出版社就職を目指す大学生に向けた「小説・コミック編集者講座」を運営するKADOKAWAの現役編集者が、出版社就活のポイントを全4回に分けてご紹介!
最終回となる第4回は最後にして最大の難関、面接対策について説明します。
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第3回 ES・作文対策 ESで書くべきことは何か
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【第4回】面接対策 面接官の質問の意図とは
ESと面接の違いは「コミュニケーション」
ES、筆記試験(作文試験)を通過した先に待っているのが面接です。採用選考の最後の壁ということで身構えてしまうかもしれませんが、基本的に面接の対策法はESと同じです。どちらも相手の質問に対して、自分自身をアピールできる回答をしていくのが鉄則であることに変わりありません。
しかし、面接では質問に答えるだけで終わりではないのです。ESと面接の違い、それは「コミュニケーション」が発生するかどうかにあります。あなたの回答に対し、面接官から新たな質問があるかもしれません。面接では相手の質問の意図を瞬時に把握し、その場その場で最適な回答を選んでいくことが求められるのです。
まずは面接段階ごとの採用側の意図を知ろう
面接選考は1回で終わることはなく、一次面接~二次面接~三次・最終面接と複数回の面接があることがほとんどです。まずは面接段階ごとの採用側の見ているポイントをお伝えすることから始めたいと思います。以下の例はKADOKAWAなどの大手出版社の場合です。出版社によって面接の回数や内容が異なりますのでそこはご了承ください。
① 一次面接
面接官は若手~中堅社員が務めることが多いです。ここでの評価ポイントは主にあなたが「一緒に働きたい仲間」であるかどうかという点です。そのため質問にはきはきと自分の言葉で答えられるかなど、人柄部分を重点的に見られることになります。一次面接では全員に同じ質問をする場合が多く、相対的な評価で優劣をつけられることになります。
② 二次面接
面接官は主に編集長などの管理職クラスの社員が務めます。ここではあなたが「部下に欲しい人材」かどうかを見極められます。そのためあなたの志望分野についてどれだけ専門知識を持っているかなど、一次面接よりジャンルに特化した質問が多くなってきます。
③ 三次面接
面接官は役員など会社の幹部クラスが務めます。ここでは主にあなたが「将来的に会社・業界を背負う人材」になれるかどうかが評価されます。二次面接までの評価ポイントをもとにより深く、より詳しく掘り下げるための質問がとんできます。ここではあなたの将来性、伸びしろをアピールできるとよいでしょう。
④ 最終面接
面接官は社長など会社のトップが務めます。最終面接は入社の最終意思確認の儀礼的な場となる会社もあれば、ここでもきちんと選考を行う会社もあります。なんにせよここまで来られればあなたがその会社にとってほしい人材であることは間違いないので、自信を持って最後のアピールを行いましょう。あとは会社とのご縁があることを祈るのみです。
企業の採用テーマやあなたのESから質問内容を想定しよう
ここからは面接の基本的な流れを例に面接ではどういった質問が想定されるのか説明していきます。
① 自己紹介&志望動機
まずは当然この質問から。ここでは、「自己紹介=何をしてきたか」、「志望動機=何をしたいのか」を簡潔に語ることが求められます。ESに書いてきた内容を膨らませてあなたの人となりを面接官に印象付けられれば第一関門はクリアです。自己紹介はどの会社の面接でも最初に聞かれる質問なので事前に語る内容は準備しておきましょう。ここでしどろもどろになってしまうと第一印象が悪いまま面接がスタートしてしまいます。
② きっかけ質問
企業の採用選考にはテーマがあります。各企業の採用ページを見ると、その企業がどんな人材を求めているかがわかると思います。そのため面接選考でも採用テーマに従った質問を最初の共通質問とすることが多いです。例えば「これまでの人生で最も熱中したことは?」、「あなたが最も達成感を味わったことは?」などでしょうか。これらの質問は「感情を揺さぶられるような経験をしたときに、あなたがどのようなアクションを起こすのか」というあなたの問題解決能力や突破力を見るためのものです。
③ 深堀り質問
最初に述べた通り面接は相手との「コミュニケーション」です。面接官の質問に答えるだけで終わりではなく、あなたの回答をもとに「具体的には?」、「結果どうなったの?」、「学んだことは?」といった深堀り質問がされていきます。最低でもESに書いたことや自己紹介、志望動機の内容などについて、どんな質問が来るか想定して様々な切り口から語れるように事前に備えておきましょう。
④ 逆質問
面接の最後に逆質問の機会を与えられることがあります。ここでどんな質問をするかによってあなたの最終的な印象が決まります。例えば「新人は配属どれくらいで企画を出せるのか」など、あなたが具体的に働く姿をイメージするための質問ができると相手に熱意を伝えることができます。逆に初任給や福利厚生など事前に企業研究をすればわかるようなことを聞くのはあまり効果的ではありません。逆質問も相手とのコミュニケーションに変わらないことを忘れずに。
小説・コミック編集者講座(第4期)について
「小説・コミック編集者講座」では出版社の面接での想定質問やその意図について具体例を挙げながら詳しく解説いたします。また面接対策に最も効果的な「場数」を踏んでもらうために模擬面接の機会を用意しております。面接官役を務めるのは実際に過去の採用選考で面接官を務めたこともあるベテラン社員です。もちろん模擬面接の後は丁寧なフィードバックもあります。
本気で出版社就職を目指している方、ぜひとも受講をご検討ください。
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