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連載

角川文庫キャラホラ通信

二転三転する結末に、読者の支持No.1!!! 圧倒的恐怖のデビュー作『ナキメサマ』阿泉来堂インタビュー

角川文庫キャラホラ通信

第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉を受賞しデビューした注目の新鋭・阿泉来堂さん。デビュー作『ナキメサマ』についてや賞に応募したきっかけ、ホラー作品に対する思いなどをうかがいました!


――このたびは受賞&デビューおめでとうございます! まずは、賞に応募したきっかけ、そして受賞時の気持ちを教えてください。

阿泉:もともと私は探偵が登場するオーソドックスなミステリ作品が書きたかったのですが、何作書いても自分の納得のいく作品が出来上がらず、行き詰まりを感じていました。

そこで一度振り出しに戻り、自分が好きなもの、ハマった既存作品などをリストアップしてみることにしました。
すると驚くほど自分の好みがホラー寄りだという事にその時初めて気が付きまして……。

ここはひとつ、ホラーを基盤とした作品を書いてみよう。そこにミステリのエッセンスを加えればきっと面白いものができる。
そう思って執筆した作品を横溝正史ミステリ&ホラー大賞に応募しました。

こちらの賞には以前から興味があり、過去の受賞作もいくつか拝読していました。
特に統合前の日本ホラー小説大賞は私にとってなじみが深く、『パラサイト・イヴ』や『黒い家』『十三番目の人格(ペルソナ) ISOLA』そして『ぼぎわんが、来る』といった名だたる作品を出された賞ですから、これは挑戦するしかないなと一点狙いでした。

読者賞受賞のご連絡をいただいた時はとにかく呆然としてしまい、「はあ、そうですか。ありがとうございます……」といったつまらない反応しかできませんでした。
改稿作業やゲラに取り組み、こうして刊行されるという状況になって来てようやく実感がわいてきた感じです。


――苦心して改稿し、練り上げた作品なんですね! この物語の読みどころはどこですか?

阿泉:話の骨格は「田舎に行ったらひどい目に遭った」系のオーソドックスなもので、少し既視感を感じる方もいるかもしれません。

個人的にはこれこそがホラーの醍醐味といった感じがするのですが、単にそれだけで終わってしまっては物足りないこともあるでしょう。
なので、ただ一辺倒にならないよう、物語にある仕掛けを試みております。
最後まで読んでくれた読者の方がそれをどう感じるかはわかりませんが、気に入っていただけるといいですね。


阿泉来堂『ナキメサマ』


――特に思い入れのあるシーンはありますか? またその理由も教えてください。

阿泉:書いている最中はどのシーンも楽しんで書けたので、そういう意味ではどのシーンも思い出深いものなのですが、あえて一つ挙げるとすれば、初めて怪異に遭遇するシーンでしょうか。

正体不明の『何か』が奇声を発しながら近づいてくる。ホラーではよくあるシーンですが、だからこそ書く手に力が入りました。
相手の正体がわからない。つまり未知の存在に対する恐怖というのは、きっと人間の根本にある恐怖心を刺激するのではないかと思います。
ともすれば自分が何を怖がっているのかすら、本人にはわからない状況だってあるでしょう。

そんな時、隣にいる人が自分以上に怯えていたら、感じる恐怖は倍増する。
『怖がっている人間が怖い』という状況を書けたのではないかなぁと思っています。


――では、今後書いていきたいものを教えてください。

阿泉:ホラーにおいて登場する怪異というのは、まさに作品の顔です。
人間がどうあがいても到底太刀打ちできない、圧倒的な恐怖を与えてくれる異形の存在。
ある時は凶暴に、またある時は音もなく忍び寄る。気が付いた時には逃げ場を失い追い詰められている。

そんな風にして人間を容赦なくいたぶる、とっておきの怪異を作り出していきたいです。
そして単純に怖さを追求するのではなく、恐怖の先にあるドラマや悲恋、人の情念といったものを描いていければと思っています。


――阿泉さんのこれからに期待しています! 最後に、読者に一言メッセージをお願いします。

阿泉:ホラー好きの方にはもちろんですが、ホラーというものがただ怖くて気持ち悪いものだと思っている方にこそ、是非とも読んでいただきたいです。
『ナキメサマ』をきっかけにして、「これまでホラーを嫌厭していたけれど悪くないね」と感じてもらえれば嬉しい限りです。



阿泉来堂『ナキメサマ』詳細はこちら(KADOKAWAオフィシャルページ)
https://www.kadokawa.co.jp/product/322008000147/


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