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犯罪ミステリー『犯罪小説集』は、実際に起きた事件をモチーフに、「罪とは何か、生きるとは何か」を問いかける5編の短編作品集です。このうちの2編をもとに映画化した「楽園」が、10 月 18 日(金)に公開決定! カドブンでは原作者の吉田修一さんと、映画の主演を務める俳優・綾野剛さんの対談をどこよりも早く掲載! 3回連載でお届けします。吉田作品の映画出演は3度目になる綾野さん。お互いの近況や、映画の感想など様々なテーマでたっぷり語っていただきました。

舞台はとある地方都市。そこには、異国から母とともに移り住んだ、青年・豪士たけし(綾野)がリサイクル品を売って暮らしていた。片言の日本語しか話せず、小さい頃から孤立していた豪士。ある日、Y字路で少女失踪事件が発生するが、捜査の甲斐なく未解決となってしまう。12年が経ち、再び同じ場所で悲劇が発生。住民たちは、豪士がふたつの事件の犯人ではないかと疑う……。

◆原作をお守りに

吉田:綾野くんが僕の原作の映画に出てくれるのは、「横道世之介」の雄介役、「怒り」の直人役に続いて、今回の「楽園」の豪士役で3作目なんですよね。信頼していますし、安心感もあって毎回楽しみにしています。ほかの出演作もほとんど観ていますよ。正直言って、自分の原作以外でいい役を演じている綾野くんを観ると、ちょっと悔しいです(笑)。

綾野:うれしいです。ありがとうございます。

吉田:自分で書いた作品なんだけど、“もしこの役を綾野くんがやったらどうなるんだろう”って想像するのは、とても楽しいです。とくに今回は主演で、豪士という、少女失踪事件の疑いをかけられてしまった青年。彼をどういうふうに演じてくれるのか期待していました。
 豪士は、一応モデルとなる事件があって、そこから着想を得て出来上がったキャラクターです。でもまあ、やっぱり小説はフィクションですから。ノンフィクションのドキュメンタリーって、掘り下げれば堀り下げるほど“自分ではない他人の話”になっていくところがあるでしょう。小説は逆で、掘り下げれば掘り下げるほど自分に引き寄せられる。その強みを出せればいいなと思って、豪士を書いていました。

書籍

『犯罪小説集』

吉田 修一

定価 691円(本体640円+税)

発売日:2018年11月22日

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