自らを「サイコパス」と自認する19歳の青年、坂木錠也さかきじょうや。〝まとも〟な状態を保つため、彼なりに足掻きながら暮らしていたが、久しぶりに会った友人の質問から日常が崩れはじめ——。
道尾秀介みちおしゅうすけさんが「読者と勝負したい」と選んだテーマに脳科学者としての視点から、中野信子なかののぶこさんに切りこんでいただきました。

>>〈前編〉心理的なブレーキを外す
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サイコパスの一人称だから書けた

中野:ネタばれしないように話すのが難しいんですが、DNA鑑定のエピソードがありましたよね。DNAをこう扱うんだ、というアイディアが面白いと思いました。

道尾:二〇年くらい前には、ちょっとした皮脂から犯人が特定できるなんて信じられなかった。DNA鑑定のように、科学が発達すると、書かれる物語もどんどん変わってきますよね。平安時代には誰かの夢を見たら、その人が自分のことを好いている、と考えられていた。でも現代では自分がその人のことを好いていると考える。逆ですよね。『スケルトン・キー』も現代の科学知識があって生まれた物語だと思います。

中野:DNAを扱うにしても、いくつも仕掛けがあって、タタタッと驚きが続く。しかもその後の物語の展開を予想していたら、見事に裏切られました(笑)。

書籍

『スケルトン・キー』

道尾 秀介

定価 1620円(本体1500円+税)

発売日:2018年07月27日

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    書籍

    「本の旅人」2018年8月号

    角川書店編集部

    定価 100円(本体93円+税)

    発売日:2018年07月27日

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