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連載

北上次郎の「勝手に!KADOKAWA」 vol.28

北上次郎の勝手に!KADOKAWA 第28回・横関大『クローン・ゲーム~いのちの人形~』

北上次郎の「勝手に!KADOKAWA」

数々の面白本を世に紹介してきた文芸評論家の北上次郎さんが、KADOKAWAの作品を毎月「勝手に!」ご紹介くださいます。
ご自身が面白い本しか紹介しない北上さんが、どんな本を紹介するのか? 新しい読書のおともに、ぜひご活用ください。

ただいま思案中


横関 大『クローン・ゲーム ~いのちの人形~』
定価: 792円(本体720円+税)


 世の中には自分にそっくりな人が3人いる、という帯コピーに手が伸びた。しかもいつもならカバー表4の粗筋紹介を見ないようにするのに(内容を知らずに読んだほうが小説は絶対に面白いので)、このときは粗筋紹介を読んでしまった。そこにはこうあった。「次第に明らかになったのは、政府が28年前から隠してきた『クローン人間』の存在だった」
 おお、ここまで読んだら絶対にレジに持っていく。で、帰宅するまで待てずに電車の中で読み始めてしまった。
 警視庁捜査一課の川村直樹は、帰宅途中に自宅近所のマンションの前にパトカーが停まっていたので、つい顔を出して旧知の刑事と話をしていたら、厚生労働省の外郭団体「ドールズ」の男たちが現れて、現場を横取りしていく。『遺体引き取り及び事件捜査に関する権限委譲に関する覚書』と題された書類を見せられ、厚生労働大臣の印が押されているのでは止むを得ない。しかし釈然としないので、翌日から調べはじめる。「ドールズ」という組織は何なのか。そこにサイバーセキュリティ対策室に勤務している高倉竜生も絡んできて、一緒に捜査を続けていく。
 マンションで死んでいた男、野添孝明は有名棋士名倉泰山とそっくりであること。さらに彼が児童養護施設で育ったことが明らかになり、そしてドールズの人間がやってきて、川村に言う。「今から二十八年前、ある一人の分子生物学者の手により、七体のクローンが生まれました。亡くなった野添はそのうちの一体です。そう、我々はクローン人間の監視をおこなっている組織なんです」
 これが83ページ。全体で329ページある本であるから、まだ4分の1である。ここからどういう物語が始まるかは読んでのお楽しみにしておく。私、こういう話、大好きだ。
 横関大は、2010年に『再会』で江戸川乱歩賞を受賞してデビューした作家で、たくさんの著作がある。これまで数冊は読んだ記憶があるが、全作は読んできていない。つまり私は、横関大のいい読者ではない。いまから読めるかなあ。遡るのは七冊までなら大丈夫、というのが私の持論なのだが、これまでさぼってきたので、未読本がその七冊を遙かに超えている。無理かなあ。ただいま思案中である。


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