、玄武人の三倍ほどの腕回りをしていた。
 饅頭としるわんだけのささやかな夕餉だが、饅頭にはいつも趣向を凝らしている。
「子供の頃、こうぐんの武官を見たことがあるんだ。かっこよかったよなあ」
 楊庵は思い浮かべてため息をついた。黄色は伍尭國では皇帝の色だ。つまり黄軍とは皇帝のこの軍のことだった。黄軍のほとんどが青龍人だと言われている。
「青龍人はどんなものを食べているんだろう。やっぱり食べ物が違うのかなあ。きっと青龍の地に育つ作物に筋肉がつく食材があると思うんだよね」
 見た目のかっこよさにあこがれる楊庵と違って、董胡の興味は何を食べたらそんな筋肉質の体になるのかということのみだ。薬膳趣味が高じて、何事もすぐに食材と結びつけて考えてしまうくせが董胡にはあった。
「生まれつきの体が違うんだと思うぜ。食べ物で青龍人みたいになれたら苦労しないよ」
「でも農民のてつにしばらく笹身饅頭を食べさせたら腕回りが二倍になったって。その割に楊庵は毎日食べさせてもあまり変わらないよね。何が違うんだろう」
 董胡は楊庵の横に座り腕回りを指尺で計測すると、紙に数字を書き込んだ。
「なんだよ、俺を実験台にしないでくれよ。内緒で饅頭に変なもの入れてないだろうな。ほら董胡が収集しているとうちゆうたけとかいう気持ち悪い生薬とかさ」
 冬虫夏茸とは、その名の通り冬には虫の姿で土の中にもぐり、夏になると地上にきのこの笠を開く。掘り起こすと干からびた幼虫が根のようになって出てくる不気味な見た目だが、あらゆる病に効く斗宿原産の万能薬の一つだ。
 高値で取引されていると聞くが、梅雨のあと近くの山に入ると案外簡単に見つけられる。医師の免状を持っていても、薬草や茸の知識に精通している者は意外に少なく、冬虫夏茸自体を知らない者も多い。ましてや地上に出た茸だけで見分けられる者はほとんどいない。この辺では董胡と卜殷ぐらいだった。
 董胡はそれらを生活が苦しくなった時に売ろうと、ひそかに干して収集していた。
「馬鹿言わないでよ。大事な冬虫夏茸を楊庵なんかに使わないよ。もったいない」
「自分の専用やくそうかごにぎっしり貯め込んでんだもんな。見せられた時はたまげたよ」
 一番の宝物を見せてあげると言って楊庵に一度だけ見せたことがあった。だがまだ乾燥が不十分で生々しかったのか、暗闇で微笑む董胡が怖かったのか、楊庵はぎゃあと叫んで腰を抜かしそうになっていた。
「俺はすこぶる健康だから、変な生薬は絶対入れないでくれよ。絶対だぞ」
「私の愛すべき宝物を変な生薬って失礼だよね。嫌なら食べなくていいよ」
 饅頭の編み皿を取り上げようとしたが、楊庵は慌てて取り返した。
「食べるよ! 董胡の作る饅頭は絶品なんだからさ。怒るなって」
 董胡の得意料理は蒸し饅頭だ。
 最初は普通の饅頭を作っていたが、そのうち相手に合わせて中の具材を変えるようになった。病気の者には、症状に合わせた薬草を混ぜ込んだりもするが、そうすると味の調整が難しい。毎日いろんな人に饅頭を食べさせて日々研究している。
「どれ。楊庵の饅頭はそんなにうまいのか?」
 卜殷が横から手を伸ばし、楊庵の編み皿から饅頭を一つ取って口に放り込んだ。
「あっ! 卜殷先生、自分の饅頭を食べて下さいよ!」
 卜殷の前には、もう少し小粒の饅頭が置いてある。
「あまっ! 楊庵の饅頭は甘いなあ。これがうまいのか?」卜殷は顔をしかめている。
「うまいですよ! 最高です。卜殷先生こそ、よくそんな苦い饅頭を食べられますね」
 卜殷の饅頭にはあつの乱れを整える生薬を入れている。苦味は体の余分なものを排出する働きがあるとも言われているが、酒飲みの卜殷に必要な生薬はたいてい苦い。だが幸いにも卜殷は偏食な男で、酒のつまみに苦いものを好む。
「この苦い饅頭がうまいんだよな」
 長年の研究で気づいたのだが、人というものは自分の体に必要な食材の味を好むように出来ているらしい。体に余分な酒がたまる卜殷は苦味を。不安感をため込みやすい楊庵は甘味を。そして董胡は、人がいま欲している味が五色に光って見える不思議な能力を持っていた。
「それにしてもさ、董胡はなんで庄助さんが熱あたりだって分かったんだよ。また体の周りに何か色が見えるとかそういうやつ?」
 卜殷と楊庵にだけ、その不思議な能力について話していた。
「うん。庄助さんは塩味が好きだからいつも黒い光を一番強く放っているんだけど、今日はその塩味を拒絶するように黒が薄れていたから、水脱だと気付いたんだ」
 誰もが見えるものと思っていた光が董胡にしか見えないものだと知った日、卜殷は珍しく神妙な顔をして「誰にも話すな」と言った。子供心に何か重大な秘め事なのだと感じたものの、卜殷は何度聞いてもそれ以上のことを教えてくれることはなかった。
 仕方なく董胡は誰に教わることもなく自分一人で研究を重ねてきた。
 誰もが五色の光を放っているが、人によって色の強弱が違う。そしてそれが味覚の色だと気付いたのは、治療院を手伝い始めてからだ。基本は黒が塩味、赤が苦味、青が酸味、白が辛味、黄色が甘味なのだが、複雑に交差していて単純に分かるものでもない。
 何年もかけて董胡に見える色と相手の体の調子を分析して、最近ようやくその色が意味するものが少しずつ分かるようになってきた。まだまだ症例が少なく、間違った判断をしてしまう場合も多いが、当たった時は最善の処方を見つけることが出来た。
 ずばり当たった時の達成感は、薬膳ひとすじの董胡にとって最高の褒美だ。
 相手が欲する味に作った饅頭を美味おいしいと喜ばれ、病人の体調が少しずつ改善していく様子を見るのがたまらなくうれしい。誰かの力になれているのだと感じる瞬間が好きだ。
 だから、医家の者があまりなりたがらない薬膳師になりたいとずっと思っていた。

 医師免状を取るために麒麟寮に入寮したのは三年前のことだった。
 その何年か前に、皇帝直属の麒麟寮がこの田舎の村に建てられた。寮とあるが、斗宿に住む者は通うこともできる医塾だ。他にも医師養成塾はあるが、斗宿のそれは皇帝の意向で薬膳師の養成に力を入れている国費で学べる塾だった。建てている時から董胡は再三卜殷に入寮を願い出ていた。だが卜殷はずっと首を縦に振ってはくれなかった。
「ああいうところは大きな医家の子息が通うものだ。こんな貧乏治療院の孤児が行ったところで苦労するだけだ」
「ですが試験に受かれば誰でも無料で入寮できるのですよね? みかどは広く才能あるものを求めるとおっしゃったそうです。私でも入れるでしょう?」
「俺も。俺も行ってみたい。それで立派な医官になって卜殷先生に恩返ししてやるよ」
 楊庵も身を乗り出した。
「へっ! 医官どころかいじめられて泣きべそかいて戻ってくるぞ」
「無理だと思えばやめればいいじゃないですか」
「そうです。だめだと思ったらやめればいいだけです。お願いします。行かせて下さい」
 楊庵と董胡は二人で頭を下げた。
「気持ちは分かるが、大事なことを忘れてないか、董胡?」
 董胡は、はっと顔を上げた。
「募集は男子だけだったはずだ」
「それは……」
「治療院の助手として男のなりをしているが、お前は自分が女だと忘れたわけじゃないだろうな」
 董胡は、女だということをこの二人以外にずっと隠して暮らしていた。
 それは卜殷の弟子になると決めた時から仕方のないことだと思っていたが、女であることを捨てたつもりもなかった。いつか誰かと家庭を持ち子を産み母となる、という選択肢を無意識に残しておきたかったのかもしれない。だが正式な医師の免状を受け取ったなら、もう女に戻ることはできない。
 この日、董胡は覚悟を決めた。
「私は生涯男として生きていくつもりです。二人以外に女であることを明かすつもりもありません。だからどうか男として麒麟寮で学ぶことを許してください。お願いします」
 そう懇願してようやく麒麟寮への入寮の許可をもらったのが三年前。
 治療院の助手を続けながら血のにじむような猛勉強をして手に入れた医師の免状なのだ。簡単にあきらめることなどできない。
 そして、そうまでしてやくぜん師にこだわる理由が董胡にはあった。
 ある方と交わした約束。
 いつかその方の専属薬膳師として役に立てる人間になりたい。
 その想いが、今日までの董胡を突き動かしていたと言っても過言ではない。
 そのためなら、女であることを捨てても悔いはないと思っていた。

(つづく)

『皇帝の薬膳妃 紅きなつめと再会の約束』



皇帝の薬膳妃 紅き棗と再会の約束
著者 尾道 理子
定価: 682円(本体620円+税)
発売日:2021年10月21日

妃と医官の二重生活が王宮に波乱を呼ぶ! 心ときめくファンタジー絵巻。
伍尭國(ごぎょうこく)の北の都、玄武に暮らす少女・董胡(とうこ)は、幼い頃に会った謎の麗人「レイシ」の専属薬膳師になる夢を抱き、男子と偽って医術を学んでいた。しかし突然呼ばれた領主邸で、自身が行方知れずだった領主の娘であると告げられ、姫として皇帝への輿入れを命じられる。なすすべなく王宮へ入った董胡は、皇帝に嫌われようと振る舞うが、医官に変装してこしらえた薬膳饅頭が皇帝のお気に入りとなり――。妃と医官!? 一人二役ファンタジー。
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322105000220/
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