menu
menu

レビュー

【レビュアー:中江有里】日本各地に埋もれる「記憶」を封じる一族と「グンカ」たちの攻防を描く。『失われた地図』

 城下町は防犯のため、やたらと角が多く、道の先が見通せない作りになっている。逆に言えば、こういう特徴の道があるのは城下町であることが多い。こんな風に土地は言葉ではなく、形や別の何かで過去を物語る。
 本書は錦糸町、川崎、上野、大阪、呉、六本木を舞台に取り、それぞれに現れる過去の亡霊「グンカ」を封じ込めるために行動する一族―鮎観、彼女の元夫遼平を中心に描く。
 彼女たちの訪ねる場所についていくと、突然異空間に投げ出され、否応なくグンカと対面する。でもグンカっていったい何なのだろう、という疑問が頭に渦巻いていた。
 ふと思う。見えないものほど怖いものはない、と。普段は見えないグンカがだけど、実はそこかしこにいる……そんな想像をしてゾッとしてしまった
 日本各地の旧軍都に埋もれる負の記憶は時とともに忘れられていく。でも決して消えてはいない。このダークファンタジーは癖になりそうだ。

ご購入&試し読みはこちら▶恩田陸『失われた地図』| KADOKAWA


紹介した書籍

関連書籍

新着コンテンツ

もっとみる

NEWS

もっとみる

PICK UP

  • 1/29発売『ラスプーチンの庭』回収のお知らせ

MAGAZINES

小説 野性時代

最新号
2021年3月号

2月13日 発売

怪と幽

最新号
Vol.006

12月22日 発売

ランキング

書籍週間ランキング

1

六人の嘘つきな大学生

著者 浅倉秋成

2

悪の芽

著者 貫井徳郎

3

俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

著者 桜木紫乃

4

この本を盗む者は

著者 深緑野分

5

ラスプーチンの庭

著者 中山七里

6

テスカトリポカ

著者 佐藤究

2/28~3/7 紀伊國屋書店調べ

もっとみる

レビューランキング

TOP