インタビュー

【インタビュー】「リーガル・ピース!」新シリーズ開幕記念
そのトラブル、“裁判せずに”解決します――。この春、最高に面白くて頼りになる、最強チームが誕生!
『インディゴの夜』や『メゾン・ド・ポリス』『警視庁アウトサイダー』など、数多くの作品が映像化されている加藤実秋さんの新シリーズが開幕します。今回もくすりと笑えてクセになる、魅力的なキャラクターが勢ぞろい! 一流だけど個性的で自由すぎる彼らがチームとなり、様々な難題に挑戦していきます。
テーマは、ずばりリーガルもの。ただし、これまでのリーガルものとは一味違う! 裁判をせずに和解によってトラブルを解決するところが新鮮で、あっと驚く解決方法も面白いんです。様々なトラブルで、当事者同士の“ちょうどいい落としどころ”を探して奮闘する主人公たちの姿に、わくわくすること間違いなし!
新シリーズ開幕を記念して、著者の加藤実秋さんに、作品の読みどころやおすすめキャラクターについて伺いました。
文:角川文庫編集部
加藤実秋「リーガル・ピース!」新シリーズ開幕記念インタビュー
――加藤さんの小説は、これまで警察小説が多かったイメージですが、今回は初めてリーガルものに挑戦されたんですね!
加藤:一昨年『警視庁アウトサイダー』のドラマ化が公表された際、担当プロデューサーさんのコメントに「白か黒かしかないような世の中で、限りなくグレーな登場人物たちが主人公のドラマを……」というようなフレーズがあり、「なるほど」と印象に残っていました。その後、裁判外紛争解決手続(ADR)の存在を知り、「これだ!」と繋がった、という感じです。
*ADRとは……
民事上のトラブルを裁判に持ち込まず、簡単に、素早く、公正に解決する手続きのこと。
手続きは紛争の当事者双方の合意のもと、非公開で行われる。助言、仲裁、調停の三種類があり、弁護士、司法書士のほか、各トラブルの分野のスペシャリストが「和解あっせん人」としてこれにあたる。
――「これまでのリーガルものとはここが違う!」というポイントはどこですか?
加藤:まず、ADRというシステム。あとは、わかりやすいヒーローは登場せず、勧善懲悪なオチでもないけど、読後感は爽やか、という展開になるよう、心がけました。
――加藤さんの作品といえば、『メゾン・ド・ポリス』や『警視庁アウトサイダー』など、チームやバディで活躍する個性的なキャラクターも魅力の一つですが、今回も面白そうなキャラクターが勢ぞろいですね!
加藤:私のスタイルとして、はじめに要となる主人公とその相棒のキャラクターを考え、続いてその2人を取り巻く仲間たちを考えます。今回も最初に「主人公は、グレーを愛する男」と浮かび、「なら相棒は逆に、白黒はっきりさせたい女かな」という関係性が決まり、それに呼応するかたちで、他のメンバーが浮かびました。
――「白黒はっきりさせたい女」、ヒロイン・明日花の成長も見どころですし、彼女の家族も個性派揃いですよね(笑)。バブリーな両親と、なんでも他人任せだけど憎めない兄、という強烈な家族に明日花が振り回されるところも注目ポイントです。
加藤:テレビなどを見ていて、「センスや価値観が、自分が一番イケてた時代で止まっちゃってる人っているよね」と感じることがあるのと、「何でも誰かが何とかしてくれると思ってるやつ、いるな」という、個人的な体験(笑)が発想源です。
――主人公とヒロイン以外で、特に加藤さんの思い入れのあるキャラクターは誰ですか?
加藤:弁理士の戸嶋光聖でしょうか。特許のプロである弁理士でありながら、自称・元ヤンキーという異色の設定。絶対の自信を持って書けるのがヤンキーキャラということもありますが(笑)、構想中に「ビジネスヤンキー」という言葉が浮かび、それをキーワードとして、戸嶋のキャラクターをつくりました。
――私も弁理士の戸嶋は推しのキャラクターです! 「クロワッサン」のシーンが好きすぎます(笑)。それと、怪しさ満点の一級建築士・諏訪部も大好きです。彼が出てくるたびに、その言動がツボッてしまって……(笑)。
加藤:2人とも、なんだかんだ言っていいやつ、というのがキモだと思ってます。諏訪部は、あるタレントさんをイメージモデルにしていて、執筆にあたって、その方の本を読んだり、動画を浴びるように見たりして、すっかりファンになってしまいました。
――ぜひ、諏訪部のモデルが誰なのかも想像しながら読んでほしいですね! そんな個性的な彼らが立ち向かうトラブルは、どんなものがあるのでしょうか?
加藤:殺人事件が起きたりしないぶん、身近で、誰が巻き込まれてもおかしくないトラブルが次々と登場します。たとえば、SNSの炎上、ご近所とのいざこざ、土地や相続の揉めごと・・・・・・。取り上げたいテーマはたくさんあるので、楽しみにしていて下さい。
――1巻の読みどころはどんなところでしょうか?
加藤:主人公・津原元基と、相棒・江見明日花の出会い、その仲間たちの紹介と、彼らが活躍するトラブルといったところですが、津原たちの事務所が入っている「ニュー東京ビルヂング」にも、注目していただきたいですね。
都内に実在するクラシックビルをモデルにしていて、取材にも行きました。こぢんまりとしていながら、ディテールに意匠が凝らされていて趣があり、「作品の舞台になるビルも、キャラクターの一人と位置づけよう」と閃きました。ビルの様子などをイメージして読んでいただくのも、お勧めです。
――今後の展開はどうなっていくのでしょうか?
加藤:「和解センターノーサイド」に持ち込まれた様々なトラブルを、津原と明日花、仲間たちが裁判に持ち込まず、善悪のジャッジもせず、いかにトラブルの当事者双方が納得するオチ=和解に持っていくか? そこに津原が背負っている過去や、明日花の成長が絡んで……という感じでしょうか。加えて、「○○士(師)」といった、さまざまな士業のプロたちがそれぞれトラブルにどう関わり、どんな力を発揮するかも、読みどころにしたいと考えています。
これまでにないシリーズ、リーガルストーリーにしたいと思っていますので、ぜひご一読下さい。
書誌情報
書 名:リーガル・ピース! その和解、請け負います
著 者:加藤実秋
発売日:2025年03月22日
裁判せずにトラブル解決! 新感覚リーガル・エンターテインメント始動!
裁判せずにあなたのトラブル、解決します――。
上司の収賄疑惑が原因で退職に追い込まれた明日花は、“和解の達人”と呼ばれる弁護士・津原と出会う。終始薄い笑みを絶やさず掴みどころのない彼の周りには、一流の専門知識を持ちつつもクセが強すぎる仲間が集まっていた。賄賂の真相を知るため津原に依頼した明日花だが、個性的な仲間も巻き込み事件は思わぬ展開に……。
「それってどっちが正しいの?」「世の中、白か黒かじゃない。グレーな答えが人を幸せにすることもある」。最強チームが織りなす、新感覚のリーガル・エンターテインメント開幕!
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322409000518/
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プロフィール
加藤実秋(かとう・みあき)
1966年、東京都生まれ。2003年、「インディゴの夜」で第10回創元推理短編賞を受賞し、デビュー。同作は大人気シリーズとなり、ドラマ化、舞台化、コミック化された。他著に「モップガール」シリーズ、「メゾン・ド・ポリス」シリーズ、「警視庁アウトサイダー」シリーズ、「刑事ダ・ヴィンチ」シリーズ、『チャンネルファンタズモ』『風が吹けば』『ご依頼は真昼のバーへ Barホロウの事件帳』『桜田門のさくらちゃん』『学園王国』『ゴールデンコンビ 婚活刑事&シンママ警察通訳人』『渋谷スクランブルデイズ インディゴ・イヴ』などがある。