秋深し、読書界のモードはすっかりミステリですが、みなさんが生まれて初めて読んだミステリは、何ですか? 担当は『名探偵カッレくん』シリーズでした。かの『長靴下のピッピ』の著者が書いた、探偵志望の少年少女たちの冒険譚(そして結構シリアスな事件が起こる!)ですね。今の子供たちの多くが最初に出会うのは『かいけつゾロリ』なのでしょうか。
思えば本当に物心ついたころから、今に至るまで、ミステリはわたしたちの心を捉えて離さないエンタテインメントです。現実の、この世界が混沌に満ちているからこそ、謎解きは人類最大の娯楽であり、探偵は人類最高のヒロイックな存在なのかもしれません。
そんなわけで、この秋も最高に面白いKADOKAWA発のミステリ、ずらりと並べてご紹介します。
ミステリの季節がやって来た!!
2025秋 いま、読んでおきたい最旬ミステリ
杉井 光『羊殺しの巫女たち』(KADOKAWA)
『世界でいちばん透きとおった物語』著者による二度読み必至ホラーミステリ
「十二年後、次の祭りの日に、ここでまた集まろうよ。みんなで」
山に囲まれた早蕨部村で12歳を迎える6人の少女たちは、未年にのみ行われる祭りの巫女に任命される。それは繁栄と災厄をもたらす「おひつじ様」を迎えるため、村の有力者たちが代々守ってきた慣習だった。祭りの日、彼女たちは慣習に隠された本当の意味を知る――。そして12年後、24歳になった彼女たちは、村の習わしを壊すというかつての約束を果たすため、村に集う。脈々と受け継がれた村の恐るべき慣習と、少女たちの運命が交錯する中、山で異様な死体が発見される。
あなたは、真実に気づくことができるか。衝撃のホラーミステリが幕を開ける!
(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322403000619/
新川帆立『目には目を』(KADOKAWA)
罪を犯した「本当は良い子」の少年たち。奪われた命が、彼らの真実を浮かび上がらせる
重大な罪を犯して少年院で出会った六人。彼らは更生して社会に戻り、二度と会うことはないはずだった。だが、少年Bが密告をしたことで、娘を殺された遺族が少年Aの居場所を見つけ、殺害に至る――。人懐っこくて少年院での日々を「楽しかった」と語る元少年、幼馴染に「根は優しい」と言われる大男、高IQゆえに生きづらいと語るシステムエンジニア、猟奇殺人犯として日常をアップする動画配信者、高級車を乗り回す元オオカミ少年、少年院で一度も言葉を発しなかった青年。かつての少年六人のうち、誰が被害者で、誰が密告者なのか?
(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322209001697/
藤 つかさ『名探偵たちがさよならを告げても』(KADOKAWA)
高校で起こる不審な死。それは亡き小説家の遺稿に見立てた殺人か――
教師の傍ら執筆活動を続け、ミステリ作家として一世を風靡した久宝寺肇(きゅうほうじはじめ)が癌で亡くなった。恩師である久宝寺の死と時を同じくして母校に国語教師として赴任した辻玲人(つじれいと)は、彼の遺稿を入手する。それは不可能状況での殺人を描く短編ミステリのプロットで、解決編のない状態だった。「探偵」になるのが夢だという女子生徒・あずさと協力して、遺稿の続きを探す玲人。しかし校内で女子生徒の死体が発見され、その死の状況は遺稿プロットとまるで同じだった。
(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322410001160/
朝比奈あすか『普通の子』(KADOKAWA)
成績は平均的。口答えもそれほどしない。
ごくごく普通のわが子が、教室のベランダから飛び降りた。
佐久間美保は小学5年生の息子・晴翔(はると)と、同じ会社で働く夫・和弥と、忙しないながらも普段通りの毎日を過ごしていた。そんなある日、晴翔が小学校のベランダから転落して骨折してしまう。転落した理由を尋ねるも、息子はかたくなに口を閉ざしたまま。ひょっとすると、わが子はいじめを受けていたのではないか――。そう思った美保は独自に真相を探ろうとするが、自身も小学生時代に、あるいじめを「体験」した記憶がよみがえり……?
事件の真相を追う母親に、過去の子ども時代が交錯する。
すべての記憶を揺るがす、衝撃のラスト10ページ!
(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322303000464/
人気シリーズ、話題の続巻!
▼ 岩井圭也『追憶の鑑定人』――「最後の鑑定人」シリーズ
https://www.kadokawa.co.jp/product/322504000871/
▼ 東川篤哉『谷根千ミステリ散歩 密室の中に猫がいる』――「谷根千ミステリ散歩」シリーズ
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▼ 有栖川有栖『濱地健三郎の奇かる事件簿』――「濱地健三郎」シリーズ
https://www.kadokawa.co.jp/product/322301000196/
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