東京2020オリンピックのサッカー女子日本代表(なでしこジャパン)に選ばれ、エースナンバー「10番」を背負う岩渕真奈選手。14歳でトップリーグデビューし、16歳からなでしこジャパンに選ばれ続け、海外でもプレー。順風満帆なサッカー人生に見えますが、実はそんなことはないと言います。常に自分よりも身体の大きな選手との戦い、度重なるケガ、なでしこジャパンを背負う重責……苦しいことも多々あったサッカー人生を彼女はどう乗り越え、今に至るのか。本人曰く「今までの自分の全てが書いてあります」という初の著書『明るく 自分らしく』から、一部を特別に全文公開します。
『明るく 自分らしく』試し読み#1
はじめに
14歳でなでしこリーグにデビューしたわたしも、気がつけば28歳。これまでのサッカー人生を振り返ると、いろいろなことがありました。
男の子の中にひとり入って、地元のクラブでサッカーを始めたこと。中学生からメニーナ(日テレ・ベレーザの下部組織)に入って、すぐにベレーザに選ばれたこと。長くプレーしたベレーザからドイツに渡り、帰国してからINAC神戸レオネッサ、さらにはイングランドでプレーしたこと――。
FIFA U-17ワールドカップで初めて世界大会に出て、MVPをもらいました。このときから、わたしの人生は大きく変わりました。
2011年にドイツワールドカップで優勝し、2012年はロンドンオリンピックで準優勝。2015年のカナダワールドカップでも準優勝し、なでしこジャパン、女子サッカーが右肩上がりの成長曲線を描く時代を体験させてもらうことができま
した。
でも過去を振り返ると、なでしこジャパンの一員として「チームに貢献できた!」と胸を張って言えたことは、ほとんどありません。
度重なるケガで、満足なコンディションで世界大会に出たことはなく、監督が
なでしこジャパンに16歳から選ばれ続け、ドイツやイングランドでもプレーしました。経歴だけを見ると、順風
実は全然そんなことはなくて、楽しいこともありましたが、同じぐらい苦しいこともあったサッカー人生でした。
その中で胸を張って言えるのは、自分らしさを忘れずに、チャレンジを続けてきたことです。
メニーナ、ベレーザでプレーしたときは周りが大人ばかりで、ドイツ、イングランドでも、常に身体の大きな相手と戦ってきました。
何度ケガをしても、周りの助けを借りながらリハビリに励んで、オリンピックやワールドカップにチャレンジしてきました。
わたしがなでしこジャパンに選ばれるようになってから、出場権を獲得したオリンピック、ワールドカップにすべて出場していることは、自慢できることかなって思います。
そして2021年7月、東京2020オリンピックがあります。東京生まれ、東京育ちの自分にとっては特別な大会です。
サッカー人生の節目となるビッグイベントを前に、本という形で、わたし自身の人生を振り返る機会をいただきました。
この本には、これまでのインタビューでは決して話してこなかったことが、たくさん書いてあります。
ちょっぴり恥ずかしいですが、たくさんの人に読んでいただき、わたしのこと、女子サッカーのこと、なでしこジャパンのことを知ってもらえたらなって思います。
わたしが経験してきたことや考え方からなにかを感じて「よし、がんばろう!」と思ってくれたり、読んだ人の背中を「えいっ!」って押すことができたら、とってもうれしいです。
続く
『明るく 自分らしく』作品紹介
書名:明るく 自分らしく
著者名:岩渕真奈
定価:1,650円(本体1,500円+税)
サッカー女子日本代表、岩渕真奈の初著書!
わずか14歳でトップチームデビュー。
海を渡り、ドイツやイングランドでのプレー。
度重なるケガに悩まされたキャリア。
思い描く引退後の第二の人生……。
若くして“日本の顔”になった著者が
初めて語る「サッカー」と「生き方」。
人と比べず自分なりの生き方で豊かな人生を目指すヒントが満載。
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322005000794/
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