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連載

櫛木理宇「虜囚の犬」 vol.46

【連載小説】凶悪犯を殺したのは「女の子みたいな美少年」? 胸を胸を抉るラストが待ち受ける、衝撃のミステリ。 櫛木理宇「虜囚の犬」#8-10

櫛木理宇「虜囚の犬」

※本記事は連載小説です。

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 和井田があいづちを打つ。
「まあ爺さんは孫のことで頭がいっぱいで、それどころじゃなかったんだろう。だが元家政婦の幸恵は、おまえに同調したぜ。伊知郎が『馬鹿ガキ』でなく『糞ガキ』と呼んでいた少年が一人だけいる、と。あの傲慢な伊知郎をもってしても、馬鹿とは呼びにくかった相手がな」
「ああ」
 白石は生返事をした。ふたたび、幸恵の声が再生される。
 ──次にナオくん、とても物知りで頭のいい子です。
 和井田がメモを読み上げた。
「そいつの姓名は、つちなおふみ。治郎の二学年上で、小学生の頃から評判の優秀児童だった。しかしコミュニケーション能力が低く、同学年の友人がいなかった。治郎たちと〝仲良しグループ〟を組んだのはそのせいだろう。中学卒業後は、県内有数の進学校に合格。だが高二で鬱病を発症して退学している。ちなみにこの退学は、治郎の退学の半年後だ」
「いま土屋くんは、どうしているんだ」
 白石は問うた。
 和井田がわずかに目を上げ、応える。
「現在は無職。そして橋爪蛍介と同じく行方知れずだ。おまけに薩摩志津の隠れ家から採取された不完全指紋が、土屋尚文のものと十二点中八点が一致した。テーブルの裏側から発見された指紋だから、おそらく拭きのこしだろう。……ふん、野郎ども、ここに来てようやく尻尾を摑ませてくれたぜ」
 和井田はテーブルに、勢いよく湯吞を置いた。

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#8-11へつづく
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「カドブンノベル」2020年3月号

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