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木村拓哉、綾瀬はるか、伊藤英明、中谷美紀らが語る「まだ見ぬ世界」。映画『レジェンド&バタフライ』公開初日舞台挨拶レポート

下段、左から伊藤英明、木村拓哉、綾瀬はるか、中谷美紀。上段、左から大友啓史監督、宮沢氷魚、市川染五郎。


初登場1位! 東映70周年記念の大作映画が満を持して公開

 1月27日(金)、丸の内TOEIにて、映画『レジェンド&バタフライ』公開初日舞台挨拶が行われた。
本作は、映画、ドラマ、舞台、小説などで、幾度となく描かれてきた武将、織田信長の壮絶な人生を、これまでとは異なる新たな視点で描く大作映画だ。

 主演の織田信長役には木村拓哉を迎え、監督は『るろうに剣心』シリーズの大友啓史、脚本は現在NHK大河ドラマ『どうする家康』を手掛ける古沢良太と、最強の布陣で臨む。全国映画動員ランキングトップ10(1月27日~29日の3日間集計、興行通信社調べ)では初登場1位に輝いた。

 公開初日の舞台挨拶では、キャスト、監督が揃い、感無量の面持ちで作品への思いの丈を語った。

取材・文:河内文博(アンチェイン)


「天下布武」の文字は、書道家・武田双雲が木村拓哉を思い描いて書いたもの。勇ましくもしなやかな筆の線。

スタッフ、キャストの溢れ出る作品愛!

「天下布武」。織田信長が用いたその言葉が掲げられた舞台に万雷の拍手を浴びて登壇したのは、木村拓哉、綾瀬はるか、伊藤英明、中谷美紀、宮沢氷魚、市川染五郎、大友啓史監督の、『レジェンド&バタフライ』を作り上げたキャストとスタッフだった。

「今日をもって『レジェンド&バタフライ』が公開することになりました。皆さん一人ひとりの懐にこの作品を抱き締めていただければと思います」と厳かに語ったのは、織田信長役の木村。信長の妻・濃姫を演じた綾瀬も「この日を迎えることができて嬉しさと寂しさが相まっています」と溢れ出る役への愛情を感じさせた。

 続いて、濃姫の侍従・福富平太郎貞家役の伊藤英明、同じく侍女の各務野役の中谷美紀、本能寺の変で謀反を起こし、信長を討つ明智光秀役の宮沢氷魚、信長の小姓・森蘭丸役の市川染五郎も、初日を迎えた想いをコメント。

 本作の指揮を執った大友監督も、「自分たちが精魂込めて作った作品です。長く愛される作品になれば」と緊張感の中にも、みなぎる喜びを感じているようだった。


濃姫、信長が長槍を持って舞う「敦盛」。そのシーンを印象的な場面に挙げた綾瀬の瞳に、本作への自信が満ちる。

涙をこらえる伊藤英明を木村拓哉がフォロー

 早速、司会から印象に残ったシーンを聞かれたのは木村。彼が挙げたのは信長と濃姫の婚礼の儀のシーンだった。

 「僕らは史実の隙間を埋めるようにこの作品を作りました。普通、婚礼の儀、ましてや政略結婚となれば、毒味もあるわけです。けれど、毒味もなく、目の前の盃を一気に飲み干す濃姫の決意、表情に触発されました」と、信長として目の前の濃姫=綾瀬はるかの芝居から大きなインスピレーションを得たことを告白。
 
 綾瀬は、「戦に向かう殿(信長)を励ますシーン、そして『敦盛』を舞うシーンが印象に残っています。どちらも同じ日の撮影でしたのでハードではありましたけど、それだけにすごく大事なシーンになりました」と応じ、戦国を生きる武将の妻として、信長を支える濃姫の勇ましさ、歯がゆさが色濃く伝わる場面を挙げた。


伊藤は自らの出身地、岐阜の武将・信長を、尊敬する木村が演じるとあって並々ならぬ気持ちで撮影に臨んだとか。

 また、伊藤の本作への想いはひとしお。シーンを選びきれない様子で、「信長公と姫、2つの人生観のぶつかり合いを感じるシーンすべてが胸に残っています」と溢れる思いに言葉に詰まらせる伊藤を木村が「わかった、大丈夫!」とフォローする一幕もあった。


木村主演のドラマ『織田信長~天下を取ったバカ~』(98年)で、濃姫を演じた中谷。今回は濃姫を見守る役どころ。

 中谷がピックアップしたのは、京都にやってきた信長と濃姫を描いたシークエンス。「反目しあっていた二人が、市場をデートし、キスするシーンには、一人の女性としてドキドキしました」と二人を温かく見つめ、寄り添った各務野役の中谷らしいコメント。


宮沢は、自身演じる明智が浅井長政の頭蓋骨を手に、酒宴に興じる信長の前に狂気の表情で現れるシーンをセレクト。


染五郎も「切なくて印象に残っています」と蘭丸役として信長と奮戦する本能寺の変の場面を選んでいた。

 さらに宮沢、市川もお気に入りのシーンを選んだあとは、大友監督がコメント。病で身体の弱った濃姫を信長がおんぶで背負い、自らが建てた安土城の天守閣に登っていくシーンで、「木村さんの撮影の最終日だったことも相まって、グッときました」と伝えると、映画を観終えたばかりの観客も深く頷くばかりだった。


大友監督は「60年代の東映太秦撮影所に行ってみたいです」と、映画監督ならではの夢を話した。

木村拓哉「そっと劇場に行ってみたいです」

「まだ見ぬ世界」に想いを馳せる劇中の信長、濃姫。その二人にちなんで、司会からキャスト、監督に問われたのは「自分が行ってみたい、まだ見ぬ世界」。

 木村は「作品をご覧いただいいた中でどんな感情がお客さんに芽生えるのか、そっと劇場に客席に行ってみたいです」と語り、未来の映画館の客席に想いを馳せる。

 続く綾瀬は「恐竜のいる時代に行ってみたいです。怪我しないように硬いカプセルの中に入って…」と話すと、木村から「それって、あの映画でしょ?」とツッコミ。『ジュラシック・パーク』シリーズを想像していた自らに思わずハッとした綾瀬。いつもの天然ぶりに会場を束の間、ほっこりさせた。

 監督は本作が東映70年周年記念映画ということもあってか、「60年代の東映太秦撮影所に行ってみたいです」と、時代劇スターを多数擁し、良質な時代劇映画を量産していた撮影所を覗きたいと映画監督ならではの夢を話した。


劇中でも、息のあった会話劇やアクションで、信長と濃姫の心の繋がりを表現した木村と綾瀬。

 最後は、綾瀬、木村の順番で客席にメッセージを。

 綾瀬は「細部まで全力で届けられている映画です。皆さんの心に届けられたらいいなと思います」と映画の濃姫同様堂々としていながら、綾瀬らしい柔らかい笑みで気持ちを届けた。

 木村は「先日お邪魔した京都での舞台挨拶の際、(本作の撮影が行われた)太秦撮影所のスタッフが駆けつけてくれて。そのときに美術スタッフから渡されたものがあるんです。それが風呂敷に包まれた3つ足の蛙の香炉でした。そして、言われたのが、『また京都に帰ってきてほしいので…』という言葉でした」と感極まった表情。この香炉は、本作に登場する信長と濃姫の絆を象徴する大事なアイテムの一つ。「そういうスタッフの皆さん、キャストの皆さんと培った時間が役として、自分のみならず、各々のキャラクターを作ったと思います。ぜひ、多くの方にこの映画を観ていただいて、映画の中の史実を、皆さんの目で『真実』にしていただければと思います」と一言ずつゆっくりと語り、胸を打つ、木村の言葉で舞台挨拶を締めくくった。

「大うつけ者」と称されながらも、濃姫と出会い、自らの道を悟って、「魔王」を名乗り、戦国の世を駆け抜けた信長。それを時に勇猛に、時に優しく、諌め、励まし、信長の人生に寄り添い続けた濃姫。二人が辿る切なくも儚い人生をぜひ、映画館で見届けてほしい。

 そして、歴史小説に不慣れでも読みやすいノベライズ小説も刊行中。あの時、あのシーンの信長、濃姫の想い。そして、描かれている時代背景や、ディテールが精緻に描かれている本書は、映画を観たあと、二人の物語をもう一度体感するのにぴったりな一冊だ。

映画公開情報


映画『レジェンド&バタフライ』
監督:大友啓史
脚本:古沢良太
出演:木村拓哉 綾瀬はるか 宮沢氷魚 市川染五郎 音尾琢真 斎藤 工 北大路欣也 伊藤英明 中谷美紀
配給:東映

全国公開中
http://legend-butterfly.com/
(C)2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会

ノベライズ情報



『THE LEGEND & BUTTERFLY』
ノベライズ:矢野 隆
映画脚本:古沢良太
定価: 726円(本体660円+税)

政略結婚で出会った信長と濃姫。やがて、激しくなる戦の世を迎えて、魔王と呼ばれながらもひとりの人間として悩みもがく信長と、彼の隣に立ち続ける濃姫は、いかにして激動の時代を生きたのか。その姿を克明に描く映画の小説版。劇中のディテールや、映画の名場面での互いの気持ちをより理解できるノベライズは、歴史小説に不慣れでも読みやすい一冊に。ぜひ映画を見たあとは、二人の愛情の行方をもう一度体感してほしい。
書誌ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/322208000280/

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