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レビュー

=LOVE齊藤なぎさも共感!「現役学生はもちろん、かつて学生だった全ての人の心を動かす作品だと思います」『ないものねだりの君に光の花束を』

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(評者:=LOVE 齊藤なぎさ / アイドル)

 今までたくさんの本を読んできましたが、こんなに共感したり、苦しくなったり、幸せになったり……という作品は久しぶりでした。
 アイドルの真昼くんとそのクラスメイトの影子ちゃん。全く共通点がないように思えた2人がたくさんの言葉を交わして成長していく姿は、同年代の私としてもとても刺激を受けました。

 共感する部分は多く、中でも心に沁みたのは真昼くんのたくさんの言葉でした。
 アイドルとして活動しながらも、「勉強はやっぱり努力しないといけない」と言っていますが、アイドル活動と勉強の両立は本当に難しいこと。
 私も以前、コンサートと受験勉強を両立させる必要があったのですが、本当に辛くて……。でもどちらも全力でやらなくてはいけない。そんな経験から彼ががんばっている姿には自然と共感することができましたし、尊敬できる人だな、と。また、真昼くんほどではないかもしれませんが、私は先生に怒られるのがすごく嫌で、だから授業もちゃんと聞いて、宿題も必ず提出して……私なりに真面目に取り組んできたと思います。

 学校の中でどうしても特別視されてしまう真昼くんが言った「特別を手に入れたくて特別になったんじゃない」という言葉。
 他人のことを羨ましいな、と思うときは私にもありますが、その人が「特別」だったとしても、どのような経験をして、今のような特別な存在になったのか、というのは、その人自身しか分からないこと。なのに、勝手に決めつけて、「生まれたときからこの人は特別なんだ」と思うべきじゃない、と実感しました。

 「特別」はひとりひとり違うと思いますが、私にとっての「特別」は2つあります。
 ひとつは日常の中の特別。例えば、とてもおいしいヨーグルトを食べたというだけで特別な日になりますし、日常に特別なことを見つけられると楽しいな、と思います。
 もうひとつは私を応援してくださっているファンのみなさん。時間を割いて応援してくださるのはとても特別なことだと感じています。

 作品の中には誹謗中傷の話題も出てきますが、インターネットの向こう側にいる人は自分のことをすみからすみまで知っているわけではありません。
 インターネットの声は思っているよりも本人に届いてしまうし、ときに本人の心を傷付けてしまうものなんだということは、私自身も実感していることです。傷付いたときはやっぱり逃げ出したくなるし、誰も自分を知っている人がいないところに行きたくなる、という真昼くんの気持ちはすごく分かります。ですが、逆にファンの人の優しい言葉が傷を癒してくれることもたくさんあります。辛い言葉を上回るような優しい言葉で上書き保存をしているような……。

 あと、真昼くんにとって人生の大きな分岐点となるいくつかの出会いが印象的でした。影子ちゃんとの出会いもそうですが、真昼くんにはもうひとつ運命的な出会いがありました。
 誰かとの出会いで人生はたやすく変わります。私の人生においては指原さんとの出会いが運命的なもの。アイドルが大好きなただの子どもだった私の全てを変えてくれたのは指原さんと出会って=LOVEに入ったからです。
 私は自分にあまり自信がないタイプですが、指原さんは「かわいい」と褒めてくださる。私たちのことをすみずみまで見てくださっている指原さんからの言葉は自信になっています。

 アイドルとして活躍し、教室でも特別な存在となっている真昼くんに対して、自分は普通だという影子ちゃん。真昼くんの気持ちも分かりますが、影子ちゃんの気持ちもよく分かります。
 「特別」と同じで、「普通」の基準も人それぞれ違うと思っているので、ひとくくりにせず、できるだけ普通という言葉は意識して使わないようにしていますが、ダンスや歌で、上手な人と比べて「自分は普通レベルだな」「上にはいけないな」と思ってしまうこともやっぱりあります。
 私もそうですが、きっと学生のころって人と自分を比べがちで、自分が「特別なのか」「普通なのか」を考えてしまう時期。だからこそ、その2点について言及しているこの作品のいろんな言葉が刺さるのだと思います。

 アイドルという存在は、キラキラしているように見えるかもしれません。ですが、アイドルもいろんなことを考えながら活動しているということが、この作品を読むと分かってもらえるのではないでしょうか。
 あとは、真昼くんと影子ちゃんの言葉のやりとりに、学生ならではの、本気の言葉のぶつかり合いが表れています。今、学生の方はもちろんのこと、大人のみなさんも学生時代の気持ちを思い返すことができるはずだと思います。私も、読んでいていろんな感情が生まれる作品だな、と感じました。

 『ないものねだりの君に光の花束を』というタイトルも、最初はどうしてこのようなタイトルなのか不思議に思いましたが、読み終えると、とてもしっくりときます。本編を通して読むとタイトルに繋がるので、その点にも注目して読んでいただきたいです。

協力:ふくだりょうこ



汐見夏衛『ないものねだりの君に光の花束を』詳細はこちら(KADOKAWAオフィシャルページ)
https://www.kadokawa.co.jp/product/321910000671/


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