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特集

【ブックガイド】 新緑の下には、何が埋まっているのだろう―― 心ざわつく緑の小説7選

新緑の5月。世界がまぶしく生まれ変わってゆくのに、人間はなんだかどよん、としていたりしますね。これか? これが五月病というやつなのか⁈
真偽は定かでないのですが、この時期の植物には、かすかな毒性があるのだと聞いたことがあります。出たばかりの若芽が虫に食われないように。そのうっすらとした毒が我々を気怠くさせたり、憂鬱にしたりしているのだと。なにがなしおそろしくもあり、斜め上方向にロマンティックでもあり。
ひとつ確かなのは、植物も我々も、同じ世界に生きているということ。だから人間同様、彼らには彼らの都合もあるんだということ。都合によっては人間は排除の対象にもなりえる――という小説が先日刊行された『我らが緑の大地』でした。
ざわざわしてままならない。時におそろしい。植物が支配するこの季節は、ひょっとしたら人間のある時期に似ているのかもしれません。そう、青かったり春だったりするアレです。
そんな、不穏でドキドキする緑の小説を集めてみました。

新緑の下には、何が埋まっているのだろう――
心ざわつく緑の小説7選

荻原浩『我らが緑の大地』(KADOKAWA)



『手始めに、有害な生物を駆除する。害虫、病原菌、草食動物、そして人間』

スタートアップ企業・グリーンプラネットに勤める村岡野乃は、植物の「会話(コミュニケーション)」について研究している。コマツナは虫にかじられると毒を合成したり、SOSを出して虫の天敵を呼び寄せたりするなど、植物もほかの生物と同様、驚くべき知性を持っていることがわかってきた。ある日、農場の視察に訪れた企業の社員が、改良された大豆を食べて救急搬送される事件が発生。さらには、原因不明の山火事や、飢えて狂暴化した猿による襲撃、森を走る「謎の野人」の目撃情報など、奇怪な出来事が相次いでいた。野乃は一連の事件を「植物による反乱」ととらえ立ち向かおうとするが……?

(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322311000884/

住野よる『青くて痛くて脆い』(角川文庫)



『君の膵臓をたべたい』著者が放つ、青春小説!

人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学一年の春、僕は秋好寿乃に出会った。周囲から浮いていて、けれど誰よりもまっすぐだった彼女。その理想と情熱にふれて、僕たちは二人で秘密結社「モアイ」をつくった。――それから三年、あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。そして、僕の心には彼女がついた嘘がトゲのように刺さっていた。傷つくことの痛みと青春の残酷さを描ききった住野よるの代表作。

(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/321909000282/

津村記久子『ミュージック・ブレス・ユー!!』(角川文庫)



アザミよ、ヘッドホン1個ひっかけてどこへ行く――。

「音楽について考えることは将来について考えることよりずっと大事」な高校3年生のアザミ。進路は何一つ決まらない「ぐだぐだ」の日常を支えるのはパンクロックだった! 

(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/201009000052/

井上ひさし『青葉繁れる』(文春文庫)電子版



爆笑とペーソスあふれる青春文学の傑作。

青葉繁れる城下町、東北一を誇る名門校・仙台一高に、日本一の名門・日比谷高校から転校生がやってきた。しかも編入されたのは名門校にも存在する落ちこぼれクラス。料亭の息子で映画マニアの稔くん以下、ユッヘ、デコ、ジャナリの仲良し四人組はいろめきたったが、異性への過度の関心という共通の悩みから、日比谷の劣等生、俊介くんはあっという間に仲良くなって、女子校合同英語劇公演、松島合ハイと愛すべき珍事件をまき起す!

(文藝春秋オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://books.bunshun.jp/ud/book/num/1671110100000000000L

新井素子『グリーン・レクイエム 新装版』(講談社文庫)



恋と、運命と、SFと。
40年の時を経ても色褪せない、SFファンタジーの名作!

幼いころに迷い込んだ山奥の洋館。そこで出会った、すいこまれるように深い緑の髪の少女に、信彦は心を奪われる。やがて時を経て再び少女――明日香に会ったとき、彼女に課せられた運命が二人をのみ込もうとする。明日香の髪に秘められた力、彼女の正体、そして帰るべき場所とは。

(講談社オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000348748

歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』(文春文庫)



究極の驚愕、ミステリーの奇蹟がここにある

素人探偵のもとに持ち込まれた霊感商法事件の意外な顛末、そして…。あなたは最後の一文まで、ただひたすら驚き続けることになる。
「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして——。あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本。

(文藝春秋オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167733018

長野まゆみ『若葉のころ』(集英社文庫)



もう、逢うべきぢゃない――。二人の結末は?

京都の大学に進学し、二度目の春を迎えた凛一。氷川と逢える平穏で幸福な日々がようやく訪れたかに思えたが、三年ぶりに帰国した有沢が、再び凛一の心に波紋を広げていくのだった。そんなおり、大学フットボール部の主将として活躍する氷川に関する情報を外部に漏洩しているという疑いが凛一にかけられる。ふたりはこのまま逢うことができなくなるのか……。好評シリーズついに完結。

(集英社オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=4-08-747811-4

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