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角川文庫キャラホラ通信

【キャラホラ通信6月号】『彩雲国物語 四、想いは遙かなる茶都へ』刊行記念 雪乃紗衣インタビュー

角川文庫キャラホラ通信

困窮した名家のお嬢様・紅秀麗(こうしゅうれい)が高額報酬にひかれてはじめた仕事はダメ国王の教育係!? 雪乃紗衣さんのデビュー15周年を記念して、角川ビーンズ文庫の伝説的シリーズが新装版で角川文庫に登場です。新装版に対しての想いや刊行当時のエピソードなど、雪乃さんにうかがいました。

――待望の第4巻の発売ですね。

雪乃:待望……と思ってもらえていたら、嬉しいですが。ちょうど私にとって節目の15年ということで、角川文庫での新装版の刊行となりました。10年以上たっていますから、むしろ新顔みたいな顔をして、他の本の中にコソッと混じって、「おや、こんな本が」と思ってもらえたら、いいな、と。……今、この通信で新顔でないのがばれましたけども(笑)。

――15 周年記念として既刊第1~3巻も新装版になりました。新しい絵の印象はいかがですか。

雪乃:新装版でいちばんの目玉です。新しい絵にすることが決まり、弥生しろさんにお願いしました。弥生先生なりの彩雲国の登場人物を描いてくださいと。既存の絵があり、難しいお願いだったにもかかわらず、弥生先生は見事に仕上げてくださいました。本当に感謝しています。由羅カイリ先生の絵も、弥生しろ先生の絵も、どちらも「ああ、彼らだ」と感じることと思います。新装版では、どうぞ色鮮やかな弥生先生の絵を堪能してください。ついでに「本の内容と関係なしにキャラクターのいちばんいい絵を描いてくだされ」とお願いしたのは私。なので文庫の内容と表紙が関係ない気がしたら、原因は作者です。

――ヒロインの紅秀麗は紫劉輝(しりゅうき)の貴妃として入内しますが、その後官吏として活躍していきます。この展開は当初から考えておられたのでしょうか。

雪乃:いえ、最初は恋愛ものを考えていました。けれど、どうにもしっくりこない。それに、秀麗は「後宮でずっとお姫様でいる」のは、「違う」と、当時の私は理由もわからず、それだけは感じていました。秀麗は「働いて、金を稼ぎ、まっとうに自立・自活する」が第一。それこそが秀麗、だったからでしょうね。なので、「王様(金持ち)だから」劉輝に惚れるわけもなかったナア……と、これも今だから思う……。1巻の最後「文に李紅あり」を書いた時の、不思議な、腑に落ちた気持ちは覚えています。秀麗ならきっとここへたどりつく、と。ただ、当時2巻を書くことは考えてなかったので、シリーズ化が決まった時は参ったなと思いました。「秀麗が朝廷の中で官吏として生きる様を、本当に書かないとならなくなった」と。彼女がどんな風に成長し、人と関わり、官吏として道を歩いていくのか、ラストまで手探りで考え続けました。作者の都合でなく、「物語のために」書くということを、初めて私に容赦なくつきつけてきた主役たちでした。

――第4巻の読みどころを教えてください。

雪乃:秀麗は都から離れ、僻地の茶州に官吏として赴任します。が、すんなりいくわけもなく、任地へ向かう道中で妨害に遭います。茶州では、王都の面々とはまた違う、一風変わった登場人物が次々にでてきます。茈静蘭(しせいらん)浪燕青(ろうえんせい)のエピソードも、茶州編ならでは。二人が初めて会ったのは遠い昔、茶州でのこと。その過去も、少しだけ垣間見えます。

――お気に入りのキャラクターは誰ですか。理由も教えてください。

雪乃:これは、担当さんに聞きたいですね。私のかわりに、ぜひ答えてくださいませんか。

担当:ということで呼ばれて出てまいりました。担当の(さ)です。私のお気に入りは浪燕青、彼に尽きます。おちゃらけたお笑いキャラにもかかわらず戦闘力はほぼ最強、性格も大雑把に見えて、実は繊細に人の心を読んで動くという漢の中の漢です。誰よりも優しいけど誰よりも厳しく、そしてその厳しさは自分自身に対しても、(たぶん)好いている秀麗に対しても変わらないところ、格好良いと思います。

――シリーズ刊行の今後の展開を教えてください。

雪乃:5巻が7月に発売されます。それで、茶州編が一段落。そこから先の刊行は未定ですが、なにか決まりましたら、お知らせできるといいですね。

――最後に、読者に一言メッセージをお願いします。

雪乃:「おや、こんな本が」と思ったら、ぱらぱらとめくってみてください。おそらく、麗しい表紙からイメージする登場人物とは、「どうもなにか違う」人々がうろうろしているかと思います。好きになってもらえたら、嬉しいです。また4、5巻とも、若干の文の手直しをしましたが、おおかたは15年前の自分の文のままであることも、申し添えておきます。


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