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角川文庫キャラ文通信

【キャラホラ通信7月号】『夏、君と運命の恋をするはずだった』刊行記念 大城密インタビュー

角川文庫キャラ文通信

WEB上で発表した作品が人気を博し、『下町アパートのふしぎ管理人』でデビューした作家・大城密さん。最新刊の青春タイムループミステリ『夏、君と運命の恋をするはずだった』についてうかがいました!


――まずは、本作が生まれたきっかけを教えてください。

大城:好きなジャンルのひとつである「タイムループ物」を一度は書いてみたかったのが最初のきっかけです。
友人と飲んでいるときに「もう一度人生をやり直せるとしたら、同じパートナー(彼女、彼氏、妻、夫)を選ぶか?」という、よくある話の流れで構想を思いつきました。


――タイムループと恋が絶妙に絡む作品設定は、そんな経緯で生まれたんですね!

「高校生活のやり直し」「別の恋の可能性」など、魅力がたくさんの本作ですが、一番の読みどころはどこでしょうか。

大城:何かを得るためには何かを失わなければならない。というのはよく言われることですが、この物語では、タイムループに失敗する度に「運命の人との記憶」が失われていきます。
自分を含めて、人間関係を構成する共通の記憶というのはあまりにも少ないことに気づかされるはずです。


――なるほど。だからこそ記憶を失っても、愛する人を信じられるか……このことを一貫して問う作品になっているわけですね。

学生時代のきらめきを存分に味わえるこの物語を、具体的にはどういった方に読んで欲しいですか?

大城:主人公達と同年代の中高生はもちろん、すでに結婚されている大人や、大事なパートナーがいる方に読んでいただきたいです。
あと、友達がいない人。
あ、それと「初恋に大敗」した方にも。



――〈自分なりの青春〉を探し、悩み、謳歌する登場人物がたくさん出てきますが、特にお気に入りのキャラクターはいますか? その理由も教えてください。

大城:物語を引っ張っていく役割を背負った、クラスでも地味で目立たない存在の「宇崎太郎」です。
実は好奇心旺盛で静かで強い気持ちを持つ宇崎は、どんな状況でも諦めたりしません。
作中では友人のいない宇崎ですが、僕は彼のような友人がいてくれればと思います。


――そんな風に、自分だったらこの人と友達になりたい、この子と結ばれたい、と考えながら読むのも楽しいですね。

元々はホラーを書かれていて、その後はあやかしもの、今回は青春ミステリと、幅広いジャンルを手がけていらっしゃいますが、今後書いていきたいものがあればぜひ教えてください。

大城:ホラーも好きですが、やはり一番僕が好きなのは青春小説です。
もちろん学園物というだけでなく、大人の青春ミステリ小説などにも挑戦できればと考えています。
それと個人的な趣味ですが、冒険ファンタジー要素のある児童書なども書いてみたいです。


――最後に、読者に一言メッセージをお願いします。

大城:この物語は青春小説ですが、僕にとっては「大事な人を失う」という、一番怖いホラーの要素も詰まっています。
あなたが失ったら嫌な記憶はありますか?
もしあれば、絶対に大事にしてください。
主人公達が何を失い、何を得るのかに注目していただければ、さらに面白く読んでいただけると思います!



大城密『夏、君と運命の恋をするはずだった』詳細はこちら(KADOKAWAオフィシャルページ)
https://www.kadokawa.co.jp/product/322002001000/


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