【連載小説】クーラーのリモコンが全宇宙消滅の引き金に――!? ヨーロッパ企画の傑作と『四畳半神話大系』が融合! 森見登美彦・著 上田 誠・原案「四畳半タイムマシンブルース」#1-9
森見登美彦・著 上田 誠・原案「四畳半タイムマシンブルース」

※本記事は連載小説です。
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我々はその「タイムマシン」を取りかこみ、ひとしきり笑い転げていた。
実際それはたいへんよくできていた。操作パネルには年数と日数を設定するところがあり、ダイアルをまわせばちゃんと数値を変更できる。プラスとマイナスのスイッチが未来と過去に対応しているらしい。つまり十年先の未来へ行くならプラス10、十年前の過去へ行くならマイナス10と設定するのだろう。
「誰が作ったんだろう?」
「よほど技術力のある暇人だろうね」
そんなことを言い合っていると、樋口氏と小津が大家さん宅から帰ってきた。
「やあ諸君、ひどく楽しげではないか」
樋口氏はそう言ったあと、城ヶ崎氏に手を差しだした。