【カドブンレビュー10月号】
お酒を飲み狂いながら、本を読み狂いたい。
そんな気持ちではじめた“森の図書室”ですが、実際はじめてみると仕事に追われ狂い、本を読むどころか寝る時間までなくなりました。
たまに本を読む時間ができても、仕事で困っていることをなんとかするためにビジネス書を読むことがほとんど。
KADOKAWAさんからレビュアーのお仕事をいただいた時に最初に思ったのは、
「一ヶ月に一冊でも楽しく本が読める!\(^o^)/ヤッター」ということでした。
しかし、なぜか今、森はビジネス書のレビューを書いています。
というのも、いまや本を読めないどころか "森の図書室" にすらおらず、東京は渋谷を遠く離れ、長崎県は壱岐島で島おこしの仕事をしている僕に役立つ部分があるのではないか……とこの本に期待したからです。
島田慎二さんという方が、大赤字体質だったプロバスケットボールチーム "千葉ジェッツ" の業績をV字回復させ、観客動員数日本一を誇るチームにするまでを書いた本です。
僕も壱岐島の産業をV字回復させ、観光客を呼んできたくてたまらないので読んでみました。
ザッとした流れはこんな感じです。
島田慎二さんが恩ある人間に頼まれて、千葉ジェッツという大赤字チームのコンサルタントになる。
【課題1】
株主が多すぎてガバナンスに問題があった。
↓
散らばっている株を買い集め、筆頭株主を自分サイドにする。
このタイミングで雇われ社長になる。
【課題2】
財政難
↓
株主からの寄付、スポンサーからの前倒し入金をしてもらえるよう営業し、社長就任1年目で黒字決算をつくる。
黒字決算書を持ってスポンサー営業。
【課題3】
バスケに対する熱い思いが先行して夢を語る人間ばかりで、ビジネスになっていなかった。
↓
・「やりたいことではなく、やるべきことをやる」を徹底。
・小さなことから成功体験を積ませ、「やればできる」マインドを醸成する。
・行動指針、人事評価の軸となる理念をつくる。
【集客の前に】
試合に行ったら面白いという状態をつくる。
↓
勝つための選手補強。
【集客のための取り組み】
巻き込む人間を増やす。
↓
・『打倒トヨタ!』のスローガンで夢に相乗りしてくれるファンを増やす。
・小学生の選抜チームの前座試合を入れるなど、子どもと接する機会を増やし親の集客を狙う。
【浮動客を固定客へ】
2000円のチケットでプライスレスな経験を。
↓
・体育館の中は、ディズニーランドのような心配り。
・会場の雰囲気、グルメの充実、グッズ販売で、試合だけじゃない価値をつくる。
僕もみそっかすながら経営者なのでわかっているつもりですが、上記のことは本ッッッ当に “言うは易し、行うは難し” で、それを実行し、成功させてきた島田さんに脱帽です。
島田さんが行った仕事のフレームに自分の仕事であてはめられる部分も見つけられたし、
"バスケットボール" という日本で2番目に競技者登録人数の多い(63万人)スポーツそのものを変えていく過程を読むことができて勇気をもらった一冊でした。
そんなこんなで、森は壱岐島でバスケをはじめました!\(^o^)/