

『夜がうたた寝してる間に』
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『君の顔では泣けない』著者待望の新刊! 小説野性時代新人賞受賞第一作。
夜がうたた寝してる間に
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著者 君嶋彼方
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発売日 2022年8月26日
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定価 1650円(本体1500円 + 税)
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新着情報
著者コメント
どんな力があっても、才能があっても、抱える苦しみや悩みはきっとそれほど変わらない。
様々な苦悩を抱く人々が織りなすこの物語の中に、「自分」を見つけていただけたら幸いです。
書店員推薦コメント
超能力!この特殊な設定をさらりと自然な様子で描き、マイノリティの苦悩、親や友だちへの思い、将来への不安がリアルにじわじわと伝わってくる。
他者と分かり合うことの難しさ。自分に向き合う姿がとても清々しくて悩む姿に青春を感じました。
他者と分かり合うことの難しさ。自分に向き合う姿がとても清々しくて悩む姿に青春を感じました。
── 水嶋書房くずはモール店 井上恵様
冒頭の止まっている夜の描写からグイグイと引き込まれてしまった、この苦しく切なくきれいな物語に。
無理して周りに合わせようとしたり、孤独感に苛まれたり、誰しも一度は経験したことがあるであろう感情が丁寧に描かれていて胸が苦しくなるほどだった。
疾走感と光の射す方へ向かうようなやさしい余韻の残るラストが素晴らしかった。
無理して周りに合わせようとしたり、孤独感に苛まれたり、誰しも一度は経験したことがあるであろう感情が丁寧に描かれていて胸が苦しくなるほどだった。
疾走感と光の射す方へ向かうようなやさしい余韻の残るラストが素晴らしかった。
── 六本松蔦屋書店 峯多美子様
特殊能力者の高校生が主人公の青春小説の中に、過去・現在と悩み苦しみもがいてきた特殊能力なんかもたない数多の少年少女の姿が、そして自分自身の姿が見えました。
このまま夜が明けなければいいのに、と朝を迎えることが憂鬱だったあの日の自分に、この本を渡せたらどんなにいいだろうかと思います。
孤独な痛みを否定することなくずっと隣にいてくれる物語に脳がいっぱいになりました。
読み終えてから数日経ちますが、その後の彼ら彼女らに思いを馳せずにはいられません。前作も大好きですが今作も大・大・大好きです!!
このまま夜が明けなければいいのに、と朝を迎えることが憂鬱だったあの日の自分に、この本を渡せたらどんなにいいだろうかと思います。
孤独な痛みを否定することなくずっと隣にいてくれる物語に脳がいっぱいになりました。
読み終えてから数日経ちますが、その後の彼ら彼女らに思いを馳せずにはいられません。前作も大好きですが今作も大・大・大好きです!!
── 紀伊國屋書店鶴見大学ブックセンター 伊勢川詩織様
学校って緊張の連続。
傷つきながら笑顔でやり過ごすことだって誰にだってある。
叩きつけられるような言葉に胸がヒリヒリした。
持つ者が悩み苦しむように、持たない者もそれぞれの想いがある。
人と関わるには傷は伴うもの。
足掻け、そして泥臭くあれ、若者よ!
清々しいラストに胸が鳴った――!
傷つきながら笑顔でやり過ごすことだって誰にだってある。
叩きつけられるような言葉に胸がヒリヒリした。
持つ者が悩み苦しむように、持たない者もそれぞれの想いがある。
人と関わるには傷は伴うもの。
足掻け、そして泥臭くあれ、若者よ!
清々しいラストに胸が鳴った――!
── 未来屋書店大日店 石坂華月様
『君の顔では泣けない』
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圧倒的リアリティで「入れ替わり」を描く小説野性時代新人賞受賞作!
君の顔では泣けない
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著者 君嶋彼方
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発売日 2021年9月24日
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定価 1760円(本体1600円 + 税)
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『君の顔では泣けない』小説野性時代新人賞選評より
読み終わった瞬間、今回はこの作品を受賞作として推すために選考会に臨もう、と強く心に決めました。(中略)リアリティのある「他者との入れ替わり」の物語でありながら、細部に宿る描写のひとつひとつの奥に、たとえ体が入れ替わらなくても、私たちが普段少しずつ感じている「自分という存在」への違和感や生きにくさに通じる感覚があり、「入れ替わり」はそれを可視化する装置に過ぎないのだと感じました。その点がとても現代的かつ普遍的。作品全体に通底しているのは、たとえ、元は自分の人生であったとしても、それさえ、「他者の人生を尊重する」という主人公たちの、ひいては著者の誠実な願いではないかと思います。作中のような運命でなくとも、選べない運命や人生と格闘する、そんな私たち読者に対するエールのようにも読め、この作品を世に送り出せることが心から嬉しいです。
── 辻村深月氏
現代のジェンダー議論を余すところなく受け取り、あるいは抵触するところを上手に切り分け、かつ全てを登場人物の個性や、個人的な人生の選択としてとらえなおしたところに、高い筆力だけでなく書き手の精神的成熟、また現代に適した眼差しを感じさせられる。
── 冲方丁氏
自分の身体を受け容れていくむずかしさや、家族同士のコミュニケーションのむずかしさ、実存的な不安など、我々が生きていくにあたってぶつかるさまざまな問題を、新鮮なかたちで浮き彫りにしている。
── 森見登美彦氏
著者プロフィール

君嶋彼方(きみじま かなた)
1989年生まれ。東京都出身。「水平線は回転する」で2021年、第12回小説 野性時代 新人賞を受賞。同作を改題した『君の顔では泣けない』でデビュー。
自分と異なる未知なものへの嫌悪、分からなさゆえの軽蔑、そして関わる人が多くなるほど傷つくことは増える一方で。
なにもない人間なんていないはずなのに、誰かと比べ、自分の愚かさに勝手に傷つき、他人を遠ざける。
それなのに、一人ぼっちは孤独で寂しい。誰かに必要とされたいし、できることなら誰かと共に歩みたい。
それぞれがそれぞれに得意をもち、そして不得意を補い合う。求められること、信じてもらうこと、認めてもらうこと、ともに笑いあうこと、とてもシンプルだけど、きっとそれだけでこの先も生きていたいと思える。これは生きづらい今を生きる、私たちの物語だ。
すごく、すごく、面白かったです!!!!!