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『一番の恋人』


  • 『君の顔では泣けない』の著者が描く、恋愛を超える愛の物語

    一番の恋人

    • 著者 君嶋彼方
    • 発売日 2024年5月31日
    • 定価 1760円(本体1600円 + 税)

    道沢一番という名前は、「何事にも一番になれるように」という父の願いで付けられた。
    重荷に感じたこともあったが、父には感謝している。「男らしく生きろ」という父の期待に応えることで一番の人生はうまくいってきたからだ。
    しかし二年の交際を経て恋人の千凪にプロポーズしたところ、彼女の返事は「好きだけど、愛したことは一度もない」だった――。
    千凪はアロマンティック・アセクシャル(他人に恋愛感情も性的欲求も抱くことがない性質)で、長年、恋愛ができないが故に「普通」の人生を送れないことに悩み、もがいていたのだった。
    千凪への思いを捨てられない一番と、普通になりたい千凪。恋愛感情では結ばれない二人にとっての愛の形とは。

    道沢一番という名前は、「何事にも一番になれるように」という父の願いで付けられた。
    重荷に感じたこともあったが、父には感謝している。「男らしく生きろ」という父の期待に応えることで一番の人生はうまくいってきたからだ。
    しかし二年の交際を経て恋人の千凪にプロポーズしたところ、彼女の返事は「好きだけど、愛したことは一度もない」だった――。
    千凪はアロマンティック・アセクシャル(他人に恋愛感情も性的欲求も抱くことがない性質)で、長年、恋愛ができないが故に「普通」の人生を送れないことに悩み、もがいていたのだった。
    千凪への思いを捨てられない一番と、普通になりたい千凪。恋愛感情では結ばれない二人にとっての愛の形とは。



著者コメント

今まで自分も誰も知らない世界の話を書いてきました。
今回は、自分は知らない世界だけれど、誰かの世界の話です。
手探りで頭を悩ませながら、どうにか書き上げることができました。
誰かの心に届いてもらえると嬉しいです。



『夜がうたた寝してる間に』


  • 能力が「ありすぎる」若者たちの孤独と苦悩を描く、小説野性時代新人賞受賞第一作。

    夜がうたた寝してる間に

    • 著者 君嶋彼方
    • 発売日 2022年08月26日
    • 定価 1650円(本体1500円 + 税)

    高校二年の冴木旭には、時間を止めるという特殊能力がある。だが旭にとって一番大事なのは、普通の場所で、普通の人と同じように生きていくことだ。異質な存在に向けられる無遠慮な視線や偏見に耐え、必死で笑顔をつくっていた旭だったが、大量の机が教室の窓から投げ捨てられるという怪事件が起こり、能力者が犯人ではないかと疑われる。旭は真犯人を見つけて疑いを晴らそうとするも、悩みをわかり合えると思っていた能力者仲間の篠宮と我妻にも距離を置かれてしまう。焦りを覚えていたところに、また新たな事件が起きて……。

    高校二年の冴木旭には、時間を止めるという特殊能力がある。だが旭にとって一番大事なのは、普通の場所で、普通の人と同じように生きていくことだ。異質な存在に向けられる無遠慮な視線や偏見に耐え、必死で笑顔をつくっていた旭だったが、大量の机が教室の窓から投げ捨てられるという怪事件が起こり、能力者が犯人ではないかと疑われる。旭は真犯人を見つけて疑いを晴らそうとするも、悩みをわかり合えると思っていた能力者仲間の篠宮と我妻にも距離を置かれてしまう。焦りを覚えていたところに、また新たな事件が起きて……。




【書評】評者:ニシダ(ラランド)


【対談】君嶋彼方×浅倉秋成 奇跡の共通点対談!


『君の顔では泣けない』


  • これぞ入れ替わりの真骨頂!圧倒的リアリティを激賞された受賞作、文庫化!

    君の顔では泣けない

    • 著者 君嶋彼方
    • 発売日 2024年6月13日
    • 定価 858円(本体780円 + 税)

    高校1年生の坂平陸は、ある日突然クラスメイトの水村まなみと体が入れ替わってしまう。どうやら一緒にプールに落ちたことがきっかけのようだ。突然のことに驚き、戸惑いながらも入れ替わったことはお互いだけの秘密にしようと決めた2人。しかし意外やそつなく坂平陸として立ち振る舞うまなみに対し、陸はうまく水村まなみとして振る舞えず、落ち込む日々が続く。まなみの家族との距離感、今まで話したこともなかったまなみの友達との会話、部活の顧問からのセクハラ……15年間、男子として生きてきた自分が、他人の人生を背負い女性として生きること。いつか元に戻れる日を諦めきれないまま、それでも陸は高校を卒業し上京、そして結婚、出産と、水村まなみとしての人生を歩んでいくことになる――入れ替わった後の15年を圧倒的なリアリティで描く、第12回小説野性時代新人賞受賞作!!

    高校1年生の坂平陸は、ある日突然クラスメイトの水村まなみと体が入れ替わってしまう。どうやら一緒にプールに落ちたことがきっかけのようだ。突然のことに驚き、戸惑いながらも入れ替わったことはお互いだけの秘密にしようと決めた2人。しかし意外やそつなく坂平陸として立ち振る舞うまなみに対し、陸はうまく水村まなみとして振る舞えず、落ち込む日々が続く。まなみの家族との距離感、今まで話したこともなかったまなみの友達との会話、部活の顧問からのセクハラ……15年間、男子として生きてきた自分が、他人の人生を背負い女性として生きること。いつか元に戻れる日を諦めきれないまま、それでも陸は高校を卒業し上京、そして結婚、出産と、水村まなみとしての人生を歩んでいくことになる――入れ替わった後の15年を圧倒的なリアリティで描く、第12回小説野性時代新人賞受賞作!!





『君の顔では泣けない』小説野性時代新人賞選評より

読み終わった瞬間、今回はこの作品を受賞作として推すために選考会に臨もう、と強く心に決めました。(中略)リアリティのある「他者との入れ替わり」の物語でありながら、細部に宿る描写のひとつひとつの奥に、たとえ体が入れ替わらなくても、私たちが普段少しずつ感じている「自分という存在」への違和感や生きにくさに通じる感覚があり、「入れ替わり」はそれを可視化する装置に過ぎないのだと感じました。その点がとても現代的かつ普遍的。作品全体に通底しているのは、たとえ、元は自分の人生であったとしても、それさえ、「他者の人生を尊重する」という主人公たちの、ひいては著者の誠実な願いではないかと思います。作中のような運命でなくとも、選べない運命や人生と格闘する、そんな私たち読者に対するエールのようにも読め、この作品を世に送り出せることが心から嬉しいです。
── 辻村深月氏
現代のジェンダー議論を余すところなく受け取り、あるいは抵触するところを上手に切り分け、かつ全てを登場人物の個性や、個人的な人生の選択としてとらえなおしたところに、高い筆力だけでなく書き手の精神的成熟、また現代に適した眼差しを感じさせられる。
── 冲方丁氏
自分の身体を受け容れていくむずかしさや、家族同士のコミュニケーションのむずかしさ、実存的な不安など、我々が生きていくにあたってぶつかるさまざまな問題を、新鮮なかたちで浮き彫りにしている。
── 森見登美彦氏


辻村深月×君嶋彼方 デビュー記念対談


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著者プロフィール


君嶋彼方(きみじま かなた)

1989年生まれ。東京都出身。「水平線は回転する」で2021年、第12回小説 野性時代 新人賞を受賞。同作を改題した『君の顔では泣けない』でデビュー。


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