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【ブックガイド】 愛おしさも、おそろしさもゆるやかに包み込んで 「大阪のひとびと」小説7選

よろず東の人間は、大阪にほのかな憧れがあるんじゃないだろうか。
ふっくらまろやかなだしの味、絶対音感みたいな笑いのセンス、すぐお金の話をする勘定高さとお金なんかじゃ転ばない矜持、何より、喜びもかなしみも善も悪も混沌も、すっぽりまとめて抱きしめる、大阪ことばの豊かな色っぽさ。
先日、第16回山田風太郎賞を受賞した遠田潤子さんの『ミナミの春』をはじめ、いまと昔の大阪をあじわいつくす本を集めてみました。

愛おしさも、おそろしさもゆるやかに包み込んで
「大阪のひとびと」小説7選

遠田潤子『ミナミの春』(文藝春秋)



第16回山田風太郎賞受賞作!
痛みも後悔も乗り越えて、いつかきっと笑える。

売れない芸人を続ける娘、夫の隠し子疑惑が発覚した妻、父と血のつながらない高校生……
大阪・ミナミを舞台に、人の「あたたかさ」を照らす群像劇。

◎松虫通のファミリア
「ピアニストになってほしい」亡妻の願いをかなえるために英才教育を施した娘のハルミは、漫才師になると言って出ていった。1995年、阪神淡路大震災で娘を亡くした吾郎は、5歳になる孫の存在を「元相方」から知らされる。

◎ミナミの春、万国の春
元相方のハルミが憧れた漫才師はただ一組、「カサブランカ」。ハルミ亡き後も追い続けたが、後ろ姿は遠く、ヒデヨシは漫才師を辞めた。2025年、万博の春に結婚を決めたハルミの娘のため、ヒデヨシは「カサブランカ」に会いに行く。

(文藝春秋オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163919553

北沢 陶『をんごく』(KADOKAWA)



第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 史上初の三冠受賞作!

大正時代末期、大阪船場。画家の壮一郎は、妻・倭子の死を受け入れられずにいた。
未練から巫女に降霊を頼んだがうまくいかず、「奥さんは普通の霊とは違う」と警告を受ける。
巫女の懸念は現実となり、壮一郎のもとに倭子が現われるが、その声や気配は歪なものであった。
倭子の霊について探る壮一郎は、顔のない存在「エリマキ」と出会う。
エリマキは死を自覚していない霊を喰って生きていると言い、
倭子の霊を狙うが、大勢の“何か”に阻まれてしまう。
壮一郎とエリマキは怪現象の謎を追ううち、忌まわしい事実に直面する――。

家に、死んだはずの妻がいる。
この世に留めるのは、未練か、呪いか。

(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322306001322/

朝井まかて『どら蔵』(講談社)



騙し騙され、知恵と欲の丁々発止の果て
手にする物は?

天保の世。大坂の道具商の放蕩息子・「どら蔵」こと寅蔵(とらぞう)は、なまじ目利き自慢であるのが運の尽き、奉公先に大損害を与えてしまい、大坂にいられなくなりました。旅に出て辿り着きたるは、知恵と欲が渦巻く江戸の骨董商の世界。手練れたちに揉まれながらも大奮闘! できればよいのですが。そううまくは運ばないのが世の常、人の常。お宝を巡って時に騙され、時に勝負をかけ、時々情に流され――。丁々発止の果て、どらちゃんは「真物(ほんもの)」の目利きになれるのか?

(講談社オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000416623

増山 実『甘夏とオリオン』(角川文庫)



人はいつだって、誰かを待っているんやね。

大阪の下町、玉出の銭湯に居候する駆け出しの落語家・甘夏。彼女の師匠はある日、一切の連絡を絶って失踪した。師匠不在の中、一門を守り、師匠を待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子。一門のゴシップを楽しむ野次馬、女性落語家への偏見――。苦境を打開するため、甘夏は自身が住んでいる銭湯で、深夜に「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」を行うことを思いつく。寄席にはそれぞれに事情を抱える人々が集まってきて――。

(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322108000232/

万城目 学『プリンセス・トヨトミ』(文春文庫)



秘密の扉が開くとき、大阪が全停止する!?

5月末日の木曜日、大阪が完全に止まる。
あらゆる種類の営業活動、商業活動、地下鉄、バス等の公共機関も一切停止。
しかし、そのことは大阪人以外は全く知らない。
その発端となったのが、会計検査院からやってきた個性豊かな調査官3人と、空堀商店街で暮らす女子になりたい中学生・大輔と彼を守ってきた幼馴染の茶子(ちゃこ)。
彼らが、大阪人に400年の長きにわたって連綿と引き継がれてきた、秘密の扉を開けてしまうのだった……。

(文藝春秋オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら   ⇒   https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167788025

一穂ミチ『パラソルでパラシュート』(講談社文庫)



29歳、流されるままの人生の中で、売れないお笑い芸人と出会った。

結婚には興味がないし、仕事も食べていけるだけの収入があれば十分。受付嬢として働く柳生美雨が三十歳の契約終了を前に出会ったのは、売れないお笑い芸人の矢崎亨だった。亨や相方の弓彦、シェアハウスの芸人たちと遊んで過ごす中で訪れる「嵐」。周りに合わせて生きてきた美雨が見つける、初めての希望とは?

(講談社オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら  ⇒  https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000407885

岸 政彦 柴咲友香『大阪』(河出文庫)



大阪へ来た人、大阪を出た人──かつていた場所と今いる場所が「私」を通して交差する。街と人の呼吸を活写した初共著エッセイ。

(河出書房新社オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら  ⇒  https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309420936/

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