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特集

【ブックガイド】世界が濡れている季節だから、見えるものがある 雨の小説7選

今年もやってきてしまいました。雨の季節。
この雨という字、いいデザインだなあ、と思ったりします。天から水が落ちてることが一発でわかる。
みつめていると、点々のあいだから、微かに水音が聴こえてきたりしませんか。
サーーー、という穏やかな音だったり、しとしと、と情緒ある感じだったり、
ゴオオオオ、と濁流の流れが耳元に迫ってきたり。
雨にいろんな表情があるように、雨をきっかけとして生まれる物語も多彩です。
雨の日に行動する死神、雨が解き明かす謎、雨がつなぐせつない恋心、憂鬱な雨の日に思うこと、雨が連れてくる、身の毛のよだつような恐怖――。
さかさ星』が『このホラーがすごい! 2025年版』(宝島社)ベスト20【国内編】第2位にランクインし再注目のキング・オブ・ホラー貴志祐介さんの文庫新刊をはじめ、この季節に読みたい雨の小説を集めました。

世界が濡れている季節だから、見えるものがある
雨の小説7選

貴志祐介『梅雨物語』(角川文庫)



謎を解くたびに、絶望は深まる。貴志祐介が描くホラーミステリの極北 。

自ら命を絶った青年が残したという1冊の句集。元教師の俳人・作田慮男は、かつての教え子から依頼を受け、俳句の解釈を進める。沖縄の情景を描いた句を読み解いていくうち、恐るべき秘密が浮かび上がってくる(「皐月闇」)。遊廓で蝶のような花魁たちと遊ぶ夢を見る男の末路、広い庭を埋め尽くす色とりどりのキノコがもたらす幻覚。静かに忍び寄る恐怖と緻密な謎解きが読者を圧倒する3編を収録。著者真骨頂のホラーミステリ。

(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322412000817/

伊岡瞬『教室に雨は降らない』(角川文庫)



家庭と学校の闇を照らす、希望の連作ミステリー!

森島巧は公立小学校で音楽の臨時講師として働く23歳。音楽家の親の影響で音大を卒業するも、流されるように教員の道に進んでしまう。腰掛け気分で働いていた森島だが、学校で起こる予想外のトラブルに巻き込まれていく。モンスターペアレント、いじめ、無気力教師、学級崩壊。子どもたちのSOSサインを見抜き、手探りで解決していく中で、彼が見つけた真実とは? 曇りがちな私たちの心を晴れやかにする、希望の連作ミステリー。

(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/201203000914/

綾崎隼『蒼空時雨』(メディアワークス文庫)



偶然の「雨宿り」から始まる、切ないラヴ・ストーリー。

ある夜、舞原零央はアパートの前で倒れていた女、譲原紗矢を助ける。どこにも帰る場所がないと語る彼女は居候を始め、次第に猜疑心に満ちた零央の心を解いていった。やがて零央が紗矢に惹かれ始めた頃、彼女は黙していた秘密を語り始める。その内容に驚く零央だったが、しかし、彼にも重大な秘密があった。 二人は自分の居場所を見つけるため、互いに秘密を打ち明け始める。まるで、雨宿りでもするかのように。巧妙に張り巡らされた伏線が、いくつも折り重なったエピソードで紐解かれる、新感覚の青春群像ストーリー。

(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/201001000009/

伊坂幸太郎『死神の精度』(文春文庫)



俺が仕事をすると、いつも降るんだ

1、CDショップに入りびたり、 2、苗字が町や市の名前であり、 3、受け答えが微妙にずれていて、 4、素手で他人に触ろうとしない。 ――そんな人物が身近に現れたら、それは死神かもしれません。1週間の調査ののち、その人間の死に〈可〉の判断をくだせば、翌8日目には死が実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う6つの人生。

(文藝春秋オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167923372

道尾秀介『龍神の雨』(新潮文庫)



自分を責めながら弟は生きてきた。妹の告白を聞き、兄は犯罪計画を立てた。

添木田蓮と楓は事故で母を失い、継父と三人で暮らしている。溝田辰也と圭介の兄弟は、母に続いて父を亡くし、継母とささやかな生活を送る。蓮は継父の殺害計画を立てた。あの男は、妹を酷い目に遭わせたから。――そして、死は訪れた。降り続く雨が、四人の運命を浸してゆく。彼らのもとに暖かな光が射す日は到来するのか? 

(新潮社オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.shinchosha.co.jp/book/135553/

相沢沙呼『雨の降る日は学校に行かない』(集英社文庫)



あなたは一人きりじゃない、そう心に寄り添う連作短編集。

保健室登校をしているナツとサエ。二人の平和な楽園は、サエが“自分のクラスに戻る”と言い出したことで、不意に終焉を迎える――(「ねぇ、卵の殻が付いている」)。学校生活に息苦しさを感じている女子中学生の憂鬱と、かすかな希望を描き出す6つの物語。現役の中高生たちへ、必ずしも輝かしい青春を送って来なかった大人たちへ。あなたは一人きりじゃない、そう心に寄り添う連作短編集。

(集英社オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら  ⇒  https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-745553-3

宇山佳佑『この恋は世界でいちばん美しい雨』(集英社文庫)



恋人たちを襲う、残酷すぎる“奇跡”──。
雨の日に始まった、運命の恋の行方は。

駆け出しの建築家・誠と、カフェで働く日菜。雨がきっかけで恋に落ちた二人は、鎌倉の海辺の街で同棲中。いつか日菜に「夢の家」を建ててあげたいと願う誠だが、ある雨の日、二人は事故で瀕死の重傷を負う。"案内人"と名乗る男女の提案によって誠と日菜は二人で二十年の余命を授かり、生き返ることに。しかしそれは、愛し合う二人が互いの命を奪い合う苛酷で切ない日々のはじまりだった──。

(集英社オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら  ⇒  https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-744257-1

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