取材・文/新谷里映
写真/冨永智子
映画『ヘルドッグス』原田眞人監督インタビュー第二弾
9月16日に公開、大ヒット上映中の岡田准一主演・映画『ヘルドッグス』。原田眞人監督インタビュー第二弾は、ネタバレを解禁し映画製作の裏側をお話しいただきました。
印象的なシーンが出来上がるまでのストーリーやカットされたセリフなど、映画をとことん深堀りしたインタビューをカドブン会員限定で公開します。
▼原田眞人監督インタビュー第一弾はこちら
https://kadobun.jp/feature/interview/7sg9v2g9de04.html
映画『ヘルドッグス』原田眞人監督“ネタバレ解禁”インタビュー
――『ヘルドッグス』をより深く理解するための第二弾インタビューでは、ネタバレありでお話を伺っていこうと思います。さっそくですが、兼高と室岡、兼高と十朱、男たちが命をかけて決着をつけるシーンにもそれぞれ美学がありました。
それぞれの殺し合いをどう描くか、どういう殺し合いをすればいいかは、脚本の段階ではなかなか見えてこなかったんですね。ただ、兼高と室岡の場合は兄と弟のような関係性を表現したかったですし、兼高と十朱の対決は相似形でやりたいというのはありました。特に十朱との対決は、彼らの始まり──十朱の護衛を決める時の防弾ベストから始まっているので、その繋がりは大事にしたかった。クライマックスでは、二人とも防弾ベストを着て、テーブル越しに撃ち合う。頭は狙わずに防弾ベストを狙う。もちろんあうんの呼吸で。
――そのシーンは、兼高と十朱が並行に移動しながら撃っていく、対等であることも感じ取れました。