KADOKAWA Group
menu
menu

連載

森見登美彦・著 上田 誠・原案「四畳半タイムマシンブルース」 vol.13

【連載小説】クーラーのリモコンが全宇宙消滅の引き金に――!? ヨーロッパ企画の傑作と『四畳半神話大系』が融合! 森見登美彦・著 上田 誠・原案「四畳半タイムマシンブルース」#1-13

森見登美彦・著 上田 誠・原案「四畳半タイムマシンブルース」

※本記事は連載小説です。

>>前話を読む

 モッサリ君は礼儀正しく「むらといいます」と名乗った。
 その顔つきや立ち居振る舞いが初々しいのも当然のことで、田村君は大学一回生であった。ただし二十五年後の一回生である。しかも彼は当アパート下鴨幽水荘の住人であり、私と同じ部屋、209号室で暮らしているという。現在でさえはいきよに間違えられるアパートが四半世紀後も存続しているとは、喜ばしくも信じがたいことである。
「君の時代にはタイムマシンが普通にあるのか?」
 私が訊くと、田村君は得意そうに胸を張った。
「いえいえ。僕らが自分で作ったんですよ」
「自分たちで?」
「ええ。下鴨幽水荘のみんなで」


紹介した書籍

関連書籍

MAGAZINES

小説 野性時代

最新号
2025年4月号

3月25日 発売

ダ・ヴィンチ

最新号
2025年5月号

4月4日 発売

怪と幽

最新号
Vol.018

12月10日 発売

ランキング

アクセスランキング

新着コンテンツ

TOP