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角川文庫キャラホラ通信

【キャラホラ通信5月号】『鬼恋綺譚 流浪の鬼と宿命の姫』刊行記念 沙川りさインタビュー

角川文庫キャラホラ通信

第5回角川文庫キャラクター小説大賞にて優秀賞を受賞し、今作でデビューした作家・沙川りささん。ディープな創作秘話や、作品に込めた想いをうかがってきました!


――第5回角川文庫キャラクター小説大賞〈優秀賞〉受賞おめでとうございます! まずは、本作が生まれたきっかけを教えてください。

沙川:この作品を書いた十年前、私はケーブルテレビ局でアナウンサーをしていました。
日々夕方の情報番組に出演し、同番組のイベント告知コーナーの原稿作成もさせていただいておりました。

そんな折、原稿作成中に目に留まったのが、とある日本美術の展覧会のチラシ。もともと美術展は大好きで、一人でふらりと美術館に行くことも多いため、興味深くそのチラシを手に取りました。番組で告知するしないはさておき、プライベートで見に行こうかなと思いまして(笑)。

そのチラシに掲載されていたのが、『播州皿屋敷』のお菊さんの幽霊の日本画でした。
残念ながらその美術展には都合がつかなくて足を運べずに終わってしまったのですが、ぜひ『播州』のお菊さんをモデルに小説を書いてみたいと思い立ち、書き上げたのがこの作品です。

小説・漫画・映画や舞台問わず、かっこいい女性が活躍する作品が大好きなもので、自分の小説でもかっこいいヒロインを書いてみたいと常々思っていたため、お菊さんに出会えたのは僥倖でした。



――鬼恋綺譚』の原形は十年前に誕生していたのですね……! 「番町皿屋敷」でなく「播州皿屋敷」というのも興味深いです。応募にあたり、角川文庫キャラクター小説大賞を選ばれた理由はありますか?

沙川:実は書き上げてから十年間、この作品を受け容れてくださる新人賞を探し続けていたんです。
角川文庫キャラクター小説大賞はもちろん存じ上げており、「魅力的なキャラクターが活躍する、エンタテインメント小説」が対象ということで、もしかしてぴったりなんじゃ? と思っていたのですが、第4回までは連作短編という縛りがあって応募ができなくて。
第5回からは長編でも応募できるようになったと知り、喜び勇んで応募させていただきました。


――まさにぴったりな物語だと思います! この物語の読みどころはどこですか?

沙川:あまりネタバレをせずにお伝えするのが難しいのですが(笑)、現在の文梧・主水のパートと、三年前のエピソードである元信・菊のパートを行ったり来たりする構成になっているところかな、と思います。


――現在と過去が交錯するお話なのですね。受賞後、さっそく改稿に取り組まれたと思いますが、特に苦労したところや、逆に楽しかったところなど、もしあれば教えてください。

沙川:改稿時に苦労したのは、前述の通りこの作品の原形は十年も前に書いたものなので、十年前の私と意思疎通が全然取れなかったことです(笑)。十年前の私がどういうつもりでこのシーンを書いたのか、この台詞を書いたのか……というのを読み解くのにまず時間がかかりました。

楽しかったのは、応募時に規定のページ数に収めるために削ったエピソードをしっかり追加できたことです。ラスト付近の、とあるキャラクターの名前に関するエピソードなどがそうで、入れられてよかったなと思います。


――特にお気に入りのキャラクターはいますか。その理由も教えてください。

沙川:どのキャラクターも「こんな状況なのにちゃんと生きていてえらいなぁ」と思いますが、中でもやっぱり菊でしょうか。本当に、若いのにしっかりしていてえらいなぁと……! 月岡月穂先生のキャラクターデザインを拝見してから特にそう思うようになりました。
改稿の際に読み返していて気づいたのですが、菊って結構泣き虫なんですよね。意外な一面を見た気がして、かわいいなと思いました。


――厳しい世界で一生懸命生きているキャラクターたちに勇気づけられる読者も多そうですね。新刊が出たばかりで気が早いですが(笑)、今後書いていきたいものを教えてください。

沙川:もし『鬼恋綺譚』と同じ世界観で書かせていただけるなら、主水の過去にまつわるお話を書いてみたいです。
少年漫画の主人公の師匠とかにありがちな、飄々とした中にも強キャラ感が滲み出ているキャラクターが昔から好きで、そのキャラクターがまだ強キャラになる前の過去編なんかも好きなので、それが主水だとどんな感じになるのか見てみたいです。

また、全く違ったジャンルで、現代のお仕事もので書いてみたいなと思うのは、テーマパークを舞台にしたお話です。
私は以前ごく短期間ですがテーマパークのエンターテイメント関係の仕事をしていたことがあるので、その経験を活かして、遊園地のエンタメにちょっとだけホラーっぽい要素を絡めたお話を書いてみたいです。夜の遊園地とか、バックステージって、独特の怖さがあって好きなんです。
『鬼恋綺譚』は男女の恋愛物語ですが、こちらはどちらかというとオールメールに近いイメージで、男性バディにドタバタと事件を解決してもらいたいです。


――最後に、読者に一言メッセージをお願いします。

沙川:本作をお手に取ってくださった皆さま、インタビューを読んだことだし手に取ってみようかな……と検討してくださっている皆さま、誠にありがとうございます。
この作品が、あなたのお気に入りの一冊となりますよう願っております。

沙川りさ『鬼恋綺譚 流浪の鬼と宿命の姫』詳細はこちら(KADOKAWAオフィシャルページ)
https://www.kadokawa.co.jp/product/321911000248/


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