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試し読み

個性あふれる先輩や同期たちに囲まれ、少年は成長していく。『七帝柔道記』超ボリューム試し読み【6/8】【3月18日続編発売】

尋常じゃない血と汗と涙で大反響を呼んだ青春小説の金字塔『七帝柔道記』。その11年ぶりとなる続編『七帝柔道記Ⅱ 立てる我が部ぞ力あり』が3月18日(月)に発売されます! これを記念して、『七帝柔道記』の超ボリューム試し読みを実施!
15人の団体戦、一本勝ちのみ、場外なし、参ったなし、締めは落ちるまで、関節技は折れるまで。旧七帝国大学のみで戦われる、寝技中心の異形の柔道「七帝柔道」。
その壮絶な世界に飛び込んだ主人公の青春を描いた本作は、柔道の話でありながら誰もが共感する普遍的な人間ドラマとして、各界で大絶賛されました。
とにかく面白過ぎて、読み始めたら徹夜必至! 至高の青春小説を是非お楽しみください!
< 続編『七帝柔道記Ⅱ 立てる我が部ぞ力あり』の試し読みはこちらから!




『七帝柔道記』超ボリューム試し読み【6/8】


   

 目を覚ますと、すでに九時二十分を回ったところだった。知らないうちに目覚まし時計を止めていたようだ。
 しばらく布団の中で迷ったが、後々面倒なことになるのは嫌なので大学へ行くことにした。起き上がると体全体にひどい筋肉痛があった。五分ほどストレッチをしてから、歩いて十分ほどの教養部へ向かった。朝の白い陽光が残雪にまぶしく照り返していた。
 北十八条からキャンパスに入り、武道館を過ぎると、教養部はすぐそこだ。
 玄関には私と同じように遅刻した数人の学生がいて、青い顔で掲示板を見上げ、自分の学生番号を懸命に探していた。そこにクラス別の教室割りが貼ってあった。私の入学した水産系の入学定員は二百何人かで、これを四で割った五十数人が一クラス、三十七組から四十組が水産系になっていた。私の学生番号は四十組にあった。B319教室とある。
 三階まで上がって奥に入っていくと建物は思いのほか後ろへ延びており、迷路のように複雑になっていた。考えてみれば、一学年二千二百人、二学年合わせて四千四百人がここで学んでいるのだ。広くてあたりまえだ。
 実験室があちこちにあるのだろう、薬品の臭いが廊下に漂っていた。そのうち方向感覚がなくなり完全に迷ってしまった。しばらく行くと、廊下が行き止まりになっていた。しかたなく戻ってくると、同じルートを通ったつもりが、窓から原生林のような森が見える小さなホールに出てしまった。近くの部屋をのぞくと、壊れた人体模型がたくさん積んであった。死体置き場のようだなと思った。五十代の研究者らしき男が書棚をあさっていた。
「すみません」
 声をかけると、老眼鏡を外してこちらを見た。
「B319教室ってどこにありますか。オリエンテーションやってるんですけど」
「それならまったく方向が違うよ」
 男は言って、山羊やぎのように伸びた長いあごひげでた。そして「オリエンテーションて、今日、何かやってるのかい?」と聞いた。
「はい。新入生のオリエンテーションです」
「君は新入生か?」
「はい」
 私がうなずくと、男は私の足先から胸のあたりまで何度か見てにやつきだした。
「ジャージで来たのかい」
「はい」
「運動靴で」
「ええ」
「変な新入生だな」
 おまえの顎髭のほうがよほど変だろうと思った。
 山羊男にB棟へ行く道順を聞き、部屋を出て、教室を探しまわった。やっと「一年四十組」と貼り紙のしてある教室に辿たどり着き、ドアを開けると、何十人かの目が一斉にこちらを向いた。頭を下げて入っていき、窓際の空いた席に座った。
 教壇で初老の男が話をしていた。隣の学生に聞くと担任だという。小学生や中学生じゃあるまいし大学にも担任がいるのかと、なんだかがっかりした。その担任がこれからの諸手続きについて説明を続けた。学生たちはとして担任の話をメモしている。
 ぐるりと教室を見渡すと、女子学生は四分の一といったところか。
 教養部は、文1系、文2系、文3系、理1系、理2系、理3系、水産系、医学進学課程、歯学進学課程の九つに分かれている。
 入学したあとはその系別のカリキュラムで教養部の一年半を過ごし、二年生の九月に希望の学部学科をつのって、成績順に振り分けられていく。理1系は主に工学部機械工学科や理学部数学科などの物理系の学科に進み、理2系は薬学部や理学部高分子学科など化学系の学科へ、理3系は農学部農学科や林学科、理学部生物学科など生物系の学科に進む。水産系も学部の中の四つの学科に分かれて進学する。東大はこの学部への進学を「しんり」とよぶのだと東大へ行った高校の友達から聞いていたが、北大はこれを「こう」とよぶ。
 水産学部だけが、札幌ではなく、海のある函館にあった。だから、学部に移行する一年半後には札幌から函館へ引っ越さなければならない。地図で見ると近いが、実際の北海道は道外の人間が考えているよりずっと広い。函館は札幌から特急列車で四時間以上かかるらしい。かつては水産学部に強い先輩がたくさんいたらしいが、いま水産学部には柔道部員が一人もいなかった。水産学部の柔道部員は合宿時と夏休みや冬休みなど長期休暇のときには札幌に来て泊まり、こっちで一緒に練習するが、普段の練習は函館の部員たちで向こうの町道場や大学、実業団へのげいを繰り返すのだと鷹山が入部したころ手紙で教えてくれていた。
 担任は、説明を終えると一人ずつ自己紹介しろと言った。また小学生みたいなことを……あまりの馬鹿らしさに自分にまわってくる前に教室から逃げだそうとしたが、窓際の一番前から自己紹介が始まったので、すぐに自分の順番がきてしまった。
 しかたなく立ち上がって、柔道部でのあいさつと同じことを言った。
「僕は北大に柔道をやりに来ました。二浪しましたので少し歳をくっていますが、教養部で二回留年して、四年目の七月の七帝戦が終わってから函館に移行するつもりです」
 教室中がざわついた。思いのほか反応がいいので、これは部員勧誘のチャンスだと思い、話を続けた。「北大の柔道部は七帝柔道という特殊な寝技の柔道をやっています。寝技は努力すれば必ず強くなれます。白帯からスタートしても充分に強くなれますので、入部したい人は今日の夕方一緒に道場に行きましょう」
 みんながどっと笑った。
 私が座ると、そこからまた延々と学生の自己紹介が続いた。
 仙台一高とかしようなん高とかちくしがおか高とか、全国各地から学生が集まっていた。私自身がそうであるように、この北の地にあこがれてふらりと流れてきた者たちだろう。
 窓の下のスチームが効いて暑いのでジャージとトレーナーを脱ぎ、Tシャツ一枚になった。退屈をもてあましているうちに眠ってしまった。どれくらい眠ったのだろう、学生たちが立ち上がる音で目が覚めた。教室を出ようとすると、後ろから呼び止められた。
「おい、君。増田君」
 振り向くと担任だった。近くで見るとかなり体格がよかった。私よりひと回り大きいので、この年代ではかなりの大男だ。
「君はほんとうに留年して、こっちで四年、柔道やるのか」
「はい」
「俺は空手部の顧問なんだ」
「そうなんですか……よろしくお願いします」
 驚いて頭を下げると、担任はうれしそうに笑った。
「俺は柔道部を作ったときもいろいろ走り回ったんだ」
「作ったって、戦前の話ですか?」
 それならもっと年寄りだろう。
「違う違う、戦後、GHQに柔道を禁止されただろう。解禁されたときに復活を手伝ったんだよ」
 戦後の一時期、柔道や剣道などの武道は軍国主義的だとらくいんを押され、GHQに禁止されたのだ。
「先生もうちの柔道部のOBなんですか」
「いや、俺は教育大出身だ。東京教育大」
つくですね」
「そう。いまの筑波大だ。あそこ出て、北大の教育学部の助手になったんだ。いまは講義のほかに体育の授業で柔道実技も教えてる」
「じゃあ、授業出る気ないですけど、部でやってるから柔道の単位ください」
「ばかやろう。俺は出欠には厳しいんだ。それだけが自慢だ。いままで出席日数が足りないやつに単位やったことないんだ。授業出ないやつにはやらんからな。ちゃんと出ろよ」
 担任が笑いながら言った。
「けちなこと言わないでくださいよ」
「なにがけちだ。柔道もいいけど少しは勉強もしろよ」
「わかってます」
「あんまりわかってるっていう顔してないぞ」
「してないすか」
「ぜんぜんしてない」
 担任はまた笑った。
「そうですかね」
「さっき挨拶で二浪だって言ってたろ。親に心配かけるなよ」
「大丈夫です。うちの親は留年推進派なんです」
「なに……?」
「すいません。冗談です」
「君は面白い男だな」
 担任は笑いながらしりポケットから財布を出し、私に名刺を渡した。
「困ったことがあったら、ここにいるからいつでも相談に来い」
 そう言って笑顔のままおおまたで去っていった。名刺を見ると《教育学部教授・|室むろよういち》とあった。それを財布にしまいながら教室を出ようとするとまた声をかけられた。
「増田さんも参加しませんか」
 優しそうな男子学生がにこやかな顔を向けていた。何人かの学生が集まって話していた。
「参加するって何に?」
「コンパですよ。クラスコンパ」
「いつ?」
「明日です。夕方からです」
「練習あるから無理だよ」
「柔道の?」
 小柄な女の子が笑いながら言った。つられたようにみんなが笑った。笑うことはないだろうと思った。
「じゃあ、とりあえずいまからみんなで生協の食堂に行きますから、一緒にいかがですか」
 男子学生が言った。丁寧語を使うのは、私が二浪だからか。練習は四時からだ。その前にアパートに戻って少し眠りたかったが、女の子が三人いるのは魅力だった。女の子と楽しく過ごす大学生活が始まるチャンスだ。教養部で一年半付き合って、彼女が函館へ移行した後は休みのたびに札幌と函館を互いに行き来して──なかなかいいではないか。なかなかよい。私は女の子が苦手なので、ここから始めようと思った。柔道と恋愛を両立して充実した大学生活にしてやろうと思った。
「わかった。いいよ。行こうか」
 私を入れて十人ほどで教養部の食堂へ移った。
 話していると、イルカなどの海洋生物学をやりたいからここに来たという学生が三割、食品系のバイオがやりたいという学生が三割、船が好きだからという学生が二割、海底資源をやりたいという学生や海洋気象学をやりたいという学生もいた。
 北海道大学水産学部が医学部や歯学部と同じように他の理系と別枠受験なのには二つ理由がある。ひとつは函館にキャンパスがあるため引っ越しをしなければならないこと、そしてもうひとつは実習や実験で船に乗らなければならない特殊性からである。
 みんな楽しそうに話し続けていた。
 海洋系の研究機関は他の大学にもあるけど、どこも農学部の中の水産学科で定員も十五人とか三十人程度でしょ、北大だけだからね、旧帝大で農学部から独立してる大きな学部は。おしょろ丸と北星丸っていう大きな練習船持ってて、学生時代からベーリング海や太平洋まで世界中を何カ月もかけて回れるし。他の大学じゃ医学部が一番予算を使っているけど、北大は船があるから水産学部がいちばんお金使ってるらしいよ──。
 うるさいなと思った。興味がなくて話に割り込めない。女の子と話しにきたのに話せないではないか。やっぱりアパートに戻って寝ようかなとためいきをついた。
 私の表情を読んだ男子学生が声をかけてくれた。
「増田さんはどの学科志望なんですか」
「俺は柔道部志望だよ」
 女の子たちが「冗談じゃなくてほんとなんですか」と爆笑した。
「学部だってどこでもいいんだから学科なんてもっとどうでもいいよ。共通一次が終わってから水産系と文3系で迷ったんだから」
「文3て……? 増田さん理系じゃないんですか」
 人のよさそうな男子学生が聞いた。
「柔道部に入れればいいんだから文系でも理系でもいいよ」
 女の子たちがまた爆笑した。
「でも、どうして文3なんですか?」
「俺、数学が嫌いだから。数学と幽霊だけは大嫌いなんだ」
 そう言って二次試験当日に数学を白紙で出した得意の話をした。和泉さんには受けなかったが、案の定、クラスの連中には大受けした。嬉しくなって答案用紙の裏にクラーク博士が時計台の横で立ち小便している漫画を描いたとか、「俺を北大に入れろ」とクラーク博士の口から吹き出しをつけたとか、尾ひれをつけて話してやった。
 二次試験の締め切りぎりぎりまで文3系と迷って水産系を受験したのは、共通一次で稼いでいたので英語と生物で満点近くとれば数学零点で合格できる算段がついていたからだ。文3の二次試験は英語と小論文、得意の二科目だけなので楽だったが移行先がまったく興味が持てない法学部だった。法律の勉強なんて考えただけでぞっとした。やりたい動物学をとるか、札幌に残れる文3をとるか、悩んだ末の決断だった。だが二回留年すると決めてしまった今では何も問題はなかった。
「三浪したらさすがに柔道に影響あるから、いろいろ合格作戦練ったんだ」
 私が言うと女の子たちが「また柔道の話ですか」と笑った。
「でも、そういう受験の仕方って私には理解できませんよ」
 眼鏡をかけたインテリっぽい男子学生が難詰するように言った。
 私が抗弁しようとすると、別の男子学生が「増田さんには増田さんのやりたいことがあるんだから」とかばってくれたので黙っていた。
 柔道部と並行して各学部を横断する学生団体「北大ヒグマ研究グループ」にも参加したいと思っていること、柔道部を引退後は函館の学部に進み、大学院でホッキョクグマの生態研究をやれたらいいなと思っていること、水産学部出身の動物カメラマン田中こうじようあこがれていることなど真面目な話も照れくさいので黙っていた。受験の前夜、ススキノのソープランドをハシゴして受験当日眠くてしかたなかった話も女の子のいないときに話した方がいいと思い、これも黙っていた。
 帰り、同じ方角の男子学生二人と一緒に歩いた。さくらひがしといった。
「増田さんのアパートに遊びに行ってもいいですか」
 桜木が言った。練習が始まるまで眠りたいので断ろうとすると、東尾も「行きたい行きたい」と言いだした。しかたなく「俺は寝るけど、それでもいいか」と聞いた。二人ともいいと言う。
 アパートに入ってテレビをつけた。どこも岡田有希子の話をやっていた。彼女を追って自殺する若者が出てくるかもしれないと評論家が言った。ウェルテル効果とか何とか小難しい話をしている。ゲーテの『若きウェルテルの悩み』からきた言葉のようだった。マスコミの興味本位の姿勢に私は頭にきていた。つらくなっていた。二人に言ってテレビを消した。
「三時半ちょっと前くらいに起こしてくれるかな」
 二人に言って、布団にもぐり込んだ。しばらく二人の話し声が気になったが、そのうちに眠りに落ちた。
 目を覚ますと三時十五分だった。
「あ、増田さん起きたんですか」
 二人はずっと話していたようだった。
「これから道場行くから」
 そう言ったが、二人ともまだいたそうだったので、合いかぎを渡して、今度学校で会ったときに返してくれと言って部屋を出た。

 道場に行くと、すでに部員が集まりだしていた。
 新しい新入生が来ていた。れいに洗濯されたジーンズをはき、焦げ茶色の革ジャンを羽織っていた。
さわせいだ。よろしく」
 握手を求めてきた。私が握り返すと、沢田は何ともいえぬいい笑顔を返してきた。三浪だという。まさか自分より歳上の部員が入ってくるとは思っていなかったので、何だかほっとした。佐賀県の名門、佐賀ぞうかん高校出身だった。高校時代のじゆうをきちんと畳んで持ってきていた。
 昨日の練習で斉藤トラさんに道衣を破られてしまった私は、余っている道衣を先輩に借りた。擦りむけたひじの傷に救急箱のガーゼを当てて上からテーピングテープを巻いた。それでも痛いが、道衣に皮膚が慣れるまではしかたない。
 先輩たちも着替えて部室から出てきた。そして昨日と同じように押し黙って座り、テーピングテープや包帯を巻き始めた。そしてそれが終わると、うつむいて練習が始まるのをじっと待っていた。異様な空気だなとまた思った。静かな道場の中で金澤さんだけが時計を見上げていて、分針がカチリと四時を指した瞬間、「整列!」と声を上げた。
 乱取りが始まると私は四年目の先輩に一本お願いした。しかしやはりまったく歯が立たず、寝技に引きずり込まれて子供扱いされた。
 私が乱取りを抜けると、沢田が別の四年目のところへ行った。
 見ていると、驚いたことにほぼ互角に戦いだした。寝技で下から攻める先輩に対して、上から背筋を伸ばして腕を突っ張っていたかと思うと、やにわに上半身を先輩の体に密着させ、じっとそのまま動かない。そして先輩の動きに合わせて、また上半身を離して腕を突っ張った。途中でさすがに息が上がっていたが、それでも最後まで取られなかった。高校でかなり寝技をやったのだろうと思われた。
 乱取りを終えて沢田が戻ってきた。
「さすがに三年のブランクはこたえたよ」
 呼吸こそ荒いが、その顔には余裕があった。
「いや、すごいよ。強いね」
「俺なんてたいしたことなかよ」
 沢田は九州弁で言って笑い、いた帯を首から掛けてズボンのひもを結び直した。魅力的な男だなと思った。
 私はその日は四本の乱取りに参加したが、やはりすべて散々やられた。最後の腕立て伏せはやはり百回を超えたあたりで私たちはダウンして汗でれた畳に突っ伏した。疲れに疲れた。
 練習が終わると、二年目の先輩たち三人が〈すしの正本〉に連れていってくれた。
「正本では全員がうめジャンを食べることになってるんだ」
 二年目の後藤さんが言って、注文してくれた。
 梅ジャンとは松竹梅の梅だろう。五百円だった。二日前、和泉さんが食べさせてくれたのは松のジャンボ寿だった。和泉さんは入部祝いで奮発して松を食わせてくれたんだなと思った。ほかの一年目は出てきた梅ジャンの大きさにびっくりしていたが、松井と飛雄馬は苦労しながらも全部食ってしまった。二浪の私と三浪の沢田にはやはり無理だった。二人で顔を見合わせて笑った。
 アパートに戻ると、電気がついていた。
 あいつらまだいるのか……。
 参ったなと思いながら重い足取りで階段を上った。うまく二人を帰して早く銭湯にかりたい。
 ドアを引くと「おかえりなさい!」とみんなが顔を上げた。十人以上いた。昼間食堂で飯を食ったクラスメートたちだった。女の子も三人いた。
 桜木が言った。
「みんな呼んじゃいました」

> #7へ続く

作品紹介



七帝柔道記
著者 増田 俊也
発売日:2017年02月25日

青春小説の金字塔!
○「尋常ではないスポーツバカたちの異界。大笑いしながらよんでいたのに、いつの間にか泣かされてました」(森絵都/作家)
○「熱いものがこみ上げてきて止まらなくなる。私たちの知らなかった青春がここにある」(北上次郎/文芸評論家/日刊ゲンダイ2013年3月22日付)

このミス大賞出身の小説家、増田俊也が大宅賞と新潮ドキュメント賞W受賞作「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」に続いて出したこの自伝的青春小説は、
各界から絶賛され、第4回山田風太郎賞候補にもノミネートされた。

主人公は、七帝柔道という寝技だけの特異な柔道が旧帝大にあることを知り、それに憧れて2浪して遠く北海道大学柔道部に入部する。
そこにあったのは、15人の団体戦、一本勝ちのみ、場外なし、参ったなし、という壮絶な世界だった。
しかし、かつて超弩級をそろえ、圧倒的な強さを誇った北大柔道部は七帝戦で連続最下位を続けるどん底の状態だった。
そこから脱出するために「練習量が必ず結果に出る」という言葉を信じて極限の練習量をこなす。
東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学、ライバルの他の6校も、それぞれ全国各地で厳しい練習をこなし七帝戦優勝を目指している。
そこで北大は浮上することができるのか――。

偏差値だけで生きてきた頭でっかちの7大学の青年たちが、それが通じない世界に飛び込み、
今までのプライドをずたずたに破壊され、「強さ」「腕力」という新たなる世界で己の限界に挑んでいく。
個性あふれる先輩や同期たちに囲まれ、日本一広い北海道大学キャンパスで、吹雪の吹きすさぶなか、
練習だけではなく、獣医学部に進むのか文学部に進むのかなどと悩みながら、大学祭や恋愛、部の伝統行事などで、
悩み、苦しみ、笑い、悲しみ、また泣き、笑う。唯一の支えは、共に闘う仲間たちだった。そしてラストは――。

性別や年齢を超えてあらゆる人間が共有し共感できる青春そのものが、北の果て札幌を舞台に描かれる。

詳細ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/321601000167/
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