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角川文庫キャラ文通信

【キャラホラ通信12月号】『横浜ゲートウォッチャー 新米天使のお祓い日誌』 篠原 美季インタビュー

角川文庫キャラ文通信

新人税関職員の千々石ちぢわ天使たかしが、いつものように横浜港に届いた積み荷を検査していると、大量の土が詰まった謎の棺が見つかって……。千々石天使の他にも、元監視部ホープで神社の跡取り息子やオカルト好き化学分析官など、魅力的なキャラクターが続々登場のオカルトお仕事ミステリーが誕生! 作者の篠原美季さんに本作の誕生秘話についてうかがってきました。

――『横浜ゲートウォッチャー』は横浜税関を舞台にしたお仕事小説であり、篠原さんならではのオカルト知識の詰め込まれたミステリーでもありますね。本作が生まれたきっかけを教えてください。

篠原:昔、ちょっと税関の人と知り合うことがあり、その方たちが仕事に誇りをもっていらっしゃるのが印象的で、その頃から、いつか税関を舞台にした現代風な話が書けないかと狙っていたのですが、お仕事小説として書くには資料が少なくずっと踏み込めずにいたら、ある時ふと、「あ。税関に私が得意な超常現象的なものが入って来たらどうだろう。それを食い止める組織とかが密かにあったら書けるんじゃない?」と思いついて、こちらの編集者に相談したら、「やってみましょう」とおっしゃっていただけたので、この物語が誕生しました。

――資料が少ない中で、税関についてどのような取材をされたのでしょうか。

篠原:取材という取材はしてません。一度、担当編集者さんに付き合ってもらって、一般開放されている横浜税関の食堂へ行ったくらいですかね。でも、その時に、改めて横浜税関の資料展示室を見て回って、麻薬の見つけ方とかで遊びました。面白かったです。
 あとは、ひたすら税関のネットをさらいました。
 そして、税関チャンネルがとても役に立ちました。

――今回、舞台を横浜にされたのはどうしてですか?

篠原:ずっと住んでいる街で、なんとなく近すぎて書けずにいたのですが、なにかが吹っ切れたのか、せっかくなので思いっきり大好きな横浜を書いてみたいと思いました。

――「大好きな横浜」とのことですが、作中に登場する舞台や、おすすめスポットについて教えてください。

篠原:今回は元町がよく出てきましたが、なんだかんだ山下公園がおススメですかね。
 5月には赤レンガ倉庫から山下公園あたりまでがお花でいっぱいになるので、必見です。
(その年にフェスタをやればの話なので、それは時々でチェックしてくださいね)
 あとは、大さん橋ですね。港の景色が見渡せます♪

――新人職員の千々石天使と、元監視部ホープで神社の跡取りの根住、オカルト好き化学分析官の紀和の男子3人が、横浜港に届いた棺の謎を解いていきます。さらに天使の先輩の森里に、横浜随一の物流会社「神野組」のお嬢様・萌と、女子キャラクターもにぎやかですが、お気に入りのキャラクターは誰ですか?

篠原:ひょ~、難しいですね。
 たいてい、お気に入りのキャラクターというか、描きやすいキャラクターっているんですけど、この物語に関しては、本当に平等に好きです。
 天使はもちろんのこと、根住も紀和も、森里も萌も。まだ決められません。長く書いていくうちに、あるいは、差が出てくるかもしれませんね。

――それでは、それぞれのキャラクターのどんなところが好きか、具体的にうかがえますでしょうか。

篠原:主人公の天使は、独白や台詞が面白いところです。彼の目線で出来事を追っていっても楽しいし、彼を観察する目で追っても楽しそう。
 根住は、やはりかっこよさでしょうか。いかにかっこよく書くかで楽しんでます。
 ただ、他の作品と違ってあくまでも日本人なので、夢のようなかっこよさではなく現実に即したかっこよさを追求しようと思っています♪
 化学分析官の紀和は、分析官としての生真面目さと、オカルト好きな危うさのギャップを楽しめたらと思っています。
 天使の上官にあたる森里は、女性でありながら、たぶん物語の中で一番男気があって且つ現実に生きていますが、今後、天使との付き合いの中で、現実が揺らぐ危うさをどう受け止めていくかを描くのが楽しみです♪
 そして、森里の後輩の萌は、今後、お騒がせキャラとしてがんばってほしいです。
 以上、好きなところというよりは、どう楽しんで書いているかになりましたが、それぞれが愛されるキャラクターに成長してくれるようがんばります♪

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

篠原:横浜を舞台にした、軽快でちょっとおどろおどろしい(?)、オカルトミステリーができあがりました。税関ってこんなところなのね~などと誤解のないように(笑)楽しんでいただけたらと思います。


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