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特集

担当編集者が語る、似鳥鶏『育休刑事』を読むべき3つの理由

ドラマ化も話題! 育児のリアルと本格ミステリが融合した『育休刑事』のおすすめポイントをご紹介

2023年4月より連続ドラマが放送中の『育休刑事』。育児休業中なのに行く先々で事件に遭遇してしまう、県警本部の秋月あきづき春風はると巡査部長。捜査一課で前例のない1年間の長期育休を取得することにしましたが、初めての育児には困難がたくさん! 育児経験者の共感の嵐を呼んだ新感覚ミステリを、担当編集の目線からおすすめします。

1、とにかく赤ちゃんがかわいい!

実際に育児を経験した似鳥さんが描く赤ちゃんは、実際にその声が聞こえてきそうなほどリアル! 「どーじょ」と物を渡してくるのにすぐに自分の手元に取り戻す、なぜかオムツを外した瞬間におしっこをする、気づけば、昨日まで届かなかったはずの棚に手が伸ばせる……しかも蓮くんは、第一話では生後三か月で首がすわりはじめたところでしたが、最新刊『育休刑事(諸事情により育休延長中)』では自分で歩けるまでにすくすく成長。春風と妻・沙樹、春風の姉の涼子3人の間では「事件解決のたびに成長している」という説もありますが、果たして……?

2、育児未経験でも、謎解きが楽しい。ミステリが苦手でも、読んでいるだけで楽しい!

似鳥さんの著作を読んだことがある人なら誰でもご存じの通り、似鳥さんの作品は長くお得に楽しめる! なぜなら、ぱっと見て難しい言葉や、ときには難しくない言葉にまで、似鳥さんの注釈が付いているからです。一部引用してみましょう。

ビーズコースター*
小説で書くには全く向いていない、説明のし難い知育玩具。要は「手で押せるジェットコースターのミニチュア」で、コースターのかわりに針金に通されたビーズを走らせて遊ぶ。実物を見ればあれだと分かるのだが、見ないと永遠に分からない。
(『育休刑事(諸事情により育休延長中)』p.127より)
お昼ごはんに納豆を食べさせたら地獄絵図になった*
*柔らかい上に栄養のある納豆は離乳食として優秀で、好きな赤ちゃんも多い。ちなみにこの時期の赤ちゃんは「手づかみ食べ」「遊び食べ」を通して好奇心を満たし、「自分で食べる」ことを学んでいく。結果はお察しの通りである。
(『育休刑事(諸事情により育休延長中)』p.12-13より)

担当編集は、この注釈を読むのが楽しみで似鳥さんの小説のファンになったほど。1ページあたりの文字数が増える訳ではないのに、似鳥さんが直接話しかけてくれているような気がして、なぜか倍楽しめるのです。
もちろんミステリのトリックも超一流。「警官に包囲された現場から犯人が消失」といった密室ものから、「唯一の容疑者がワンオペ育児をしていて犯行は不可能」といった赤ちゃんが登場するシリーズだからこその”不可能犯罪”まで、ミステリファンも唸らせる事件解決の筋道は実に鮮やか! 読まない手はありません。

3、家族も、好きな仕事も手放したくない。主人公の葛藤が切実に胸に迫る。

春風は蓮くんの手助け(?)もあって、育休中に次々と事件を解決していきます。でも、これって休業できていないのでは……? 春風本人もそのことに気づいていますし、妻の沙樹も当然心配しています。しかし、春風には“手柄”を立てなければならない事情があるのです。
直接の上司である課長は春風の育休取得に賛成し、そういう刑事がいてもいいじゃないかと応援してくれていますが、捜査一課の仕事はとてもハードなもの。重大事件が起きれば、何人もの捜査員が捜査本部に詰めて、昼も夜もなく事件解決にあたることも珍しくありません。そんな現場で「保育園の時間なので帰ります」と言う捜査官が歓迎されるのか——とても微妙な問題であることは想像に難くありません。でも、春風だって人並みに仕事に情熱を持っています。事件を解決し、市民の安全を守りたい。しかも、誰もがなれるわけではない捜査一課の刑事という職業に、できれば戻りたい。前例のないことを“上”に認めさせるために休業中に“手柄”を立てなければならない、ということ自体がおかしいと分かりつつ、春風はやるしかないと腹を括っているのです。
今の社会で、やりがいをもって取り組める仕事をしながら、家族や自分の時間を大切にすることは、実はとても難しいことではないでしょうか。どこかに妥協は必要なのかもしれない。それでも、できるだけのことをしようと理想を諦めない春風の姿に胸を打たれます。担当編集自身、この小説を読んで、仕事をがむしゃらに頑張ることだけが生活の全てではない、でもやっぱり好きな仕事だから頑張りたい、と背筋が伸びる思いがしました。
育児をしていてもしていなくても、私生活と仕事のバランスで悩むすべての人に読んで欲しい小説です!

新作『育休刑事(諸事情により育休延長中)も絶賛発売中!

登場人物を深堀り、書籍収録作品も試し読みできる「育休刑事」シリーズ特設サイトはこちら▼
https://kadobun.jp/special/nitadori-kei/ikukyu/

『育休刑事』について



育休刑事
著者 似鳥 鶏
定価: 792円 (本体720円+税)
発売日:2022年08月24日

事件現場に赤ちゃん出動!? 育児も謎解きも全力の新感覚本格ミステリ!
捜査一課の巡査部長、事件に遭遇しましたが育休中であります! 男性刑事として初めての1年間の育児休暇中、生後3ヶ月の息子を連れているのに、トラブル体質の姉のせいで今日も事件に巻き込まれ―!?

詳細ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/322103000564/
amazonページはこちら

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『育休刑事』著者・似鳥鶏さんに訊く「男性と育児」 探偵役が育休中の最先端ミステリ!
https://kadobun.jp/feature/interview/drsw6o7fug0k.html


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